8 呼ばれてないのに飛び出た日和
こちらも久しぶりの更新。短いです。ミントのお父さん並に(コラ
『コーケキョッキョー。』
典型的な鶏(?)の鳴き声と共に朝日が昇り、朝が訪れる。
そのサイクルは異世界とて同じである。
「……ん。」
何かもういろいろ忙しい一日を終え、部屋に戻ったミントは即刻ベッドに倒れ伏しそのまんまグー。結局朝を迎えたのだった。
「………あぁ、朝かぁ。」
よっこらせっと布団から起き上がり、寝ぼけ眼のままぼんやりと部屋を見回す。
「「ぐー……。」」
まぁ当然っちゃあ当然なのだが、プリンとポトフがそれぞれのベッドの上でぐっすりと就寝中。二人揃って穏やかな寝顔と寝息をたてていた。
「………やっぱし似てるなぁ。」
しみじみとそんなことを呟くミント。
これがいつもの朝。しばらくして二人が起きて、いつも通りに学校で一日を過ごす……
のだが、今回はちょっと違う。
(…そう言えば、リュウジ達寝るとこどうしたんだろ?)
そう。アオイ達同様、異世界からの訪問者である龍二達のことがあるからである。あの捉え所のない不思議な男、ついでに結構俺様な彼によって昨日は相当疲れたが、それでも彼らの心配をするミント。
(…野宿ってことは……無いよね?)
彼らが寒い夜の中、森の中で横たわってるのを想像してしまったミントは、
(…………ヤバイ、不安になってきた。)
心配し始めた。
(どうしよう……探しに行こうかな?)
心配のあまり、ミントがそんなことを思い始めた。
【バン!!】
「みみみみミントくうううううん!!!」
「ってうわああああああああああ!!??」
が、いきなり現れた訪問者によって思考は遮られた。
「うええええええええん助けてええええええええ!!!!」
「お、おおお落ち着いてよクルルっていうかどっから出てきてんのさ!?」
ミントはクローゼットの中から泣きながら飛び出してきたクルルに助けを求められ、ツッコミつつもいきなりの展開に度肝を抜かれてどう対応するか迷っていた。
【バン!!】
「くぉらクルルううううううう!!!!」
「ぴぇぇぇえ!!??」
「ってアンタもかああああい!!??」
と、さらに今度は龍二が誰もがビビる鬼の形相で扉を開けるかの如くクローゼットをバン。怯えるクルルと驚きつつもツッコむミント。
「テメェええええええ!! 何回言わせりゃ気がすむじゃああああい!!!!」
「ごごご、ごめんなさいリュウくん!! もうしませんから許して!!!!」
「もう許さんここで鉄拳制裁食らわしたるから覚悟せいやああああああ!!!!」
「ちょ、ちょと待ってオレ! オレいるの忘れてません!!??」
「うおんどりゃああああああああああ!!!!」
「ミントくうううううううううううん!!!!」
「いや助け求めないでってイヤアアアアアアアアアアアアアアアア!!??」
「ど、どしたんだミン、トおおおおおおおおおお!!??」
「!! ミントヤーーーーーーーーーーーー!!??」
結局、クルルに助けを求められたミントと彼の叫び声を聞いて跳ね起きたポトフとプリンは龍二のお叱りに巻き込まれて大変なことになりました。
「ハッハッハ、いやぁわーりわり。巻き込むつもりなかったんだがな。」
「つもりなかったならここまで暴れることないじゃないですか?」
朗らかに胡坐をかきながら謝る龍二にボッコボコにされたミントが冷めた目のまま言った。
とりあえず鉄拳制裁とは名ばかりに一通り暴れまわった龍二は正気に戻るやいなや、即ミント達の部屋の修復に取り掛かってものの数分で元通り。ただミント達の傷は元通りというわけではなかった。
「ぷゃ〜……ぷゃ〜……。」
そして龍二の足元で、一番こっぴどくやられたこの騒動を作り出したと思われる張本人がうつ伏せに倒れていた。頭の上でヒヨコさんがピヨピヨと飛び回っている気がした。
「……とりあえず聞きたいことは山ほどあるけどさ。何でキレてたの?」
倒れているクルルを心配しつつ、事のあらましを問うミント。
