表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
349/430

ごぼう抜き(仮)

書き途中です。

モグゴンは、ボス系ではない。

この暗黒洞窟における、ごくごく一般的なモンスターである。

その、ごくごく一般的なモンスターを相手に、俺は苦戦をしていた。


スキル:疾風


俺の身を包む、風のエフェクト。

さっきから起きている、この謎の現象にも地味に気になる。

何これ?!アプデ?!アプデなの?!


気になるといえば、アーディの演奏だ。正直、鬱陶しいんだけど。

俺の知らない職業、吟遊詩人のスキルで、何かバフでももらえるのかと思ったが、そうではないらしい。

本当にただの音楽、BGMというか、アーディによる即興曲だ。無駄な才能である。

モグゴンが音に惹かれてそっちに行きそうで怖い。マジやめて。


モグゴンが地上に出ている間の事を1ラウンドとすると、現在のラウンドは10回を越える。

俺はポットで回復しているが、モグゴンは動きが悪くなっている。

お互いに必死なので、動きを工夫し、頭を使う。

その結果、お互いに空振るなんて事もあったが、いい一撃が決められたり、逆に危ない事もあったり。


一歩も動いていないせいだろうか、後ろで見守っているPTメンバーにターゲットが行かないので、そこは一安心だ。

ゲームみたいに、タゲを取った奴にのみヘイトが向かい続けるとかいう不自然な現象、この世界で、どの程度通じるかは謎なのだ。

最悪、蘇生薬もあるが、現実の蘇生となると失敗した時が怖い。


いや、失敗の実績は無いんだけど、蘇生なんて非現実的なもんが現実になったら、ちょっと尻込みしてしまう気持ちは分かってもらえないだろうか?

一応、コランダの町で・・・トム??ド・・ドー??

そんな感じの人を蘇生させた実績はあるが、100%かどうかは分からない。怖いものは怖いのだ。


さて、先ほど、モグゴンの尻尾と俺の大剣との衝突では、斬り飛ばす事こそできなかったものの、硬度が自慢と思われる岩のような・・鱗?を貫通して傷付け、かなり俺が優位に立ったと思う。

そして、そろそろ決着がつく筈なんだが・・・。いつまで経っても地面から出て来やがらねぇ。


「・・・・・・・。」


「終わった、のか?」


「さぁ?」


足元の振動は、無い。が、敵が死んだ訳ではない。

とどめとするにも、まだまだ足りないし、失血死の可能性も考えられない。

ボコボコしはしたが、それだけだ。つまり、相手には余力があるという事だ。


「・・・・・逃げた、のか?」


充分、考えられる。命の危険を感じた生物は、普通は逃げる。

そして、安全な場所で回復を図るのだ。


俺は、モグゴンだけでもこれだけ苦戦したのだから、暗黒洞窟に入るのは危険かもしれない、と思いつつも、再び、入り口に向かった。

大丈夫、ちょっとだけ、先っちょだけである。

所見殺しとばかりに、いきなり襲って来るような、入り口を陣取っているモンスターだけでも倒しておかないと、後々、大変そうだからな。


・・・・・。


スキル:斬首(きりくび)


ザシュ!!


一歩踏み入れたとたん、噛み付きにかかってきたモグゴンに、カウンターが炸裂した。

赤いエフェクトが走り、何度か狙って脆くなっていたらしい鱗に、すんなりと刃が入る。

爪が全て折れている。さっきまで戦っていた奴で間違いない。


吼えそうな凶悪な面構え。闘争心に燃える眼光は、噴出す血と共に命の灯火を弱まる。

噛み付かんと迫っていた顎は力を失ってただ息を吐き、モグゴンは地面に落ちて痙攣した後、静かになった。


縄張りを譲れなかったのか、それとも、入り口での待ち伏せに自信があったのか。

モンスターの考えていることは分からないが、こうして何とか止めを刺す事ができたのだった。

あたかも無警戒であるかのように洞窟に踏み込んだのだが、成功して良かったと一安心である。

さすがに、狙われてるのか、諦めたのかも分からずに、みんなの場所に戻れるほど気楽じゃない訳ですよ。


で、モグゴンを解体してもらおうと持ち上げる。

地面を泳ぐ魔法が切れたらしいその尾が、まるで根菜のように、洞窟の硬い岩だらけの砂土からずるりと抜けた。

手ごわい敵ではあったが、死というのは呆気ないものであった。



・・・・・。



「ナイフが通らない。」


現在、洞窟の外で解体を頼み、俺は穴を掘っているところだ。

ローグリアムが文句を言ってきたので、俺の武器を貸し与えた。


「重い!」


結局、文句が出る事には変わりは無いらしい。

しかし、解体は順調に進んだ。


革から肉を剥ぐ作業は、普通のナイフでもできるそうだ。

というか、剥ぎ取り用としては明らかに向いていない大剣を使っての作業は困難である。

その証拠に、いつも上を向いていたローグリアムの耳が、微妙に萎れていた。

そのくせ表情は繕っていて、やけにキリッとしているものだから、笑いを堪えるのに苦労した。

これがエルフのプライドというやつか。(多分、違う。)


解体が終わった後も、当たり前ではあるが俺の仲間は出現せず、全員が落ち着きを無くして周辺を探索していた。

たまたまウロついていたハイランドグリズリーを連携(俺を除く)で倒し、再び解体。

ねぇ、PTにこそ入っているけど、地味に俺、ハブられてね??

まぁ、洞窟は単体じゃないと危ないから、皆を連れて行けないんだけどさ。

それに解体も役立たずだけどさ。

ハイランド系のレベルを考えても、俺に入る経験地はスズメの涙だけどさ。


あれ?俺がPT組んでる意味って・・・・・?


深く考えると、至ってはいけない結論まで導き出されてしまう気がして、俺は誤魔化すように素振りを始めた。

素振りなんてまともにやった事なかったけど、こうしてやってみると気分のいいものである。


「ものすごく危ない人に見えるからやめるのよ・・。脅迫でもされてるような気分になるもの。」


マリッサから忠告をもらうまでは。

脅迫って何だよ!この剣の錆にしてくれるって?・・・しないよ!

※コランダで蘇生させたのはトムでもドーなんちゃらでもなく、ボーラでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