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アラクネ姉さん  作者: ますくばろん
森の中のアラクネ姉さん
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街中デートのアラクネ姉さん 前半

 

 賑やかな朝食の後、お待ちかねの美少女二人を連れ添っての街中デートです!


 仕切りはノアちゃんが張り切ってやってくれるそうなので、私とレイナちゃんはついていくだけです。


「では、シグさんが私達と一緒に住むことになったので、家具とかを揃えたいと思います!」


 両手を握りしめてフンスっと意気込みノアちゃん。

 可愛いですよねぇ。しかも今日の装いはいつもと違いフリフリのワンピースです。


「レイナちゃん。これが()()()ですね。彼女を見てると如何に自分が分類上メス、なだけと思い知らされるようです」

「いろいろ突っ込みたいが……そうだな。私らには標準装備されてないな」


 とかなんか言ってますが、レイナちゃんの装いも、いつもと違うのです。


 ノアちゃんと似たデザインのワンピース姿です。

 色は両者とも白を基調とし、清楚さがあふれ出してるかのようです。


 ここで反則だな、と思うのはレイナちゃんです。

 ギャップ萌えと言えばいいんですか?

 いつもはボーイッシュな姿ですし、肌も褐色の小麦エルフなくせに、今、それが全て女の子を強調させる要因になっています。


 小麦肌に白のワンピースは卑怯ですね。

 似合いすぎ、且つなんかエロい。


 褐色肌が白が際立って見えますし、逆に白のワンピースが褐色肌を際立出せる。

 白と褐色のコントラストがうまくかみ合ってます。


 その上、袖がないのでさっきから脇と横乳膨らみがチラチラしてて、ムラっときます。

 健康的と清楚で儚い。

 この矛盾と先ほど述べた事が、私の琴線に触れまくってビンビン音を奏でまくってます。


「むぅ……れなばっか褒められてずるいです」


 おや、私の内なる声が漏れてたようですね。それを聞いたノアちゃんが可愛くむくれちゃってます。


「いや。ノア? これ褒めてないから。もしこれで褒めてるつもりならシグの中身は野郎確定だぞ?」

「む? これ以上ない誉め言葉のつもりですが? 今のレイナちゃんとなら一線超える事もやぶさかではないですねぇ」

「おまっ! 何言ってんだ!」

「やっぱりずるいですっ!?」


 ムーっと膨れっ面のノアちゃんはその表情がよくお似合いです。


「ノアちゃんは完璧すぎて、可愛いとしか言えないのです。すごくお似合いです。こんな風にしか言えない私の語彙力が情けない」

「あの、そのありがとうございます」


 ――ああ、この子の可愛さは私を感情だけで突き動かそうとします。


 彼女と私だけの箱庭を作って、そこに囲って、ずっと眺めていたい。

 純粋無垢とは彼女の愛らしさの事を言うんでしょうね。


 そして、愛しさの抑えが利かなくなったら……滅茶苦茶にしたい。

 私だけが彼女を愛でて汚す事ができる。

 誰にも触れさせたくない私だけの宝物(ノアちゃん)


「おい! やべぇ顔してそんな事言うな! ノアがおび……って! ノアも満更でもなさそうな顔するんじゃない!!」


 頬に手を当てクネクネしてるノアちゃんに掴みかかり「戻ってこい!」と声を荒げるレイナちゃん。

 仲がいいですねぇ。

 ささ、レイナちゃんの突っ込みも終わった事ですし、デートに出発です。






「これはまた」と言葉にしながら機能性や便利性をかなぐり捨てたデザインの家具? を見つめます。


 現在のいる場所は日用品とか家具を売っているお店に来ています。

 ノアちゃんが出発前に宣言した通り、私の部屋に設置する家具などを見定めてる最中です。


「こういうデザインが好きなんですか?」

「いえ、流石にこれは無いですね。あんまりにもあんまりすぎるのでつい目が止まっただけです」


 ちなみにですが、ここで買い物はしません。見るだけ、ウィンドショッピングってやつですね。

 ここで気に入ったデザインあるいは家具などがあれば、ノアちゃんが作ってくれるそうです。


「サンプルを作ってもいいんですが、出来上がった物があるのならそれを見たほうが早いですから。あとプレビューだけだと、出来上がりと違うって思う事もありますからね」


 生産職極めたノアちゃん。流石です。

 なんでも多少はアレンジもできるとの事。


「おお! これ半身異形向けのテーブルですね! 昨日行ったカフェに似たモノがありましたね。へー説明書きもあるんですか」


『下半身に難ありのアナタにピッタリ』


 ……余計なお世話ですし、下半身に難などないです!


「これなんかどうです?」

「お? いいじゃん。半身異形種用クッションだってさ」


 悪意ありとしか思えない説明書きから視線を離して、レイナちゃんとノアちゃんの指さす物を見ます。


「……デカすぎやしませんか?」ついそう言ってしましましたが、そう言いたくなるぐらいデカいクッションです。

 丸い大福みたいな形状で、触った感触は低反発枕に似てます。

 材質はなんでしょうね? ツルツルしてて、エナメル質な感じですが、どことなくしっとりしてます。


「どうやって使うので?」

「ここに書いてますね」

「ほー。うつ伏せに寝る感じ? ですかねこれは。とりあえず試してみますか」


 ノアちゃんが見つけた、イラスト付きの説明書きを見つつその通りに使ってみます。


 うん。こう前脚は抱え込むようにしてグッとクッションを引き寄せ、うつ伏せになってみます。


「おおぉ。これは楽ですねぇ。それに程よい弾力です。柔過ぎず硬過ぎず。……この感触は人をダメにする類です」


 これ、気に入りましたよ。わりと何かにしがみ付くのが好きな私としてはリアルでも欲しい一品です。

 よく姉に抱き着いたりするんですが、身長差があるので嫌がられるんですよね。

 よってこういう物で代用してるんです。


 なんだか姉の抱き心地が恋しくなってきましたね。

 一日一回は隙を見て抱き着いてたので……。

 ログアウトしたらいつもより強めに抱き着くとしましょう。


 そんな風に可愛い妹のような姉の事を思い出しながらも、どういった家具がいいのか話し合う私達。


 ある程度決まったところで、昨日椿ちゃんに教えてもらったカフェに行く事になりました。







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