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言っちゃ駄目

翌朝。

ノック音で目が覚めた俺たちは、3人揃ってギルド員から呼び出しを受け、遺跡でのアイテム獲得に緘口令を出されていた。

曰く、下手に黄金が眠っているなどと広まると、荒らす人間、無理をして怪我をしたり、死んでしまう人間が出てくる。

今回の宝箱から出てきた黄金に関して、コランダの内、外に限らず、出来る限り洩らさないで欲しい。

そんな説明を、質問を挟みながら聞くことになったのだ。


宿で。


いや、ギルドあんだろ?!なんで宿ここの食堂なんだよ?

呼び出しって、普通、もっとちゃんとした形でやるもんだろ?

なんでお前、ジョッキ握ってんだよ?


「ここに泊まっているのだから、楽でいいだろう?」


良かねぇよ?!

いや、楽だけど、ほら、体面的なものとか、機密的なものとか、色々あるだろ??


「田舎のギルドに何を求めてんだ、所詮しょせん、自警団の取りまとめ役だぞ。」


そんな扱いなのか。

いやいや、自警団の団長トップとしてもちゃんとやれよ。

危うく納得させら(だまさ)れるところだった。


「いつまで黙っていればいいんだ?」


ギルディートが質問する。


「遺跡の攻略が終わって、安全が確認されるまでだな。」


ふむ。緘口令を敷いて、遺跡の攻略を待つ・・・。

ってことは、首都からの調査隊が来るまでは、遺跡で手に入れた黄金は倉庫の肥やしか。

俺はともかく、ギルディートやマリッサはきついんじゃないか?


「もちろん、信頼できる身内になら、ある程度は話しても仕方が無い。だが、そこから広まるようなことはあってはならない。

口の堅い人間にだけ、しっかり口止めをした上でであれば、相談するのもありだろう。

ただ、相手は選ばないと、本当に大変なことになるからな。注意が必要だぞ。」


ふむ。マリッサは家族に。ギルディートはダフに、それぞれ相談するのだろう。

というか、マリッサが家族に相談した結果、ギルドに話が行き、こうして呼び出されている。


まぁ、これでしばらくゆっくりできるな。

そんな俺の表情を見て、何か察したらしい団長クレインが口を開く。


「と、言うわけで、早めに攻略してくれると助かる。我々も可能な限り支援しよう。」


・・・・・。


「はぁ?!?」


酷いことをほざきやがった。


攻略隊は他に募集しろよ!って広められないのか。

首都から来る調査隊に何とかしてもらえよ。こう・・なんか騎士団的なもんとか付いてくるんだろう?


「何しろ、こんな田舎なもんでな。人が来たがる場所じゃないんだよ。

遺跡というやつは、中身に何を隠しているかわからん爆弾みたいなもんだ。気にはなっていたが手を付けられる人員も時間も無かったんだ。

お前達みたいな腕利きの冒険者に攻略してもらえるならば、長年の懸案事項も解決の目処が立つというものだ。

・・・それに、仮に首都から調査隊が来たとしても、奴らは情報は公開しない、態度はいけ好かない、その上ケチで金も使わないとくる。

しかも、左遷みたいなもんだ。落ちこぼれの癖にプライドだけは高かったりするのだから目も当てられんよ。

・・・話だけでも聞いちゃくれんか?」


そういうことなら・・・って嫌だよ?!

そりゃ、変な奴や嫌な奴が来るかもしれないし、調査の中身を教えてくれないだろうけど、任せちゃえばいいじゃん!

いつになったら来るのかわからないんだった。


頼まれるのがすじのような気がしてしまうんだけど、うまく丸め込まれているだけだとも思える。


ぐぬぬ・・・どうしたらいいんだ。


「・・・じゃぁ、とりあえず詳しい話を聞こう。受ける訳じゃない。」


マッピングをして欲しいと言われたが、面倒なので断った。攻略後にギルドが行うことになった。

うん、そうしてくれ。俺達が攻略するとは限らないが。


攻略期間中、宿代及び食事代の補助。自警団の予算から捻出するそうな。そこまでしてもらわなくても・・。

ギルディート、身を乗り出すな。無料タダほど恐ろしいものは無いんだぞ。


マリッサは宿代に旨みがないので、装備品の補助。ただしレベル40まで。

レベルがどんどん上がっているので、重かったりで扱い難い代わりに強力な装備も使えるようになっている。

しかし、

マリッサにはありがたいのではないだろうか。


毎日2名、3交代制で朝から晩までの自警団による遺跡の前の警備が行われる。

トラブル発生時に、遺跡前警備の自警団員1名が報告に走り、もう1名は臨機応変に対応。

素材の解体を任せてもいいそうだ。・・それは便利そうだが・・・・・。


自警団員との協力について、戦力として5人まで出すと言われたが、むしろ足手まといなので断る。

現在のメンバーに欠員が出た場合のみ、選抜1~2名を出す事で合意。


町有の魔道具の無料貸与。ただし、破損した場合は修理代を支払わなければならない。


階層を潜る前に報告の義務あり。

一度、遺跡を出て警備の自警団に報告すること。


発見した事、物については、全てギルドに報告。

物品は必要があればギルドで預かるが、基本的には探索PTで分割。ギルドは情報だけもらい、それ以外は関与しない方針を受諾。

獲得した物品の所有権を保証する。と。


獲得したアイテムの売却、及び処理の援助。

緘口令のせいで売れなくてに困る、名前が出たら困る、などといった事が起きないように対応してくれるそうだ。

現在入手している金塊なんかは、アイテムボックスの肥やしにしておくのはキツイだろうからな。


・・・・・。


あれ?いつの間に攻略する流れに???


「…断るつもりなら、『話を聞く』なんて言ったら駄目なのよ。」


おっしゃる通りだと思います。

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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