探索の中断(仮)
書き途中です。
連休、ほぼ潰れる事が確定しました・・・・・。
今のうちに少しでも進めておかないと・・。
だるい・・。
「 」
衝撃。外の音が聞こえない、と思っていたクロキシの外装を通してでさえ、この轟音である。
至近距離にいた岩海老が、身体を斜めにして、泳いでいるのか歩いているのか分からない動きをしていた。
海の生き物的な痙攣か何かなのかもしれない。
俺はというと、驚き過ぎて硬直していたので、逆に何もかもを受け入れたような状態になっていた。
心臓はバクバクいってるけど、こういう場合に伏せるとか、何らかの対処ができるような教育をされた覚えも無ければ、それまで必要性も無く、お頭の柔軟性も無いしな。
鼓膜が限界値を超えるか超えないかのギリギリのラインだったらしく、鼓膜が「うるさい」と暴動を起こしている。
視界が塗り潰された間、平衡感覚がおかしくなったような気がしたが、水中で浮力が働いているせいか、この体のバランス感覚やステータスのおかげか、身体を叩くような衝撃を感じただけで済んだ。
音を感じにくいおかげもあるが、ヘルメットのバイザーみたいな、ガラス質の部分・・これが、サングラスのように強い光から目を守ってくれたというのも大きい。
まぁ、それでも辺りが真っ白になるレベルの光量だったのだが。
現状を把握するために、周囲を見渡す。
衝撃はあったが、点では無く面で受けた為に、それほどの被害は・・・被害は・・・・・。
めちゃくちゃ濁っている。さっきの岩海老が宇宙遊泳よろしく、浮力に身を任せていた。死んで・・はいないようだ。
ゴミがすごい。今までどこにあったんだろう?どこかから剥がれ落ちてきたんだろうか?
威力が違えば、方向性を持っていたら、魔道具を使った場所が悪ければ・・・1つ間違っていたらと思うとゾッとする。
ゴミが舞うどころじゃ済まず、この洞窟、もしくは俺自身が吹き飛ばされていたかもしれない。
なんだこの岩・・浮いてる・・?と思ったが、これは岩海老の殻か。死骸・・・いや、抜け殻っぽいな。脱皮した残りカスみたいなものだろう。
そして、よくわからないゴミ、ゴミ、ゴミ。下に堆積していたものだろうか?なんだか汚い感じがする。
汚いといえば・・もしかして、岩海老のウン〇・・・・・いや、考えまい。
岩海老は俺が見つけた奴以外にも数匹いたらしく、ひっくり返ったりおかしな動きをしたりしている。
大きさはまちまちだが、中型犬を縦長にしたくらいの・・ちょっと跨ってみたくなるような大きさの奴とから、大きめのバイクを縦長にしたぐらいの奴まで。前回のようなトラック並みの大きさの奴はいなかった。
・・・親と子なのだろうか?
だが、小海老と呼ぶには大き過ぎる。何しろ、ロブスターや伊勢海老だって、こんなに大きくなるなんて話は聞いた事が無い。
とりあえず、すべき事は・・・
「撤退、だな。」
光源かと思ったら爆発物だったでござる。
新規開発したばかりのものだ、こんな事もあるのだろう。
安全性のテストは大事だと思うが、最低限は行っているのを見ているし、レアケースなのだろうな。
これまで撒いた分は15分ほどしか保たない筈だし、これから撒く分は・・めったに無いとはいえ爆発する可能性がある。
威力だって同程度とは限らないし、場所が悪ければ崩落もあり得るだろう。
ちょっと続けるにはリスクが高いと思うんだ。
もがいたり、気絶したりしている岩海老をロープで括る。外れなければそれでいい。
道すがら、小型の・・いや小ぶりの・・いや、十分デカいんだけど・・。ともかく、岩海老を合計4匹回収した。
視界が悪い。“海明かりの魔道具”の衝撃のせいだけじゃない。
大人しくしていた岩海老達が暴れもがいたせいだろう。
水中に舞うゴミの中に、骨のようなものがあった。
うーん、さっきの脱皮したと思った殻も、実は死骸だったりしたんだろうか?
で、シーサーペントも発見。こいつもまた小ぶりである。
まぁ、それでも馬の胴体程度の太ましさはある。長さは・・15メートルも無さそう?
だが、船に食いついて破壊したり、沈めたりできるかと言えば、おそらく無理だろうと推測できる。
どこを縛ればいいのか分からず、脇に抱えて洞窟を脱出する。
ヌルヌルと自己主張をしているが、気絶しているし長さもあるから、しばらくは持ち歩けるだろう。
洞窟の出口で、浮標の存在を思い出す。
前回はこれが目的であったが、今回はあまり意味が無い為、重要視されていない。
作戦でもほとんど出て来ずに、ただ渡されたと言ってもいいくらいである。その為、すっかり忘れていた。
取り出して流されないように、浮標と繋がっている特殊なロープの付いた錨のようなもの“アンカー”を洞窟の岩の間に差し込む。
ロープの長さを調整する魔道具・・いや、魔力を動力にしていないから、普通の道具か。それが付いているから、あとは浮力に任せて浮かべるだけでいい。
洞窟からは無事に脱出できたが、やはり洞窟の外も微妙に濁っている。
明るさも微妙だ。下手をしたら、魔道具を使った洞窟の中の方が明るかったくらいである。
自然光の中で、改めて今回の獲物を確認する。
どいつもこいつも色が薄い気がする。暗いと色は濃く見える筈なのだが・・。
小さいうちは色が薄いのだろうか?
だとして、全部捕まえられた気がしない。
まぁ、他の岩礁にでも住んでいるんだろう。
さて、あとは親が襲ってくる前に・・って親は前回倒したか。
何はともあれ、撤退である。
ゴボゴボとまき散らした空気と一緒に浮上する。
晴れていればキラキラして、これがまた綺麗なんだが、今日は気分のせいもあるのか、濁りのお友達といった感じである。
まさか泡が視界のお邪魔虫になるとは思わなんだ。
漫画で読んだことがあるんだけど、深い所から一気に浮上すると気持ちが悪くなるとか、色々問題があるらしい。
そこんとこどうなんだろう?と思うが、自分の身で試す勇気は無い。
前回、魚に振り回されて浮いたり沈んだりした事を思えば大丈夫そうな気もするが、あえて試す事もあるまい。
途中でヌルルンとシーサーペントが滑り落ちそうになったので持ち直したりしながら、ゆっくりと浮上していく。
「海老は・・うん、ちゃんと4匹いるな。」
そうポロポロ落とす物でも無いのだが、不安にもなる。
ヌルヌルするのを気にしなくていいように、エラにロープを通せばいいのだが、まだ生きてる魚にそれをするのが痛そうで、なんとなく憚られた。
針を引っかけるならともなく、この牙の生え揃った口に手を突っ込む勇気も無いし、今回は襲われていないので、憎い訳でもない。
どうせ持ち帰ったら捌かれ、料理されてしまうとしてもだ。
・・・とかやっているうちに、本日2度目の爆発音が聞こえた。
発生源は俺ではなく、上の方・・水面付近であるらしかった。




