表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/430

コッコ鳥って

さて、ひとまずディアレイへと向かうわけだが・・。


遅い。

レベルの低いマリッサはともかく、ギルディートがのんびり過ぎるのだ。


「人には体調というものがあるのよ・・。」


俺を諭すように言うマリッサ。

知っとるわ!

それにしても、だ。スザクのレベル上げができるレベルで遅いのはどうかと思う。


「コッコ鳥がここまで強いのがまずおかしいだろう。」


ここは平原である。

普段なら、中心を通る道沿いにディアレイへと向かうのだが、道を外れて進んでいる。

平原とはいえ、外れの方は木や藪の多いのだ。


何故って?


「ちょっと離脱する・・・。」


今のギルディートには藪が必要だからさ。

理由は聞いてやるな。


スザクが、得物を見つけて駆け出していく。この辺はフラウワが多いみたいだ。

グミー程度では回復薬もいらない程度には強くなっているので、放っておいて問題ない。


「リフレ、コッコ鳥が進化してしまったらどうするつもりかしら?」


進化だぁ?

何それ、詳しく。と聞いてみると・・。

なんと、コッコ鳥は動物ではなくて魔物(モンスター)でしたとさ。


え、マジで?


そういえば、モンスター以外にも生物っていたな。

アリとか、ハチとか、普通に存在して、元いた世界と同じように呼ばれている。

で、フォレビーとか“ハチっぽい魔物”は、蜂とは呼ばれない。

系統で分類していくと、蜂と近い構造・生態をしていて、取れる蜜は「蜂蜜」と呼ばれるが、フォレビーはフォレビー。蜂ではないのだ。


で、コッコ鳥だ。

俺が「鶏」と呼ぶたびに、皆、不思議そうな顔をしていたが、鶏という生物はもう存在しないらしい。

同じように、モチトン、クロウシ、チチウシ、ウマなどのモンスターを家畜化するのに成功しているが、豚、牛などは存在しないみたいだ。ってかウマは馬じゃないのか??

それにしても、まさか、スザクがモンスターとはな。


モンスター以外の生物ってのは、モンスターに駆逐されかけていて、繁殖力がある虫や、海中生物、人間の愛玩用として生き残っているだけなのだそうだ。


「ホント、リフレは常識をどこへ置いてきたのかしら?」


そう言われてもなぁ。

わりとゲームはやり込んでいる方だと思うけど、そこまでの知識はどこにも載ってない。

下手したら運営陣ですらも知らないんじゃないか?


「ああ、はぐらかされるところだったのよ。リフレは、スザクをどうするつもりなのかしら。」


むしろ、そのコッコ鳥が進化したらどうなるんだ?

コッコ鳥がコッケ鳥になって、次にコック鳥になって?

・・なんか料理される側からする側になるみたいな進化だな。それで?

コッキ鳥になって・・・ああ、そこまで来れば最終、どうなるか。俺でもわかるよ。


「そして、コッカトリになるのよ。」


・・・・・。うん?


コッカトリって何か聞いたことがあるぞ。

えーと、何だったっけか。


炎、毒、石化とわりと厄介な・・・


「ボスモンスターじゃねぇか!!!」


鳥というよりも、ドラゴンに近い外見だった記憶がある。

この青の大地エルフォルレの島の1つに居て、冒険者を返り討ちにしまくってるって設定だったな。

島は公国フロウランの外だったはずだ。


ああ、言われてみれば、確かにあの島にコックトリとかコッキトリとかいたな!

鶏のバケモンみたいなモンスターが。


・・・・・。


スザクを見る。

うーん、コイツがアレ(・・)にねぇ・・・。


「・・・コ?」


「と、とりあえず、今はコッコトリなんだからいいだろ!

それに、進化ルートが一本とは限らないし!」


・・・他に鶏っぽいモンスターなんか知らないけど。

マリッサは無言である。そしてジト目である。


「もし、コイツが悪いモンスターになるってんなら、俺が責任を持ってどうにかするよ!」


勢いで言ってみたのだが。


「約束なのよ。」


・・・言質を取られてしまった気がする。

だ、大丈夫。スザク(うちのこ)に限ってそんな事には・・・・・・・。

ならないで欲しいなぁ。


フラウワを食い散らかすスザクを見て、軽く引きながら待っていると、ギルディートが戻ってくる。

恥ずかしいのか知らんけど、こいつ、かなり離れたところまで行ってトイレをするんだよ。

あ?日本語がおかしいって?じゃぁウ●コをするって言えばいいのか?それで満足なのか?

そう、俺なりの配慮ってやつだよ。察してくれ。


結局、出発が遅れたこともあり、中間地点の岩石地帯に着く頃には昼を大きく過ぎていた。

遅めの昼食を摂る。ここなら火事の心配をしなくていいしな。

水場に流れが無いから、何かに使おうって気にはならないけど。


「お前も食うのか?腹はもう大丈夫なのか?」


マグカップを用意したのは俺だが、迷わず手に取るギルディートに問いかける。


「さすがにもう大丈夫だよ。むしろ、胃袋が大きくなってしまったのか、いつもより空腹を感じて辛いんだ。」


そう簡単に胃袋が大きくなって堪るか。

今日の昼食は、一皿600Dのビーフシチューのような“ウシの野菜煮込み”。

これ、わりと高いらしいが、600Dって高いのか?

他のメニューが200Dしないくらいのが多く、パンが拳より小さいやつ1つで20Dだったかな?

屋台とかは40D~100Dで色々売っていると言うのだから高いのかもしらんね。

でも、俺のMPポット(大)なんて1,300Dくらいが相場なんだよな。ああ、ゲームの話だから、こっちでは違うのかもしれないけど。


マグカップって便利だよな。とりあえずスプーン付けておけば、飲みものは何でもそれっぽく見える。

家ではやらないけどさ。


そして、サンドニッチ。

二段の具が入った、豪華なサンドイッチだ。


「豪華なサンドイッチはサンドイッチ。これはサンドニッチなのよ。」


・・・・・。

サンドイッチとサンドニッチは全く別のもの、ということだ。

まるで「これはハンバーガーで、こっちはハンバーグ」とでも言うようなマリッサの言葉に、ものすごい違和感を感じる。

やはり俺は、この世界の常識に着いて行くのは難しいのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