森の中心でスザクは叫ぶ(仮)
書き途中です。
PTが分断され、戦力が減っている上に、向こうには謎のモンスターがいる。
まだブリジットを狙っているかどうかは分からないが、すぐにでも合流したほうが良いだろう。
その前に、目の前の問題を片付けなくてはならない。
この状況だ。経験値だの素材だのって言ってる場合じゃないよな?
援護ではなく、主力として・・・まぁ普通に狩る。
それに、俺はもう返り血でベトベトである。今更、服を気にする必要はあるまい。
スキル:疾風
通常攻撃を三連で叩き込み、次々と敵を屠る。
通称3連撃。通常攻撃は3回まではスムーズに連撃ができ、その間にスキルを入れる事でコンボが繋がる。
ゲームと違って、一定確立でミスが発生するという事が無いので、綺麗に決まる。
4撃目までにスキルが入らなかったり、ミスが入るとコンボが途切れるんだよな。
剣が引き抜けなくなっても困るので首筋を狙ったが、1撃では無理でも、2撃目で確実に仕留められ、3撃目はいらない感じだった。
・・・まぁ、トドメは確実に刺した方がいいからな。
速度を重視して振るったが、勢い余ってそりゃもう深々と刺さったよ。こりゃ助からんな・・・ってレベルで。
・・剣が引き抜けなくて困るという現象は起きなかった。
まず、俺の大剣の切れ味がやばい。骨にもスコッと刃が入る。
で、俺の膂力もやばい。剣の突き刺さったハイランドウルフをごと振りたくり、数匹分の重しを使って、そのまま引き裂く。
剣で真っ二つという現象が普通に起こってるあたり、自分でも相当だと思うよ。
「ウォォオオオーーーン!!」
ボスらしきハイランドウルフの遠吠えで、奴等は去っていった。
ボス・・・そんな後ろの方にいたのか。雑魚にばっかり任せやがって。
それにしても、モンスターも退くんだな。最後まで掛かってくるかと思ったけど。
でも油断はできない。ブリジットの方に行ったかもしれないからな。
「・・・立てるか?」
「もちろん。回復は終わってるのよ。」
「3人と合流するぞ。向こうはこっちに向かってるかもしれないが、迷ったらここに戻る。
さっきのハイランドウルフに、ルフ鳥とやらとも交戦してるかもしれない。周囲に気を付けろよ。」
すぐに移動開始だ。2人を置いていくという選択肢は無い。
マリッサは単独では生き残れる場所じゃないし、アーディはマリッサのフォローまでするには荷が重い。
もし、さっきみたいに群れで来られたら、展望は暗いだろう。
「なぁ、ルフ鳥って伝説の鳥だろ?・・・なんとかなるのか?」
伝説なのか。って事は、かなりのレアモンスター?そりゃ見た事無い訳だ。
なんとかなるかと聞かれても、戦ったことも無ければ知識も無い。聞かれても困るんだが。
「なんとかなるかどうかは分からないが、見捨てる訳にもいかないだろ。」
「コケコケコ!」
そういえば、スザクが頭に乗ったままだった。
空中で銃を発射して態勢を崩した時に離れた気がしたんだが、上手く着地するようになったよな。
動きに振りたくられても、以前より安定している気がするし。
コイツ、頭に乗る特化で進化したんじゃないだろうな?
「スザクが話し合いで解決してくれるってさ。」
「コケ?!」
何か訴えてきたので、そういう意味かと思ったけど、この反応は違うのか。
言葉が理解できてるとも限らないし、いちいち反応を気にしてたらキリがないな。
スザクの鳴き声については、深く考えないようにしよう。
「ふ・・頼むわね、スザク。」
「コ!コケ、コケ!コケコ!」
ははは、無理無理って言ってるみたいだな。
まるで会話してるみたいだ。脳内翻訳してても面白いものがある。
ある程度、言葉が分かればいいんだけどなぁ。
「・・・首を横に振っているわ。人間の真似かしら。」
本当に言葉がわかるのかもしれないので、今度、真面目に検証すべきなのかもしれない。
それは置いておくとして。
「ところで、あいつらどこにいるんだ?」
さっき吹き飛ばされたあたりに着いた筈だ。
で、ブリジットはこっちの方に落ちて行って・・・。
視界が悪いとはいえ、お互いに動いていたら気づく程度だと思う。
よほど、変な遠回りでもしない限り、すれ違う可能性は低いだろう。
「何か合図になるものは無いのかしら?大声でも出してみる?」
「モンスターが寄って来たらどうすんだ?」
「そんなのリフレがどうにでもするわよ。」
ふむ。合図なんて決めてないし、狼煙とか、それらしいものは何も持ってないな。
2人も持っていないらしい。
・・と、すると、大声を出してみるくらいしかないんだが。
どうすればいいんだ?「おーい。」でいいのか?名前を呼ぶの?何それ、ハードル高い。
「と、いう訳で、頼んだスザク。」
「コケ??!?」
・・・・・。やっぱ通じないか?
「コ・・。コケーーーッ!!」
あ、通じた?でも違うんだ、こう・・朝みたいなやつで頼む。
「ココココケーーーッ?!?!!」
緊張してるのか?
うるさいし、まぁよく聞こえるからいいんだけどね。
「コ・・コッケコーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
そうそう、それそれ。そんな感じでやってくれ。
スザクに声を張らせ、周囲に目を配る。人気は無いな。
戦闘音や声も聞こえない。
「・・確かに遠くまで聞こえそうだけど、これ、どう返事すればいいか困ると思うのよ。」
返事か。考えてなかったが、確かにそうかもしれない。




