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好意的では無い相手から信用を得るには

うーん、忍者の喋り方ってどんな感じだ?


「まず、ストーンゴーレム以外のゴーレムを1体ずつ残して倒すのだ。・・でござる。」


うん、「ござる」だな。とりあえずこれで行こう。

戦闘は続いている。

残り一体になったサンドゴーレムに攻撃を当てないあたり、言った通りに行動してくれているようだが。

その剣呑な雰囲気はなんなんだ?


「お前は何者で、目的は何だ?」


「・・・詮索しないでもらえると助かる。」


「そんな相手に背中を任せられっかよ!」


・・・・。ごもっともで。

そりゃ、閉鎖空間に突然知らない奴が現れた気味が悪いか。

雰囲気が悪いままで戦うのも嫌だし、敵か味方か分からない存在と一緒に居たんじゃ、2人の神経が磨り減りそうだ。

うーん、とりあえず当たり障りのない感じで、適当に自己紹介でもしておこうか。


「えーと、拙者は見識を深めようと世界を巡っている只の旅人でござる。

旅の途中、面白そうな遺跡を見つけて迷い込んでしまったでござる。

他に探索者がいるので楽が出来るかと思い、付いて入ったら、なんと閉じ込められてしまったでござる。

他意はないでござるよ。」


他意だらけだけどな。


「①、只の旅人が仮面をする必要があるのか。見た目だけでまず怪し過ぎる。

②、遺跡に『面白そう』なんて理由で入り込む馬鹿は・・・例外を除き、普通はいない。

③、楽ができるとか言って姿を隠して付いてくるあたりで信用ならない。

④、指示を出すだけで手を貸さず、手の内を晒さずに突っ立っている怪しい奴が、味方とは思えない。」


お、oh。割とマジで深刻に不審者扱いだったよ。・・・客観的に見たら確かに不審者だな。

しかし、仮面は外すわけにはいかないし、他に言い訳も思い浮かばない。どうしたものか。

ああ、俺だったらまずこう思うな。「名を名乗れ、話はそれからだ。」と。


「拙者の名前はニャンコロノフでござるよ。」


「聞いてねぇし、偽名くさいんだよ!!!」


・・・・・あるぇ?


しばらく2人の奮戦を見守り、ゴーレムズが各1体になったところで、改めて対峙する。

うーん、そんな警戒心バリバリで構えられると、どうしていいやら。


「とりあえず、お前が何者かは置いておく。この地に何をしに来たか、もいい。

ただ、この遺跡に何の目的で来たのか、と、この場におけるお前の立ち位置を示してくれ。」


うーん?何か難しい事を言ってらっしゃる?そう言われても・・だな。

減ったとはいえ、動きの違うゴーレム達の相手をしなければならないギルディートは、あまりこちらを見ない。

ただ、時々送ってくる鋭い目線に、友好的な雰囲気は感じられない。


「指名手配犯だろうが、他国の間者であろうが、私たちは興味が無いのよ。

敵か味方か、それが納得できるネタを出せって言っているの。」


ストーンゴーレム1体の攻撃を避けていれば、とりあえず危険がないマリッサは、こちらの様子を可能な限り窺っているようだ。解説が助かる。

なるほどね。しかし、この遺跡には2人の保護者としてきたわけだし、明かせるわけないし。

立ち位置を説明するしかないわけだが・・。


「拙者は、2人の成長の妨げにならないよう、助言をしつつ、最低限の援護をするでござるよ。」


ってところか?・・・。うん?俺、何か変な事言ったか?

その苦々しい顔をやめろよ。あ、また片方だけ耳が動いた。


「初対面の相手に保護者気取りだな。

それで、敵を倒して疲労したところでザックリやられちゃ、堪んないんだよ。

とりあえず腕を見せてみろ。」


保護者だからね。初対面でもないし。まぁ言えないけども。

ギルディートはマリッサ側のストーンゴーレムにアゴをしゃくった。

なるほど。あわよくば敵の数を減らしつつ、俺の腕を見る算段か。

手の内を晒していないとか言ってたしな。


「わかったでござる。」


とりあえず、通常攻撃:クナイをゴーレムの頭に放つ。

ギギギギン、ギギギギン、連続して攻撃の当たる、硬質な音が響く。

クナイは投擲キャラの通常攻撃・・スキルみたいなものなので、無限に放てる。

これが、やってみると案外楽しい。

ただ、さほど攻撃力が高いわけでは無いので、ゴーレムの装甲を地味に削っていくだけだ。


とりあえず、集中すればめっちゃ連続して放てるんじゃね?という思い付きを実行してみた。


ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギン・・・・!


コツを掴めばいつまでもやってられそうだな、と思っていたら、ストーンゴーレムの頭が落ちてしまった。


「・・・・・。」


ストーンゴーレムは、前が見えなくなったのか、マリッサやギルディートと全く関係の無い場所を攻撃し始める。

こうなれば只の的だ。


「あ、次はスキルでござるな。」


「いや、もういい。」


若干疲れた様子のギルディートは、俺が連続して攻撃している間に一度、サンドゴーレムに殴られてた。

何をやってんだか。


「とりあえず、その頭の取れたデカブツは、こっちでもらうぞ。マリッサ、頼む。」


こうして、2人はそれぞれのストーンゴーレムと対峙する事になったのだった。

うーん、一応、信用は得られたのかな?

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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