お礼(仮)
書き途中です。
給与明細もらった。閑散期と比べて、手取りが25%アップってどうなのよ。
閑散期は、もう少し収入があっても良いかなとは思ったが、こんな極端じゃなくていい。
もう少し休みをくれてもいいと思うんだ・・・・・。
甘い物が美味い。しょっぱい物も美味い。炭酸飲料は疲れが飛ぶ気がする。
まぁ・・太っていってるうちは大丈夫だろう・・多分。
帰り道。そのまま別れてどこかへ行きそうなローグリアムを呼び止めた。
「明日はどうする予定なんだ?」
どうってのは、探索をするかどうかでもあるが、ブリジットの事をどうするかという意味でもある。
マリッサは、レベルが高くない事もあり、微々たる援護ではあったが、地味に良い経験値になっているようだ。
レベルが上がったというし、マリッサお手製の防具を身に付けられる日も近いだろう。
そして、成長が早いということは、つまり戦力として加算されていくという事だ。
だが、すでにそこそこのレベルの補助魔法使いが剣を握ったところで、レベルアップも遅いだろうし、ステ振りも・・・この世界でのステ振りの方式はどうなのか不明だが、覚えたスキルの系統で自動で割り振られる分はMEN(精神力)に持っていかれる事だろう。
ゲームなら残りは自分で割り振れるのだが、魔法使いがSTR(腕力)を上げるメリットはあまり無いからなぁ。
要するに、正直なところ、戦力としても移動速度を見ても足手纏いでしかないのだ。
ブリジットが補助魔法使いとして動けるなら話は別だし、足手纏いだから来るな等と言うつもりは無い。
ただ、危険な目に合って実入りが少ない現状、連れ回すのは酷ではないかと思ったのだ。
「・・・明日も予定通り行く事になっている。
面子は変わるかもしれないが、その辺の打ち合わせはこちらでしておくつもりだ。」
「なるほど、了解した。」
かなりしんどそうだったし、嫌なら交代もできそうで良かった。
今日は相当疲れただろう。命の危険も感じただろうし。
ローグリアムと別れ、宿に戻る。宿の食堂は、今が一番と思える活気だ。
この時間は酔っ払いが多いのだ。
アーディがオアシスに着いた旅人のような表情で、楽器を取り出して人の群れに突っ込んで行った。
水を得た魚のよう、という表現がぴったりである。
あー・・変な歌を歌うなと釘を刺したかったが、相手は酔っ払いばかりだし、いいか。
「とりあえず“水”を頂戴。碌でもない物を出したら承知しないのよ。」
マリッサ、お前もか。そして、まだ飲むのか。・・飲むだろうな。
値段のこともあり、杯を重ねるのは遠慮した節があるしな。
さて、俺は付き合いきれないし、寝るとしますかね。
「あの・・・・お部屋に来ませんか?」
耳元で囁かれて、ゾクッとした。
外にいる間は剣士モードになってたブリジットが、またヒーラーモードに戻っている。
ヒーラーモードというか、プライベートモードなんだろうな。
人に聞かれたくないのは分かるが、いきなり耳元でそっと喋るのはやめてほしい。
声の振動なのか、吐息なのか知らんが、めちゃくちゃくすぐったかった。
「お、おう。明日の事を話さないといけないしな。」
連れ立って部屋へ入る。
俺とは違い、ちゃんと鍵をしてあったので、防犯はばっちりだ。
その上、何やら魔道具が置いてある。セキュリティ的なやつらしい。
安心っちゃ安心だけど、周到な事で。
「・・・あの。・・今日は、ありがとうございました。」
「いや、気にすんな。・・えーと、俺も敬語に戻した方がいいか?」
敬語はあまり一般的ではなさそうなので、必要な時以外は使わないように心掛けようと思っている。
・・まぁ、今までさんざん使い倒してきたので、ふとした時に出てしまうだろうし、今更、ギルマスにフランクに話しかける気もしないのだが。
「いえ、そのままで。もし敬語の方が楽なのでしたら、そちらでお願いします。」
楽な喋り方で良いそうだ。
俺の敬語は、しっかりした敬語ではなく丁寧語、謙譲語、あとは・・何だっけ?
