表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラクネ姉さん  作者: ますくばろん
森の中のアラクネ姉さん
23/37

夜中のアラクネ姉さん


これは驚きました……。


背後を取られた事にもですが、彼女は何者なんでしょうかねぇ。


「おや? もしかしてお食事中だったかい? もしそうだったら驚かせてごめーんねっ」


何故かテヘペロっとする不思議な雰囲気の女性。


「まぁ、見ての通りですが。問題ないですよ。一つ質問よろしいですか?」

「ん? なんだいなんだい? アタイが答えれる事ならお答えするよん?」

「では、率直に。あなた何種ですか?」


「ほえ?」と何やら驚いた表情になる彼女。

いや驚いてるのはこっちですよ?


黒髪のツインテールに薄っすらとだけ開いた糸目から赤い瞳が覗いてます。


顔立ちは幼さ残る美少女から美女へと、開花しようとしてるような曖昧な雰囲気を纏った作りです。

非常に整っています。でもノアちゃんの様に手放しに愛らしいとは言いたくないですねぇ。

何と言いますか、浮かべてる笑顔が胡散臭い事この上ない。

糸目な上に口も三日月の様に弧を描いていて、嘲笑う仮面を彷彿とさせます。


背丈は……たぶん小柄なんでしょうか? 


いえね、ここからが私が動揺した部分なんですよね上半身はいいです。紺色のネグリジェのようなドレスがお似合いですから、お臍が見えててグッドです。いい仕事してますよ。


さてここからですよ……簡潔に言えば黒い薔薇です。その中央から女性の上半身が生えてるんです。

何言ってるかわからないと思いますが、ありのまま言ってます。あと私もわかっていません。


お臍からもう少しで、良いトコ見えるんじゃないのってところから下が、大きな黒薔薇なんです。

で、その薔薇から四方に茨のようなツタが束になって脚のようになってるんです。


で、ツタはそれだけではなく上半身の方にもあります。こちらも四本。見た限りじゃ腰らへんから生えてるようです。


あんまり人の事は言えませんが、正に異形っと言う言葉がピッタリな姿をしてます。


「ああ! ごめんよぉ。ちょっと驚いてフリーズしちゃったよ。エヘヘ。アタイはアルラウネ。お花の半身異形種だよ。蜘蛛のお姉さんはアラクネかい?」

「ええ。アラクネですよ。へーほーお花さんですか。いいですねぇ。香りからして薔薇でしょうか?」

「そだよん。黒くて可憐な薔薇ちゃんだお。ついでにちっぱい」と言いながら自分の胸を掬う様にして寄せて見せてきます。


「確かに小ぶりですね。ですが……形が良さそうです」

「おお! わかってるねー。そ、小ぶりだけど形と感度はお姉さんのたわわに負けてないと―……いいな」


なんだか、最後の方は哀愁漂う感じになってしまいましたが。

この方、なんなんでしょうね。掴みどころがない様なある様な不思議な女性です。


何しても、警戒はMAXのままですがね。

理由は一つネームの色が白ではなくオレンジ色な事。

確か、一定期間PKしないで依頼などをこなしていくと赤からオレンジ色、最後に白の通常色に戻ってPKペナルティが消える、とか何とかをレイナちゃんから聞きました。


で、彼女のネームはオレンジ。

それ即ち、元PKって事ですよねぇ。


「おやおや? どったの? 警戒して……って、あーっと。ネームの色が気になってるのかい?」


この人読心術が使えるんですか? 極力見せないようにしてるんですが……非常にヤバいですね。

いざという時は、全力で逃げましょう。


「あははぁ。ごめんよぉ。最近PKから足洗ったってか洗ってる最中でね。心配しなくてもお姉さんに危害は加えないよ。白でいる限りは、ね。シーグさん。仲良くしましょうよぉ」

「なるほど。貴女は彼らに用があったのですね? 椿ちゃん? それとも、さんの方がいいですか?」

「いやいや、ちゃんでいいよぉー。そう呼んでくれる人いないからさっ! 新鮮だぁーね! んじゃ私もシグちゃんって呼ぶね? あ、なんだか友達っぽいやり取りだねぇ!」


とツタも体もクネクネされて嬉しそうに笑う椿ちゃん。

ですが……物凄く胡散臭いです。


「まぁそれはいいとして……もしかして私、椿ちゃんの獲物を横取りした感じですか?」

「ん? ああ。大丈夫だよ。たまたま目に留まっただけだから。PKから足を洗うにはPKを狩った方が早く白に戻れるからね。なんとなく間抜けそうで、手ごろかなぁっと思って後を付けてたら、まぁびっくりシグちゃんと運命的な出会いを果たしたのさ! これだけで今日は丸儲けだよ!」


と彼女はウィンクを決めて……糸目だからわかんないです。


「では、残り食べますね。その後お時間あるようでしたら少し話しませんか?」

「お、お! デートかい? いいよ! 朝チュンしよーぜ!」

「朝チュンするかは置いといて、少し待っててください」

「あいあいさー」


それから手早く残りをバリボリして彼女――椿ちゃんと話する事にしました。

いやぁ元PKの方から話が聞けるなんてそうそうないでしょうから、聞けるときに聞いときたいです。




初めての半身異形種交流! 楽しみですよ!!


腱鞘炎が悪化して両手サポーター状態での更新です。

暫くは不定期になると思います。申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