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雨天結構(仮)

書き途中です。

さて、甲板は賑わっているものの、相変わらずの空模様。

海に出たせいか、空気も徐々に湿っぽくなり、これから明るくなる筈の空は、逆に灰色に濁っていく。


風は弱いものの、これ雨来そうじゃね?


まぁ、どうせクロキシを装着して海に潜るわけで、風が無くて嵐にならないなら、そこまで大きな影響は無い筈。

この間よりも、ちょっとだけ海がうねってる気がするけど、そこまで大した事にはなってない。


俺は、船酔いしない範囲で、今回のメンバーと親睦を深めた。


話しかけると、すいっと頭の上に視線が行くのはいつもの事だが、その速度が上がっている。

というか、まるで俺の頭がそこにあるかのように、初めからスザクを見上げながら喋る奴までいる。

視線だけじゃなくて、もう頭の角度からして違うの。

本体はこちらです。・・おい、俺の目を見て話せ。


こうして積極的に話しかけているのは、ローグリアムの勧めとマリッサの助言もあっての事だ。

俺は冒険者としても船員としてもプロではないし、詳しい人に任せたほうが色々捗るし、何も知らないリーダーがあれこれと口を挟むのも良くないと思ったんだ。

けど、ローグリアムからは「他人の口からの又聞きではなぃ、自分で耳にした情報を精査した方が良い」と言われ、マリッサからは「そうやって一歩引いた態度が、他人から見ると距離に感じるのよ」と言われた。

まぁ・・・それも一理あると思ったので行動に出た訳だが、色々ややこしい事になっている。


あくまで噂なんだが、警備隊が手柄を得たいが為に邪魔を企んでいるだとか、ノルタークと派閥の違うどっかの領主が、この船に傭兵を忍ばせているだとか、職人の家族が人質に取られて俺の命が狙われているだとか。


その警備隊だが、実際のところ、置き去りにしてから何も成果を挙げることができず、訓練だけして戻って来たらしい。

その際。誤って(・・・)俺の仕掛けた浮標マーカーを攻撃し、撃沈させているという話だが、それは単なる嫌がらせなのではないか?と言われている。

他にも色々とやらかしたという噂で、お笑い隊とか間抜け隊とか、しまいにはアレとか好き放題呼ばれている。

その警備隊だが、前回と違って後ろから尾いて来る形になった。

出発式も不本意そうな顔を隠していなかったし、前回の事もあって、あまり良いイメージは無く、正直、係わり合いになりたくない。


どっかの領主の話だが、海上貿易で潤うこのノルタークは敵が多いという話だ。

ここで混乱したのが、この領主ってのが貴族という括りではないらしく、市長とも違うらしい。

でも古くからの権力者なんだそうで、町の運営のトップなのだという。

それ、もう貴族でいいんじゃないかな?

以前は、遠路はるばるやって来た余所の領主が、あちこちの店でケチを付けて回るというトラブルが耐えなかったそう。

それどこのマリッサよ。

現在は、寂れたノルタークに出入りしておらず、これにも根拠は無かった。


職人の家族が人質にという話も根拠は無いが、トラブルを起こしているところを目撃され、助けられたという話が上がっている。

実際にマリッサが誘拐されているし、そういう事をしかねない組織を敵に回しているのは確かだ。


うーん、そりゃ空気も悪くなるわって噂を色々と聞かされた。


そして、俺の相槌の時に口から自然と出た「マジかー」が、何故か妙に流行った。


「んで、俺は言ってやった訳よ。『一昨日来やがれ』ってな。

そしたらそいつ、何て言ったと思う?・・・『一昨日も来た』ってよ!」


「「「まじかー」」」


「「「「「ぎゃはははは」」」」」


いや、何が面白いのかわからん。

お前ら酔ってるのか?・・・酔ってたわ。

これから仕事だけど大丈夫か?

まぁ、ギズギスしてないからいいか。 ・・・・・・いいのか?


風が強くなってきたな、と気になってきた頃、ポツリ、ポツリと雨が降り出して来た。

っつっても、俺の頭の上に大きな雨避けが居るので、俺が気付く頃にはパラパラぐらいになってたかな。

それでも続けようとするんだから、暢気のんきなんだか、豪気なんだか。

いつまでこうしていても埒が明かないので、俺の指揮で、まったりモードの船上から、どんどん引き上げさせる。


「んだよぉ?いいところなのに・・・」


文句を言っても雨は止まないからね?!


「はいはい、撤収、撤収~。」


テキパキと片付けも進んだし、少しはリーダーらしい雰囲気が出たんだろうか?


「撤収、撤収~」「撤収、撤収~」


何でもかんでも真似すな。

一応、ローグリアムとマリッサに言われたように、ちゃんと情報収集はできたと思う。

船もそこまで揺れてないが、雨で塗れた甲板は滑りそうだし、酔っ払いがうろついてたら危ない。

俺は、全員を客室へと通じるドアへと押し込んだ後、彼らと別れて操舵室へと入れてもらった。


操舵室では、簡単な打ち合わせを行った。

つっても、俺を待ってたわけじゃなく、いたからついでに、という感じだ。

前回と同じように停泊するが、雨で狼煙が上がらないので、光を発する魔道具と閃光弾を併用するとの事。

俺も、緊急事態での撤収や、仕留めた場合の合図の魔道具を持たされている。

これも前回使った色付き煙ではなく、閃光の出るものに変わるらしい。


あとは、世間話を少々。

あちらも船の操縦の仕事をしているので、邪魔にならない程度に色々と話をした。


そうしている間に時間は過ぎ、船長が「そろそろだ」と言ったとたん、どこからかドワーフのオッサンらが沸いて出て、俺を着替えに引っ張っていった。

お前ら、ずっと待ってたんじゃないよな?!


何はともあれ、ついに決戦の舞台である。

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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