その辺がめちゃくちゃの可能性がある。
営業と違って、最低限の使い慣れた言葉以外はさっぱりだからな。
いや、営業でも滅茶苦茶なやつは結構いたわ。俺も営業させられた事あったし。
仕事の事を思い出したら、鬱になってきたな。
元の世界では今頃どうなってるんだろうな・・・・・。
「あの、もしもし?」
「おっと、すまん。今日は色々あったからな。宿に戻ったと思ったら、少しボーッとしてしまって。」
ヒールが飛んできました。さすが異世界。
礼を言うと、ブリジットは嬉しそうに笑った。・・あ、可愛い。
もじもじするな。勘違いしちゃうだろ。
「あの、何かお礼ができればと思うのですが・・・。」
飯を奢っただけなのに、大袈裟だな。ああ、高級店だったもんな。
その辺の飯の倍以上するからやはり高いんだろうけど、俺にとってはゲーム通貨だし・・。
この感覚はどうしても消えないんだよなぁ。稼ごうと思えば簡単に稼げそうなのも影響してると思われる。
帰還の札がとんでもない価格になってるから、困ったら売れる他、金塊もあるし、金に困ってないんだよな。
高レベル装備を揃えるんでもなければ使い道も無いし。
「いや、そんなのはいいですよ。・・・つられて敬語になっちゃったな。
今日みたいな飯屋はたまにしか無理だけど、またいつでも・・・。」
「へ??・・違いますよ!命を助けてくれたじゃないですか!」
ああ、そっちか。
いや、あまりに幸せそうに食うのを見たもんだから、飯のお礼かと思ったよ。
「あの・・嬉しかったです。・・もう、生きて地上には戻れないかと思って・・・・・。」
怖い目に合わせてしまったな。
狩場荒らしのような事をしていたルフ鳥は仕留めたし、ハイランドウルフとの話も付いたが、それはそれである。
今回の事がトラウマになったりしてないといいんだが・・・。
「その、今度、今度は!私がオススメのお店に連れて行きます!
だから、えっと・・・また一緒にお食事しましょう!」
「おお、いいね。やっぱり皆で飯を食うと美味いもんな。」
この様子だと、引き摺ってるって事はなさそうだ。良かった。
ブリジットは地元の人間だから、きっと美味しい物の食える店を知っているに違いない。楽しみだ。
ち、ここで背後から吹き出すような音が聞こえ、その瞬間、ハッとしたブリジットの顔が茹ったように真っ赤になった。
「私がいる事、忘れてた?」
ティティである。
小柄だから、俺の影に隠れていたんだろう。
それにしても吹き出すなんて、何か面白い事でもあったのか?
「お食事、誘えて良かったね。・・皆でだけど。」
「ううう・・・。せっかく勇気を出したのに・・・・・。」
勇気、か。・・・まさかね?
こういうのをフラグかと思って期待すると、ろくな目に合わないからな。
思わせ振りはやめろと言う訳にもいかないし、とりあえず聞かなかった事にしよう。
フラグなんて無かった。それでいい。うん。
「それで、明日の予定なんだが・・・。」
何も無かった事にしようとしたら、この後、ティティにめちゃくちゃ説教された。
お前、無口キャラじゃ無かったのか?
何で怒られてるのか、分からな・・くはないけど、確証が無いと言うか・・・
いや、すんまっせんっしたー!!
※調べてみた。敬語の種類は尊敬語・謙譲語・丁寧語だそうです。
尊敬語…対象=相手。“目上の人に”使う。相手を立てる時に使う。
謙譲語…対象=自分。“自分を”遜る時に使う。自分が遜ることで、相手を立てる。
丁寧語…対象=問わず。聞き手に対して丁寧に述べる。 「です」「ます」「ございます」を付ける。
なるほど。
例文?(同じ“おもち”でも・・)
「“お持ち(謙譲語)”“します(丁寧語)”。…対象が自分なので謙譲語。
「“お持ちになり(尊敬語)”“ます(丁寧語)”か?ではこちらを“お持ち(尊敬語)”ください。」…対象が相手なので尊敬語。
ということらしい。
ちなみにただの丁寧語だと「持ちます」「持ちますか?」「持ってください」になるのかな?(聞くな)
難しい・・そして懐かしいなぁ。昔、国語でやった気がするなぁ・・・。覚えてないけど。
なんとなく有名コピペを貼っておきます。
店員「当店のポイントカードはお餅でしょうか」
ぼく「えっ」
店員「当店のポイントカードはお餅ですか」
ぼく「いえしりません」
店員「えっ」
ぼく「えっ」
店員「まだお餅になってないということでしょうか」
ぼく「えっ」
店員「えっ」
ぼく「変化するってことですか」
店員「なにがですか」
ぼく「カードが」
店員「ああ使い続けていただければランクがあがってカードが変わりますよ」
ぼく「そうなんだすごい」
店員「ではお作りいたしましょうか無料ですよ」
ぼく「くさったりしませんか」
店員「えっ」
ぼく「えっ」
店員「ああ期限のことなら最後に使ってから一年間使わないときれます」
ぼく「なにそれこわい」
店員「ちょくちょく来ていただければ無期限と同じですよ」
ぼく「なにそれもこわい」
店員「えっ」
ぼく「えっ」
・・・・めっちゃ好き。これ考えた人、どういう思考回路してるんだろうな?




