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名称と世界の認識(仮)

書き途中です。

ヤバい。何がヤバいって、殺意がヤバい。

何の話か?それは、マリッサが親方達と解析してくれたアイテムについてである。


1つ1つ説明してくれたんだが、客観的に見ても、俺を殺そうという悪意に溢れたものであった。

全て使用した訳ではないので、誤って使っていたら死んでいたかもしれない。


・海明かりの魔道具(偽装)…水中発破の魔道具

本来の用途は、海の中を照らすライト。

色々なものを、絶妙な加減で配合しているのだが、主に水に反応する成分、光を発する成分、そして、それらを安定させて、反応をゆっくりとしたものに変える成分が過剰に多かったり少なかったりした結果、爆発物へと変化してしまったんだそうだ。

同じ材料が使われており、偽装レシピを配られて作ってしまった若手のドワーフがいるそうだ。

レシピの通りに作っただけなので、責任は問わない事になっている。

手間のかかる物だし、後半の一部のみ偽装レシピによるものなので、数はそれほど多く混ざってはいなかったそうだ。

だが、威力はと言うと俺専用のクロキシでなかったら、おそらくズタズタになっていただろうと思われる。

仮に、装備が持ち堪えたとしても、普通は中の人が無事では済まないそうだ。


・空気圧縮の魔道具(偽装)…毒素入り空気圧縮の魔道具・呼吸圧迫の魔道具

本来の用途は、水中での呼吸の為の空気を圧縮して詰めてある。

が、ほのかに異臭のするものが混ざっており、調べていたオッサンが誤って作動させ、動けなくなった。

症状から麻痺毒と思われる。・・ちなみにオッサンは解毒剤により回復している。

他に、中の空気を限界まで抜いたもの(真空の事と思われる)があり、交換した瞬間に空気が吸い出されて呼吸ができなくなる可能性がある、というものも存在したそうな。

それは苦しそうだ。もっと滞在時間が長かったら、予備のものを使っていたかもしれない。

そうならなくて良かったと思おう、


・スローカラー煙幕(偽装)…火炎幕

本来の用途は信号用の色の付いた煙を出す、狼煙用の魔道具だ。

これも割る事で中に入った液体が混ざり、魔法反応によって徐々に着火するのだが、海明かりの魔道具の事もあり、慎重に分解して検証。

こいつの成分も見た目からしておかしかったそうだ。要は爆発物。

レシピについて詳しいことを知りたいが、留守番中の若手達に話を聞かないと分からないそうだ。

使用していなかったので威力は不明だが、これもおそらく命に係わるレベル。

浮標マーカーにも、これと同様のものが仕掛けられていた可能性が高いとの事。


新しく作られた物というのは、世界の認識が付いていない事が多い。

だいたい製作者の認識が付き、名前を付けて浸透すると、それに変わっていくのだそうだ。

なので、製作者が「これはAだ」と思えばAになってしまうんだそうで。

全く仕様の違う類似アイテムについては、即急に別の名前を付けて判別する必要がある。


そうでもしないと・・・


「ダメだな、まだこれを“海明かりの魔道具”として認識してる奴の方が多い。

しばらく名前は変わらんだろう。」


こういう事になる。

例えば、「???」「新作魔道具」「試作魔道具」のように、不特定多数の存在を指す言葉からの変更は容易だ。

俺が「???」から「リフレ」に、スザクが「コッコ鳥」から「丸焼き」に変わったようにだ。

また、多くの人が「それ」と認識していない者を変えるのも、比較的容易だ。

「丸焼き」から「グリル」、「グリル」から「スザク」となったようにだ。

だが、今から「スザク」を別の名前に変更しようとすると難しい。スザクは、一部で割と知られた俺のペットだし、進化して妙にデカくなったコッコ鳥は・・・今コッケ鳥か?

ともかく、馴染んでしまったものはなかなか変えることができないらしい。

もしも変えたいのならば、周辺に「名前を変えました」と周知させるか、別の場所で新しい名前の方を知っている人を増やすかしないといけないのだ。

まぁ、多くの人はこのウインドウを見る事が無いらしいので、気になるのは性質上ウインドウが出やすいドワーフだけみたいだけど。


やってきたドワーフのおっさんにマリッサが質問したりしてたが、とりあえず、偽装系アイテムは別の人が管理し、今あるアイテムは自分で管理する事になった。


「ぼんやりしてないで、しっかり把握なさい。

そんなだと、知らない間に同じような魔道具を持たされているかもしれないのよ。」


アイテムボックスからアイテムを抜き出すスリが存在するように、他者が持ち主の意図しない物をアイテムボックスに入れる事も、不可能ではないのだ。

自身でしかアイテムボックスに入れられないものとばかり思っていたが、「1ずつしか」入らないというだけで、決して物理的にできないという訳ではないのだそうだ。

この魔法としか言いようのない現象を物理と呼んでいいのかは不明だが。


ちなみに、アイテムボックスから物を出す時には、出し入れした本人なら中身のリストを見る事ができるが、他人だと「その人が持っていそうなアイテム」を思い浮かべて取り出さないといけない。

「回復系アイテム」「軽くて小さい物、金属質」くらいのぼんやりした認識で取り出せるが、金目のものが欲しくて手を突っ込んだのに石ころが出てくるというあるのだという。

石ころを持ち歩いている冒険者なんてほとんどいないだろと思ったが、意外といるらしい。

マリッサも「きれいな石」を見せてくれた。

・・・お前。荷物が重くて困ってただろ。そういう物は家に置いて来なさい。


しかも、奪ったアイテムを取り出す時に小さな効果音が付くのだが、人込みなら雑踏に紛れて聞こえにくい。

なのでスリはたいてい、小さいアイテムか現金ドンスを奪うのだという。

現金ドンスの出し入れの効果音はアイテムと異なり「チャリン」という金属質な音になる。

確かに重さにならない現金ドンスは、奪うのが簡単そうに思えるが、大きな額を奪うと「ジャリリリリーン!ドンッ!」なんて音が、場合によっては複数回する上に、音がしている間は謎の硬直時間があるので、せいぜい数日飯に困らない程度の額しか奪うことができないんだそうだ。


あと、知らない相手がアイテムボックスに手を突っ込んでいるのを見て「こいつにアイテムは渡さない」と強く思えば、抵抗ができるのだという。

が、相手が「殺してでも奪い取る」ぐらいの強い意志で臨んでいたら、やはり取り出されてしまうんだとか。

うーん、これってスキルみたいなものなのかな??


あと、死んだら中身がぶちまけられるような事は無いが、取り出し放題で、取り出したら取り出した分だけ容量が減っていくんだそうだ。

生きた相手からアイテムボックス自体を奪う事はできず、アイテムボックス化させているバッグを奪い取っても効果が消えてしまう。

死んだ相手からバッグを奪うと、中身の重さによっては身動きが取れなくなるのだという。


このアイテムボックス、知れば知るほど現実と非現実がごっちゃになっていく感じがする。

いや、現実は現実なんだろうけどさ。

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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