「ああ、こんのバカが割った花瓶をこっそり捨てようとしてたからぶん殴った。それだけ。」
何ともまぁ悪ガキっぽいクルルにお母さんみたいな龍二である。
「……そっか……まぁそれは重要じゃないとして。」
ミントは一番聞きたいことを聞くことにした。
「何でクローゼットから出てきてんのさ?」
「ああ、あれな。」
ポリポリと後頭部を掻いてちょっと考える龍二。
「いやさ、昨日とりあえず寝るとこどうすっかなぁーって考えててさ、家が多そうなシャイアまで一旦戻ったんよ。」
戻ったんかい。
「でな、そこで偶然空き家見っけてよ。埃まみれでちょっと狭かったが、寝るとこさえありゃ何でもいいやってことで即決定して、一通りの家具を取り揃えてからフィフィに頼んで魔法を使って俺らの家のクローゼットとここを繋いだってわけ。」
「とりあえずわかったことはわかったけど後半がさっぱりわからないんだけど!?」
寝るところは見つかったからいいけれど、何故ゆえにミント達の部屋に空間を繋げる必要があったのか。
「いやぁあれじゃん? 一々汽車使うのもメンドイじゃん?」
ごもっともな返答をされた。
「……は、はぁ。」
何とも気の抜ける龍二の話し方に、ミントもだんだんと起床したばっかなのに疲れが溜まっていく。
「……でも何でオレらの部屋?」
「気分だ。」
「やめてくれませんかねぇ気分で不法侵入するような真似!?」
実に単純明快な理由にミントは軽くキレ気味にツッコんだ。
「まぁそんなわけだ。これからはこっから出てくるんでよろしくー。」
「できればよろしくしないで欲しいです。」
のほほ〜んと言う龍二にミントは当たり前のことを言って拒否った
「じゃこれにて失礼するぞ。」
「……うん。」
おもむろに立ち上がった龍二は、右手でクルルの襟を掴むと、左手でミント達の部屋にある無傷のクローゼットを開けて中に入り、そしてパタンと閉めた。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
三人は閉じたクローゼットをしばらく見つめていたが、ミントがゆっくりとクローゼットの扉を開けて中がどうなってるのか恐る恐る確認する。
「あれ?」
が、そこには普通に服が掛けられているだけで、中が空洞とか別の部屋に繋がってるとか、第一入っていったはずの龍二達がいなかった。
「…………。」
一応念のためにクローゼットの奥を叩いて確認したり、周りをじっくり調べてみた結果、いつもと変わらない普通のクローゼットだった。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
また沈黙。
「……ミントォ。」
「何? ポトフ。」
元気がない声で呼ぶポトフに、ミントも元気なく応ずる。
「俺、何かあの人恐ェよ……。」
「……僕も。」
「そうだね。オレもだよ……。」
「「「…………。」」」
三人は、これからの生活が何だか不安になってきたとかなんとか。
「あ、ところでさぁ。」
「「ヤーーーーーー!!??」」
「いきなり顔だけ出てこないでええええええええ!!??」
半開きになったクローゼットからピョコンと顔だけ出した龍二に叫ぶ三人であった。
最近、教習所に通いつめていたから執筆速度が遅くなりがちな今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 俺は指が動きません。何故か。いや別に病気とかじゃなくて、何故か頭の中にあるネタを書こうにも書けない……リハビリが必要だ。
とゆーわけで、もうしばらく休みます。おやすみなさい。あ、こら誰? 結局寝るんかいとかツッコミ入れた人は? だって眠いんだもの(ry
あ、そうそう。表紙絵を飾ってみたのですが、どうでしょうか? この作品を書くことを承諾してくださっためろん先生からいただいた物です。ほのぼのしてていいですよね〜♪ 俺が描いたら丸と線だけになってしまうのでここまでの画力が無かとですOTZ
おまけは危機一髪ですが(笑)