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7 暇だ!!日和

今回、めろん先生とこのキャラでます。


「まぁとりあえずアルスも見つかってメンバー全員揃ったわけなんだが。」


シャイアで散々遊び倒した龍二達は、場所は変わって魔法学校へ舞い戻ってきてそこの食堂に全員集合していた。


アオイ達とはシャイアで別れたのでいない。一番別れを惜しんでいたのは花鈴とウララだったという話は至極どうでもいい。


「どうやって元の世界に戻ろうか?」


『ミ〜』とか『む〜』とか鳴いてる二匹に猫じゃらしをヒョイヒョイして遊びながら龍二がマジメな話を不マジメな感じで言った。


「もっかい爆発起こすの?」


「いえ、何か自信がありません……いろいろ。」


クルルの疑問に正論で答えるアルス。


「失敗したら木っ端微塵だもんなお前ら?」


「アンタはどうなのよリュウジ?」


「気合で耐える。だからお前らも耐えろ。」


「無理っス。」


「さよか。」


龍二の常識にフィフィはごく当然のようにさわやかに拒否った。


「……フィフィ……時空魔法で何とかなる…?」


「ゴメン。あれかんなり疲れるから無理ね。」


疲れるという理由で断るフィフィ。


「……じゃあ……仕方ない。」


いいんかリリアン。


「……皆帰る気あんの?」


そんな彼らのやり取りを見て、ミントはコーラ瓶片手にジト目で見つめる。


「? 何言ってる。あるに決まってるだろう。」


「多分オレら以外の人達が見てもアルス以外帰る気ゼロと思われます。」


そんなミントの視線の先では、龍二がフっと笑いながらシャイアで購入したシャイア限定おせんべ(醤油ラーメン味)を齧っていた。


「バカだなぁ。こういうのは楽しまないと損だろ?」


「楽しんでる場合ではないかと思われます。」


バリボリとおせんべを頬張る龍二をアルスはミント同様のジト目で見つめる。


「まぁまぁそんな短気だと寿命縮んじゃうよアルス?」


にこやかにシャイアで購入したチョコレート詰め合わせのうち一つをポイと口に放り投げるクルル。


「そうそう。焦ったってどうにかなるわけでもなし。」


頷きながらシャイアのスーパーで何気に購入したサクランボを抱えるかのように齧るフィフィ。


「また爆発だけは勘弁だしねぇ。」


「【コクリ】」


ウララと一緒に購入したイヤリングを手鏡見ながらセットする花鈴と誰と誰に渡すかお土産のお菓子を区分しながら頷く結構細かいリリアン。


「……………誰か、誰か助けてください。」


「ゴメン、アルス……オレ役に立てない。」


涙目になりつつマジで助けを求めるアルスに、ミントは己の無力を知る。


「だーい丈夫だってアルス。ちゃんと帰る方法探しとくから。」


「……ホントですか?」


「ウソだバァカ。」


「うわああああああああん!!!」


「な、泣いちゃダメだよアルス!!」


明らか苛めて楽しんでいる龍二。


「まぁアルスはほっとこう。」


「いやほっとくなよ!?」


早々と飽きた龍二にミントは素早くツッコミ。


「まぁ帰る方法が見つかるまではこの世界で滞在しなけりゃならんわけだがなぁ?」


「へ? リュウくん寝泊りするところあるの?」


「ねぇよ。だから考えてんだよ。」


「結構無計画だねー?」


「まぁ龍二だからね。後先考えずに行動するっていうk」


ココアに同調して花鈴がうんうん頷く途中、龍二はミントが飲み干したコーラの空き瓶を花鈴の頭目掛けて投げつけてナイスコントロールによりスマッシュヒット。


「………もっかい言ってみ?」


「にゃんでもないでーす♪」


テーブルの上にうつ伏せに倒れながら頭からピュ〜っと血を噴出している花鈴を見てココアはニッコリ顔面蒼白のまま口を閉ざした。


「さて、それじゃまずは寝泊りするとこ探さんとな。」


「………ポトフ。女の子が怪我してるよ?」


「メディケーション!!」


先ほどのことは無かったかのように話を進める龍二に唖然としていたミント達だったが、いち早く覚醒したミントがポトフにそう言ってすぐさまポトフは花鈴を回復させてあげた。


「う………龍二めぇぇぇぇ……いつもいつも……。」


「…………。」


いつもか。いつもそんな目に合ってんのか。そう思わずにはいられないミント。


「……花鈴……相手悪い。」


「………そんな冷静に言わないでよ。」


そんな花鈴を一人落ち着いた感じに制するリリアン。


「どうすっかなー……あ。」


ポンと何かを閃いた龍二。


「ミントのベッドを強奪しよう。」


「どこをどうしてどういう経緯でそんな結論に至るわけ!?」


「あらま。ダメっぽいな。」


「ぽいじゃなくてダメ!!」


当然拒否られた。


「じゃあしょうがない。野宿といこう。」


「え、あの森で!?」


「ヤだよ恐いよ!!」


明らか嫌がってる現代人の花鈴と異世界人のくせに現代人化したクルル。


「ははは、嘘だって。」


「「ホッ…。」」


「というのが嘘だって。」


「「ヤー!?」」


鬼だ。


「ん〜……じゃどうするかねぇ?」


「他の部屋を強奪するとかいいんじゃないか?」


「あ、それナイスアイデア。冴えてるなお前。」


「フフフ、さすが俺様。」


「冴えてないです!! やめてください。」


「「えー。」」


「えーじゃなくて!?」


危ないことしようと計画した二人をアルスは止めた。


「なら他に何か無いか?」


「うむ、森に穴を掘るとか。」


「おお、そいつもナイスアイデアだ。」


「フフフ、さすが俺様パート2。」


「「「冴えてないって!!」」」


「「えー?」」


「「「だからえーじゃない!!!」」」


今度はアルスとクルルと花鈴が二人にツッコんだ。


「……とゆーよりリュウジ。」


「あ?」





「そいつ誰よ?」





フィフィが指差したのは、龍二の横で紺色の右目が隠れた長い髪をした上、自分の身長の倍もある長い鎌を肩に立てかけながらプリンをパクついている男。


「もぐもぐ。」


効果音を口で言いながら。


「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


『…………。』


押し黙る龍二一行。



「……ってまた僕のプリン!!」


沈黙を破ったのはいつの間にか自分のプリンが食われていたことに気付いたプリン。


「いやそれよりどっから出てきたのさワタル!?」


「つか誰こいつ?」


「え、知らないのにさっき会話してたの!?」


「コミュニケーションばっちしでしたよ!?」


ミントがツッコみ、龍二がキョトンとし、フィフィとアルスが龍二にツッコんだ。



「フフフ、俺様か?」


すると騒ぎの原因が食べ終わったプリンの皿を置いた。


「俺様は、」


そしてゆっくり立ち上がり、鎌を頭上に掲げて



「死神だ!!」



バックに稲妻が走りそうなほど、迫力満点に名乗った。




「………………………ふ〜ん、死神か。」


「死神なんだぁ。」


「死神なんですね。」


「死神ね。わかったわ。」


「反応うっす!?」


が、そんな彼の迫力とは裏腹にフツーな反応を示す龍二達にミントがビシリとツッコんだ。


「……いじいじ。」


予想以上に冷めた反応だったので、男もとい死神は床に座り込んでのの字を書きはじめた。


「え、何で皆してそんな反応薄いのー?」


普通この風貌で死神と名乗られたら結構本気にする人が多いはずなのに、大して驚かなかった龍二達にココアは当然の疑問をぶつける。


「そらぁ……なぁ? 死神関係の奴ら俺知ってるし。」


「うん。友達だよね?」


「ウソん。」


交流の幅が広いとかそんな次元を超えた彼らに、ミント達は少なからず恐怖を覚えた。


「つか今何してんだっけ和○達?」


「最近連絡してないよね? レ○ちゃんどうしてるのかなぁ?」


「まぁあいつらなら普通に元気だろう。」


「だよね。」


「…………なんだこの会話。」


彼らの事情を知らないミント達にとってこの未知の会話についていけなかった。


「とりあえずそのことはどうでもいいから置いておこう。」


((どうでもよくないです。))


