こんな時…(仮)
書き途中です。
久しぶりの残業。
いや、残業はいつもか。
残業の定時(?)を超える残業が久しぶりだった。
残業の定時って何ぞや?(お前が聞くな)
今回は、ブリジットが留守番で、他のメンバー変わらず。
ブリジットが外れたのは、移動速度の都合からだ。
「もしアポが取れたら、ぜひお会いしたいので、よろしくお願いします!」
剣士の格好だけど、もう完全に素だよな?
変装してるから意味はあるのか?
俺が心配することじゃないけど・・いや、ここは心配すべき所か。
「こうやって移動速度を少しでも上げようって調整しているのに、リフレときたら・・・。」
「俺も結構早い時間に叩き起こされた・・・・・。」
「本っ当に、すんませんでしたー!!!」
ちなみに、俺自身も、結局用事は殆ど達成できてない。
マリッサの防具も材料をちょっと調整しただけだし、聖水は手を付けていない。
まぁ、超・聖水があるからいいものの、使用する度に光り輝くというデメリットを抱えている。
「・・・血の匂いがする。」
うん、まぁ・・急いで洗ったから、完全には落ちてないんだろうな。
「あと、獣の匂い。」
ティティの鼻が良いってのはよく分かった。
俺は解体できないから、後で何かのついでに頼もうと思うよ。
と言っても、狩りは最小限で行くらしいので、なかなかチャンスは無さそうだけど。
「まさかとは思うが、夜通し狩りをしていたとか言わないよな?」
ローグリアムが訝しげに俺を見やる。
「まさか。」
そもそも狩る予定じゃなかったし。
「だよな。高原の辺りは、森の悪魔と呼ばれる夜行性の肉食獣の群れが出てな。
ダークホースと言う、黒い馬の姿のモンスターなんだが・・。
まったく間引きがされていないから、群れの規模は大きくなるばかりだ。
そろそろ、群れをまとめる上位種が現れても不思議じゃない。
その上、昼は俺達が狩りに入っているから、今頃、獲物が少なくて凶暴化していそうだ。
奴等に襲われると、無事に逃れてもその恐怖で発狂する者もいると聞く。
金策なら、あの辺は避けたほうがいいぞ。」
ああ、確かに言われてみれば群れだったな。
あとその情報は、もっと早く欲しかったよ。
「通りで大変な目に遭った訳だ・・。」
「やっぱり狩りに行ってたんじゃねーか!」
違う。防具の仕上げと、聖水を作りに行ったんだ。
まぁ、何もできなかったけどな!
マリッサにせかされ、町の外へと向かう。
疲れが取れてない気がするので、少し休みたかったのだが・・言ったら怒られそうなので言わないでおこう。
今来た道を戻るようにして、高原フィールドに向かう。
進路上にいたグリーングミーが、この集団を見て、逃げるでもなく、戦うでもなく、ただ右往左往していた。
車だったら撥ねていたところだ。邪魔だから退いてくれ。
高原フィールドの手前で小休止。
ブリジットがいないとはいえ、休みなく歩く予定だ。
マリッサは速度だけなら付いて来れるが、レベルが低い分、スタミナが切れるのが早い筈なので、急ぐからこその休憩である。
「・・・どうしたのかしら?何かあったの?」
誰に話し掛けているのかと思ったら、俺にだった。
「どうって?何も無いけど。」
心当たりが無いというか、マリッサが何を言ってるのかも分からないので、普通に返事をする。
「・・・無自覚みたいだけど、殺気立ってるのよ。ものすごく。」
「怖い。」
見回してみると、マリッサ以外の全員に目を逸らされた。
チンピラと目が合いそうになったみたいな反応に、地味に傷付く。
ティティに至っては、いつもピンと立っているフサフサの尻尾が下を向き、太腿の間で揺れていた。
何も尻尾を巻くほど怖がらなくとも!
町にいる時から様子がおかしかったが、高原フィールドが近付くにつれて酷くなっているという。
これは・・・トラウマになったかな。
俺の内面の問題だけなら、とりあえず置いておいて問題無いと思うのだが、PTメンバーを怖がらせるのは良くない。
だが、無自覚な上に「殺気立つ」という経験をあまりした事が無いので、こういう時にどうしたらいいのか分からない。
「えーっと、そういう時は、どうすればいいのかな?」
笑えばいいんだろうか?・・・怯えられるだけだろうなぁ。
「歌でも歌ったらどうかしら?」
何その罰ゲーム。
こら、アーディ。楽器を出すな。お前に歌えと言った訳じゃない。
「歌というのは地域にに1つや2つ、あるものだからな。故郷を偲べば、気持ちも解れるだろう。」
「大きな声を出すのはストレスの発散にいい。」
「・・え?何なの?歌を歌わせる空気なの?歌う流れなの??」
俺が嫌がったせいで、短い歌を順番に歌うことになった。
巻き込んですまん・・・でいいのか?お前ら、実は楽しんでないか?
「おぉ~~~ん♪うぉぉお~~~~~~ん♪…」
ティティのそれは歌でいいのか?
いいんだろうな。ものすごく個性があるけど。
「♪鉄の温度を目で感じ 肌で感じろ 技は見て盗め 音を聞き 鎚に聞け♪…」
それ、歌って言うか、職人の心得だよね?
「♪ヴァルジャの山はその頂に 不死の薬が眠るという…♪」
ローグリアムが歌ったのは、不死の薬を探して掘り続けたら、山が無くなってしまったと言う歌だった。
あれ、続きは?結局、薬はどうなったんだよ?!これで終わり?
薬の話は嘘でした、とか、そういうオチも無い・・?
嘘だろ・・・?山の方が大事なの?!いや、大事だけどさ!
「何を歌おうかな~?悩むなぁ・・・♪」
アーディは飛ばされた。
猛烈に講義していたが、どうせ長くなるだろうし、いつも歌ってるんだからいいでしょうと言われて意気消沈してた。
俺は・・・
「め~りさんのひっつっじ♪ひっつっじ♪ひっつっじ♪…」
短い歌なんて思い浮かばないよ・・・・・。
直前までどうしようって思ってたけど、回って来たら頭が真っ白になった。
その結果がこれである。
「知らない歌だけど、・・リフレ、貴方、あまり歌が上手くないのね・・・。」
余計なお世話だ。
歌い慣れてないし、テンパって声がひっくり返ったんだよ!
めーりさん…(・_・。)




