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遺跡の攻略 ~一日目~

マリッサに、あったら貸してくれと言われたので、ナイフをもう1本渡す。

隣の町の武器屋で売ってたやつだと言うと驚いていた。


「これは相当の業物ね。誰が打ったのかしら。」


キラキラと目を輝かせてナイフ(+4)を見ている。

ふと視線を感じて横を見ると、ギルディートが物言いた気な顔をしてこちらを見ていた。


嘘ジャナイヨ?アレハ店デ売ッテタヤツダヨ?


ベースから作るには材料もないしな。

しかし、ナイフの攻撃範囲は狭い。それだけに敵の接近を許してしまうのだ。

なので、同じ事が起きたらナイフで手数を増やすのも手だが、基本はクロスボウを使ってくれと頼んだ。

マリッサも自分の持つクロスボウの有用性に自信を持っているので、勿論と好戦的に笑って見せた。



そしてダンジョンに入り、向かって右側の扉から攻略を始める。

案の定、窪みがありトーチを差し込むと作動した。


扉の中に入ってみると、中央よりも空気が乾燥していて、G(ゴキ)の群れはいなかった。

拍子抜けしかけていた所に、マッドゴーレムが次々出現してくる。

割と多いが、G(ゴキ)と比べたら、全く大したことじゃない。


沸きが収まるまで待って、2人を呼んだ。


ギルディートはともかく、マリッサは苦戦していた。

マッドゴーレムはG(ゴキ)より強いというのもあるが、“弱点のコアを砕かない限り再生して動けるようになる”という特性のせいもある。

俺も、真っ2つにしたマッドゴーレムが何事も無かったみたいにくっ付いて立ち上がった時には驚いた。

ゲームではHP(ヒットポイント)というシステムが絶対で、攻撃が通り続ければゴーレムだろうが虫だろうが、倒す事ができたのだが、この世界ではそういわけにいかないようだ。

クロスボウは攻撃が点の為、どうしても胸の辺りにある小さなコアに当てる事が難しかったし、ナイフだと敵の反撃がすぐに届く上に浅くて届かないのだ。


一方、ギルディートは連続して斬撃を叩き込み、危なげなく敵を倒していく。


マッドゴーレムが俺を必死にベシベシ叩いているが、大したダメージは無い。

精神的な余裕もあるし、避けれないことはないが、2人の戦ってる様子を見守っている方が楽しい。

結局、マリッサはあまり倒す事ができず、ギルディートばかりが活躍する結果となった。

マリッサが落ち込んでいたが、相性の問題もあるよな。


コアのかけら?2人でわけてくれ。


俺の受けたダメージは微々たる物だったので、ちょっとすれば待機回復でなくなるだろう。


他に何か仕掛けが無いか、部屋をよく調べた。

とりあえず、目立ったものは中央の台座しかない。

その左右の窪みにはトーチだ。うん、カチッと嵌るな。

なぜか2人ともこれをやりたがるので、いくつか持たせてやると、「いくつ持ってんだよ!」とツッコミをもらった。

とりあえずの手持ちは200くらいかな。


台座が動き、通路が現れる。

恐る恐る進むと、再び扉である。


マッドゴーレムの他にカフというミイラっぽい人型モンスターが1匹混じってる以外は、先ほどと同じ流れだった。

比較的ゆっくりとした動きのマッドゴーレムと違い、カフは普通に攻撃してくる。

アンデッドなので気持ちが悪く、速攻で倒した。


人型モンスターを倒した嫌悪感?相手はミイラですけど。

気持ち悪さ?虫の大群と比べればどうってことないさ。


そんな感じで、躊躇も嫌悪感も全く無かった。

乾いた死体みたいなもんなので、臓器的なものの問題もなかったし。


ここでもトーチを嵌めた。


“我に血肉を捧げよ”


ふいに頭に響く声。

2人も聞こえたのか、顔を見合わせている。

とりあえず、カフの死骸…アンデッドなので元々死んでいるという話だが…それを祭壇に置く。

ほーら、肉だぞ。って無理があるか。

血肉。うーん、水分が足りてないのかな?

小さなたらいに水を入れて置いてみる。

そういえば、血液って海水くらいの塩分だって聞いた事があるな。涙だっけ?

電解質的なやつで何とかならないかな。塩を投入し、かき混ぜる。こんなもんか。

・・・栄養も足りてないのかな?

モチトンの肉を置いたところで、捧げた物が消失した。


・・・。OK?


ガチ、と何かが噛み合ったような音が聞こえた。うん、OK。


振り返ると、2人が何とも言えないような顔をしていた。

どうしたんだ??


用事は済んだっぽいので、今度は左の部屋に向かう。


恒例となったトーチを嵌めるだけの簡単なお仕事である。


そして、俺が先行して侵入する。暗い。そして臭くて生ぬるい。


油断していた。


暗いんじゃない。黒いんだ。


ザザザッ。ブゥゥン・・。ギシギシギシ・・・


「ひゃぁああああああっ?!(泣)」


虫部屋だった。


さっと身を翻すと、俺の悲鳴を見て察していたのか、2人が道を開けていた。

扉の手前で迎え撃つ。


今回は黒ゴッキーだけではなく、フシムシやクラポリームもいた。

その上、マッドゴーレムまで湧いて出てくる。・・・厄介な!


「ギルディート!マリッサのフォローを頼む!

フシムシとクラポリームは毒持ちだ!気をつけろ!」


フシムシ・・大ムカデを更に太らせたような外見の虫は、うねうねと独特の動きをしながらも迷わずこちらに向かって来ている。

気持ち悪いとか言ってる場合じゃない。

フシムシとクラポリームを優先して倒した方が良さそうだ。


バスッ!


フシムシを矢が貫く。まだ生きてはいるが、動きが鈍った。

よし!と思ったのも一瞬。矢が消えていく。

そうだ、この世界の矢や弾丸は、装填する必要が無い代わりに残らない。

何事も無かったように動き出す。これだから虫ってやつは!


クラポリームは謎の黒っぽい気体?粉末のようなものを撒き散らしていて、近寄っては来ない。

が、放っておいたら粉だらけになりそうだ。カビの胞子じゃないよな?


そのクラポリームを、マッドゴーレムが踏み潰して俺に向かってくる。

好都合ではあるが、体に虫が付いてんだよっ!


「来んなっ!」


コアを斬り損ねると、虫を巻き込んで再生しやがった。

気持ち悪過ぎるっ!!!


マリッサ達は・・・タゲられてないな。

リーチの長いギルディートはマッドゴーレムとフシムシを、マリッサはクロゴッキーを迎え撃っている。


奴らなら大丈夫そうだ。

が、俺はもうだめだ・・・・・。

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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