龍二の言う和○とクルルの言うレ○という人物が激しく気になるミント達だったが、言ったらはぐらかされる確立が高いので黙っておいた。


「そんで? その死神はそこで何してんだ。」


後ろでいじいじしていた死神は、ようやく龍二に気付いてもらえたのですっくと立ち上がった。


「フフフ、何していたと思う?」


「イジけてた。」


「オゥイエス。」


「何で英語?」


普通に答えられた龍二に普通に肯定した死神に普通にツッコんだミント。


「……ところでワタル。何か用?」


背後でプリンが怒りの炎を上げてるのをポトフとココアが抑えてるのを他所に、ミントが死神に聞く。


((ワタル?))


アルス達はミントが死神に向けて言った名前に首を傾げていた。


「フフフ、実はな。」


含み笑いがクセなのだろうか?


「暇だ!!」


「へぇーそうなんだ。」


大々的にしょーもない理由をミントはサラリと受け流した。


「ふむ、俺も暇だな。」


「あーそうなんだ。」


続いて龍二も便乗してミントは受け流


「とゆーわけでミント。暇潰すぞ。」


「……は?」



そうとしたが何故か巻き込まれた。



「……い、いやいや、今から寝るとこ考えないといけないから暇じゃないでしょ?」


「んなもん後でいいし。」


「言っちゃったよこの人。」


どこまでもゴーイングマイウェイな龍二。


「うーし、じゃ何して遊ぶよ?」


「魔王ごっこ!!」


「死神ごっこ。」


「いや何なのよその不吉な遊びはー!?」


クルルと死神にココアがツッコむ。


「バッカだなぁ。ここはあれだろ? ジェンガに決まってんじゃん。」


「どう決まってるんですか?」


今度はアルスが龍二に。


「うし、じゃセットすんぞ。」


「あ……でもジェンガどこにあんの?」


「ここに。」


「どっから出したの!?」


龍二が懐を漁ったと思うと、ドンと小さな木が綺麗に並べられたタワーがテーブルの上に置かれてミントが叫ぶ。


「よし、プリンとポトフ。お前らもやれ。」


「むぅ……眠い。」


「えェ? 俺今から肉食べに行こうと思っt」


「やれ。」


「「イエッサー!!」」


龍二に拳銃向けられたプリンとポトフは強制参加させられた。




「……………。」


「……………。」


そんな彼らを離れた位置で見守るアルスとココア。


「……なんか、いろいろごめんなさい。」


「いや別にアルスが謝らなくてもー……。」


かんなりカオスな状況になってしまい、アルスは心底申し訳ない感じで呟いた。


『仕方ないだろう。奴を止めれるのはごく一握りの人間だけだからな。』


龍二の腰から離れ、テーブルの上に置かれたエルがアルスを慰める。


『まぁ貴様が止めれることは万に一つありえんがな。』


「…………。」


が、飴と鞭とでも言うかのようにからかうエルにアルスはガクリと項垂れた。


「ま、まぁまぁ落ち込まないでよーアルス?」


「…………。」


「えーっとー……あ、そうだ! ココア一緒に飲まない?」


「!! 飲みたいですココア!!」


「何この変わりよう!?」


ガバリンチョとパァっと明るい顔したアルスにココアはかぁなりびっくりした。




「………もう収集つかないわねコレ。」


「ほっときましょうよ。」


「……えい……えい……。」


「ミー♪」


『むー♪』


呆れてるフィフィと花鈴の横では、リリアンが龍二の猫じゃらしをクイクイっと動かしながら珠ちゃんとむぅちゃんで遊んでいた。





結局、寝床がどうこうとかそういう話は先送りになってしまった。


死神くん出ましたー。ホントはもっと出したかったのですが、この大人数でしょ? さらにカオスな状況になる前にこんな感じで終わらせましたーアハハハハハごめりんこ♪


さぁ、次は本編シリアスの話を執筆しなければ。

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