わんわんお(仮)
書き途中です。
お盆、更新できません。
俺・・連休が取れたら・・読み直してタイトルから(仮)を取るんだ・・・。
世の中の肉食動物の肉って、あまり旨くないらしい。
一応、薬用としての価値はあるようだが、食肉としては微妙だそうだ。
その薬用についても、民間療法の枠を出ることが無い。手に入りにくい分、価格の上乗せはあるが、苦労には見合わないとローグリアムは言っていた。
で、ダークホースにナイトメア、モグゴン。
どれも肉食と言われているモンスターである。
が、何しろ討伐されても肉まで持ち帰った記録がほとんど無い為、値段も味も不明との事だ。
だが、味に期待はしない方が良いと言われた。
まぁ、ペットの餌としての価値はあるんじゃないかな。
奴らの味覚は人間とは違いそうだし、実際、普通に食ってたし。
そんなわけで、ギルドで買い取ってくれる可能性は低くても、明らかに地雷と思われる部位、怪しい部位以外はもらっている。
肝臓とか、心臓とか、他にもよく分からない臓器を・・・。
「何か、怪しい儀式でもするみたいなのよ。」
しねーよ。
逆に、避けているのが膀胱とか、胃腸系統だ。
雑菌とか寄生虫とか、多そうな気がする。
あと、きちんと処理しないと、中に、消化物や未消化物が入っている訳だろ?
端的に言おう。ペットがウ○コを食ってると思うと、嫌だ。
だから破棄。多少は軽くなるが、あれもこれもと詰めている分、軽量化は進まないんだよな。
で、だ。
俺達がここで待機している間に現れたものがあった。
もちろん俺の仲間、では無い。
スンスンと匂いを嗅ぎ、擦り寄って来たのは、何度か遭遇している子犬であった。
今度ばかりは、ローグリアムも弓を番えたりしなかった。
めっちゃ尻尾を振ってキュンキュン鳴いたあげく、俺の足元で腹を見せたからだ。
こいつ、完全に野生を捨てにかかってきていやがる。
そして、何かくれとばかりに俺の足に前足をかけて、こちらの顔を窺う。
・・・可愛過ぎるだろうが!
周囲を見回す。
周辺に生き物の気配は無いように思う。
コイツ、群れに置いて行かれたんだろうか?
「懐かれているな。」
「他の人には見向きもしていないのよ。」
「餌付けでもしたのか?」
「・・・肉・・。」
若干一命、不穏当な発言をしている人がいるのが気になるが、聞かなかった事にしよう。
それよりも、やっぱり餌を与えたのは不味かったかー。
手を伸ばすと、若干怯えたような動作をしたが、俺のモフモフを受け入れた。
ウチのもふもふ(ペット)の手触りもいいけど、子犬だからか、毛がふわもこしていて、柔らかい。
うーん、これは・・・。
「飼うか・・。」
「コケ?!」
まぁ、ウチにはスザクがいるので、コイツとの相性次第である。
スザクを頭から下ろし、近付けて反応を見る。
「コケ!!コケッ?!」
そんな顔をして振り向くな。別に餌として提供している訳じゃない。
「スザクと仲良くできないなら無理だからな。」
そう言うと、スザクが大人しくなり、胸を張った。
なんだろう、憎たらしいくらいの「ドヤ」感が漂う。
こいつ、やっぱり人の言葉分かってるんじゃないのか?
子犬も、分かったのか分かってないのかよく分からない顔でスザクの匂いを嗅ぐ。
食い付いて来たら全力で引き剥がすつもりだが、スザクが足を伸ばして固まっている。
まぁ、相手は小さいとはいえ、軽く見積もってもスザクの3倍はある肉食獣だからな。
「・・・・・・。」
どうやら、襲って来たりはしなさそうだ。OK。
単に腹が膨れているだけかもしれないが、か弱い獲物を見て、滅多矢鱈と襲い掛かるモンスターだと困るからな。
先程より、背後から妙に視線が飛んできている気がするが、別に問題は無いだろう。
この世界にはテイマーという職もある筈だしな。
「よし、俺はテイマーを目指すぞ。」
「そういう事は自分より強いモンスターを連れて来てから言うのよ。」
まぁ、テイマー自体は、大して攻撃力を持たないからな。
確か、MEN(精神力)を使役モンスターの攻撃ステータスに上乗せできるんだっけ?
俺のMEN(精神力)は、装備の必要値しか無いから・・・2桁に届いてなかった気がするなぁ。
で、STR(腕力)はレベルと同じくらいだった筈だから、ざっくり250はあるだろ?
・・・子犬と鶏じゃ、仮にMEN(精神力)が100だったとしても俺より強くはならんな。
つまり、俺より強いモンスターとなると、レベル150くらいは必要になるという事になるな。
モンスターってレベル対ステータス、人と同じだっけ???まぁいいや。
「・・・ちょっとモグゴン捕まえて来る。」
「のー。」「やめろ。」
あれ?みんなの目が本気なんだけど。
冗談に決まってるじゃないか。モグゴンなんて可愛くも無ければ、話の通じる相手でもない。
普段は地面に潜ってて邪魔にならなそうでいいけど、召還獣みたいにエコではないだろうから、餌とかも大変そうだ。
知らない間に町の人を襲ってましたとか、目も当てられない。
小さいうちから人に慣れて、しっかり躾けをしたペットか、攻撃力の無いペット以外を飼うのには躊躇いがある。
それに・・・命を飼う責任ってやつは重いのだ。安易にペットを増やすつもりは・・・
「この短期間にホイホイと生き物を飼って・・どれだけ増やすつもりなのかしら?」
そんなつもりはないんだ。
確かに、スザクを飼い出してから一ヶ月も経ってないけど!!




