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アラクネ姉さん  作者: ますくばろん
森の中のアラクネ姉さん
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森の中のアラクネ姉さん 7

久々のむしゃむしゃ。

 

 川辺に到着早々、小麦ちゃん改めレイナちゃんに私の高機動の立体移動について怒られてしましましたが、現在は和気あいあいと、アウトドア女子会を開催中です。


 アウトドアと言えばやはりバーベキューでしょ!? という私の強い主張に、ロリっ子ノアちゃんが応えてくれました。


「うまっ! 美味すぎる!! 美味くて美味くてぇぇ。手がぁ、口がぁ……止まらなくて幸せですっ!!」


 と内なるワイルドガールが咆哮して暴れているのは、もちろん、私です。


 いやほんと、メインが生産職なだけあって、ノアちゃんの料理はやばいです!


「落ち着きなよ。所詮ゲーム――って言いたいけど。このゲームの飯は美味すぎるんだよな。しかもいくら食っても太らないのってのが最高」


 と言いつつ私に負けず劣らず銀髪のサイドテールを、振り乱してがっついてるレイナちゃん。


「――喜んでもらえてよかったです」


 長い金髪を少しだけツインテールにした女の子が私達を狂わす者――ノアちゃんです。

 そして、彼女の全力で守りたくなる愛らしい笑顔で、はにかむ姿が視界の端に映りましたが、今は保護欲より食欲です。





「――いやぁ! 美味しかった! ごちそうさまでした。ノアちゃん」

「ごちそうさま。やっぱノアの料理が一番いいなっ! ステの上昇値が高くて。しかも美味い!」


 レイナちゃんが言ってるのは食事による一時的なステータス値の上昇効果の事です。

 なんでもMMORPGお馴染みのシステムだとか。


「便利そうですね。調理師って」

「便利ですよ! もしかして生産職に興味が!?」とノアちゃんが目を輝かせて反応します。

 それを見ていたレイナちゃんが「スイッチ押したな」とつぶやいてますが、なんのことでしょう?


「ええ。一時的にとはいえ能力値が上がるのは魅力的ですのでね。他にもあるんですか?」


 この言葉がまさに引き金を引いたと、いうべきですかね。


「はいっ!! 生産職は戦えない代わりに、いろんなサポートが出来るんですよ!! 先ずですね――」


 それから始まったノアちゃんのパーフェクト生産職教室。水を得たなんとやら。

 レイナちゃん曰く『凄い人見知りだ』というのが『冗談でしょ?』って言いたくなるぐらい饒舌に、しかもわかりやすく説明してくれました。


「――ですので、戦闘が苦手な私でも、みんなとゲームしてるんだ役に立てるんだ。て一体感を感じる事が出来るんです」


 そう言って話を締めくくった彼女は顔に楽しいって張り付けたような笑顔で笑っていました。



「――落ち着いたか? ノア」

「え? あ! そその、ごめんなさい! シグさん! 私ばっかり話してて!」

「いえいえ。非常に有益なお話でしたよ。町に行ったら生産職に就きたいと思ってましたので」

「そうなんですかっ!? じゃ――」


「ノーア!」とレイナちゃんがノアちゃん教室が再開しそうになるのを止める。

「本当に好きなんですね」と言えば、先走りそうになった自分に照れていたノアちゃんがこれまた楽しそうに笑顔で、元気よく「はいっ!」と答える。


「ジョブの話の流れでだから聞くけどさ、あんたのジョブなんなの?」と私を見てそう質問してくるレイナちゃん。


「ジョブですか? ジョブには就いてないですよ?」

「え? それって……ノービス、て事?」


 確かノービスってこのゲームじゃ初心者だとか、あえて職に就かないプレイヤーの事を指すんでしたっけ? と情報サイトに書かれていた内容を、記憶の奥から引っ張り上げる。


「えっとですね。アラクネって戦闘職に就けないんですよ。生産職には就けるみたいですがね。なので打算的な言い方をすると。生産職で有名と言われていたノアちゃんとの出会いは、非常に幸運と言えますかね。ああ、レイナちゃんともですよ? 私は最近始めたばかりですので、先駆者の方とこうやって話せるのは非常に有益です」

「……あんたってけっこー思った事をズバッと言う性格だな。まぁその方が信用できるけど」

「それはよかった。なんというか私。モノの言い方がきついとか、直球すぎると言われることが多くて……友達少ないんですよ」


 あ、自分で自分の地雷踏んだ……悲しみ。と自爆してしょげそうになっているとノアちゃんが「私は憧れちゃいます!」と迫ってくる。


「その――私人見知りが酷くて。あとハッキリ言えないことが多くて、みんなを苛立たせることが多いんです。なんとかしようって頑張っているんですが……」


 と最初の勢いが失速し、しょんぼりしちゃうノアちゃん。

 私はその姿を見て逆にテンション上がりそうです。だってこの子可愛いんですもの!?

 ギュッと抱きしめお持ち帰りしたい。切実に。


 それから、三人揃えば姦しいとばかりに話に花を咲かせ、ここ数日間の殺伐とした日常で疲弊した精神を久方ぶりに口にできた料理とロリっ子ドワーフあわわ萌えノアちゃん。

 そして、褐色小麦エロカワエルフのレイナちゃんで、癒す事が出来ました。








誤字脱字報告ありがとうございます。

あと、誤字脱字が多くてすいません。


それと日間ランキング4位に!

これも読んでくれた皆さんのお陰です

本当にありがとう。


これからもよろしくお願いします。

ブックマ、評価、感想等々本当に励みになってます。

努力に恨みなかりしかの精神で頑張ります。

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