森で出会った○○○○ 2
着地と同時に二人を放す。
弾丸の様に飛び出すノアちゃん。
それを追うようにして恨み言を残して駆け出すレイナちゃん。
二人は左右に別れ、先ずはゴブリンを処理するようです。
でしたら、私の獲物は中央二匹のオークですかね。
そうと決まれば早速行動開始。
彼女らに遅れながらも、こちらに背を向けているオーク二匹に、前脚を突き立てる。
背中をザックリ切り裂き、敵の動きを止め、ついでとばかりに突き飛ばして態勢を崩す。
あとは頭を潰すなり突き刺すなりして、止めを刺そうとしたところで赤黒い塊がオークの頭を粉砕。
塊の正体は件のセルケトさんのハサミ。
チラッと彼女を見ると目が合いました。そして彼女は、にっと笑顔を浮かべ、
「わりぃ。助かった!」
「いいえぇ。少しばかり遅れましたが問題なく処理出来てよかったです」
残りのオークは糸で拘束して動きを止めて、【テイルソー】で頭部を貫きトドメをさします。
それと同時に左右に分かれた二人もこちらに合流。
二人も難なくサクサクっと処理できたようです。
特にノアちゃんに至っては満遍なく笑顔を咲かせてます。もし彼女に尻尾が生えていたら全力で振ってるんじゃないかと思ってしまう程に。
ただ、チラッと見える彼女が処理したであろうゴブリンはなんというか……。
原型をとどめてないっと言った仕上がりになってますねぇ。
どうにもノアちゃんは『敵』に対して一切容赦も慈悲も無いようです。
なんて思いつつノアちゃんの頭をなでなで。
「大丈夫ですか?」と上目づかいで聞いてくるノアちゃんはノーダメージのようですね。
「ええ。こちらは問題なく。レイナちゃんはどうです?」
「余裕」
レイナちゃんは剣で肩を叩きながら宣言通りに余裕の笑顔。こちらもノーダメージのようです。
お互いダメージレポートを報告し合って、今回の主役にノアちゃんが話しかけます。
「すいません。割り込んじゃって」
「いやいや! ほんと助かったよ!」
なんとも、見てて気持ちいい笑顔を浮かべながら腰に手を当て笑うセルケトさん。
豪快に胸を逸らして笑うので、たわわな丘が揺れてます。
「よかった……。あのダメージとか大丈夫ですか?」
「ん? ああ! 大丈夫大丈夫! こいつ食えば回復すっから!」
と言った後にひょいとハサミで地面に転がってるオーク掴み、そのままセルケトさんは自身の下腹部より下にある蠍の口元に近づける。すると口がガバリと開き、左右に広がった顎? がオークを勢い良く引き込む。
そして、鳴り響くバリボリ音。
私のバリボリ音とはやや異なり、何と言いますか勢いのあるバリボリ音です。
まぁ横から縦から噛み砕かれてますからねぇ。
バリボリ音をバックにセルケトさんは大らかに笑いながら、
「この音にも流石に慣れてきたな! 最初は食う度に鳥肌立ったけど」
「私は好きですよ。あの音。食ってる! て感じがして」
「あー確かにそんな感じだなっ!」
「わかりたくないわかりたくない」
「なぁ……銀髪のねえちゃんが耳塞いでイヤイヤしてるけど」
「彼女はこの音にトラウマがあるんですよ」
「音だけじゃねぇよ! 全てに、だ! その行為全てにだ!」
レイナちゃんのトラウマを刺激する一幕がありましたが、ノアちゃんが宥め、「ここではなんですので」といった流れになり、場所を移す事に。
その移動中に簡単な自己紹介も済ませました。
セルケトさんのお名前はレイズさん。
五日ほど前に始めたばかりの新規さんだとか。
このゲームに並々ならぬ期待をしてたようでアバター製作が終わった後はほぼスキップしてゲームをスタート。
結果。ろくに動けない状態で森のど真ん中で放逐され、右往左往してる間にMOBに囲まれフルボッコ。
リスポーンするも、その位置は森のど真ん中。
同じ轍を踏まぬように行動するが思うように動かない体。徐々にMOBを倒せるようになるが多勢に無勢状態なのですぐに死に戻り。
進んでは死に戻りを繰り返す事五日目。私達と出会った。との事。
その話を聞き終わる頃には少し開けた泉のある場所に到着。
ここはMOBが近づいてこない安全地帯だそうです。
各々泉の近くに陣取り、休憩。
「しかしまぁ。すげぇよ。よく五日もやれたな。私ならブチギレてログアウトしてるわ」
と胡坐をかいて地面に座ってるレイナちゃんがレイズさんの根性を褒めます。
「三日目以降は意地だな。ここでログアウトしたら負けだと思ってた。あとは私ボッコにしてるゴブリンとかオークがニヤついてるように見えて尚の事、負けて堪るかって」
とレイズさんは腕を組んで大らかに笑ってます。組んだ腕の上のたわわなモノもたゆたゆしてます。
ああも揺れるとつい目がそこに行っちゃいますねぇ。
揺れるとは別にレイナちゃんにも目が行っちゃいます。
胸ではなく脚に、ですが。
左右にスリットの入ったスカートみたいなのを穿いてるので、胡坐をかいて座ってるとそのスリットから程よい肉付きの褐色の太ももが見えるわけなんですが……非常にエロい。
肉がついてるからと言って弛んでるわけではなく、引き締まってるので尚、エロい。
レイナちゃんも結構な美少女さんですからね。タイプ的にはお色気美少女です。
そして、その美少女の正面でたわわをたゆたゆさせてる女性も負けず劣らずの美少女です。いえ美女でしょうか。
二人とも仄かに香るあどけなさがありますがそれが強いのはレイナちゃん。
一方、レイズさんは僅かに香る。言った感じで時折ふわっと現れる程度。大らかに笑ってる今なんか無邪気さを感じる女の子って感じですし。
ですが、ここに来るまでにやや警戒した表情にはあどけなさなど一切なく、出来る大人な女性と自然に思えました。
きりっとした目に虹彩が赤いので眼光が鋭く感じますね。
話が盛り上がってすっかり打ち解けあってる似てるようで似てない雰囲気の美少女美女観察をしていると不意にレイナちゃんがこちらを向き、目が合います。
「ん? どうかしましたか?」と聞けば、
「いや、なんか視線感じて。それが気になったんだが……」
「ああ、それだけ美脚を晒されたら見ちゃいますよ? レイナちゃんの太ももエロいですから。しかも今は片足胡坐状態ですから尚の事」
とかなりセクシーな状態を指摘してあげると慌てて座りなおすレイナちゃん。
そこにレイズさんが追い打ちをかけます。
「それな! 私もさっきから気になってた! チラッと見えたんだけど水色だな!」
「え? 黒じゃないんですか? ここからだと黒に見えたんですが」
「おう! 具体的に言えば水色の紐がチラッと見えた」
「やめろっ! おまえら!」
声を荒げて足を隠す様にしてますが、今更でしょうに。
レイナちゃんは恥ずかしそうに女の子座りになって俯きますが、やっぱり。
これはこれで……なんかそそります。
レイナちゃんもノアちゃんと同じく、私を狂わす『何か』を持ってるみたいですねぇ。
更新再開です。
何と言いますか一か月ほど更新できず申し訳ないです。
腱鞘炎の方もだいぶ良くなってきてますので、悪化しないよう気を付けながら更新したいと思います。