表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
311/430

何処へ行こうというのかね?(仮)

ふ・・また金にならない仕事をやってしまった・・・


書き途中です。

休憩を終え、俺達のPTは移動を始める。

ハイランドグリズリーが出てきた時や、敵が複数現れた時以外は、俺の出る幕なんて無かった。

時間を食うから俺が出るだけで、俺がいなくても十分対処できた気がする。

隠してはいるものの、ブリジットがヒーラーだと知っているだけで、安心感もあるしな。

まぁ、マリッサとアーディはそれを知らないんだけどな。


「おい、ちょっと待て。俺達は一体、どこに向かってるんだ?」


「私に聞かないでよ。付いて行くので精一杯なのに。」


「・・・何処に向かってるのかしら?」


ローグリアムが今更聞いて来たんだが。

そりゃ高原フィールドの奥って言ったら、暗黒洞窟だろう?

ってか、俺以外に目的地を目指している人がいないってどうかと思うよ。


「暗黒洞窟って、あの暗黒洞窟か?」


「その『あの』の意味は分からないが、向かってるのは間違いなく暗黒洞窟だ。」


「まさか、入ったりしないよな?」


アーディは期待半分、不安半分といった様子で聞いてくる。

さすがに、ちょっとこのメンバーを連れては・・・厳しいものがあるな。


「暗黒洞窟前でお昼休憩、そのまま帰れば暗くなる前に戻って来れるだろ。」


俺は、入るとも入らないとも言ってない。

金策には丁度いい洞窟だし、ちょっとだけ入るのもありだとは思っている。

帰る時間が少し遅くなるくらいで、少し暗くなった頃には町に着けるように帰ればいい。

だが、他の奴が付いて来るなら話が変わってくる。

1人か2人ならフォローのしようがあるが、全員で一緒にというのはキャパシティオーバーだ。

俺だって、うっかり回復を切らせば死ぬダンジョンなのだ。

町で復活するゲームとは違う以上、慎重に動かなくてはならない。


「ちょっと遠過ぎないか・・・?」


既に遅れつつあるブリジットを横目に見ながら、ローグリアムが俺に問う。

んー、まぁ帰還の札が馬鹿みたいに高いから、ほいほい使えないもんな。

ゲームでは、遠出した時や、ダンジョンから戻る時は、基本的に帰還の札などのワープアイテムを使っていたが、行きはもちろん、帰りも徒歩なので、ものすごい時間が掛かるのだ。


「昼過ぎでも着かなかったら、休憩して引き返せばいい。

ただ、俺は目的地をそこに設定していたし、全員そこに向かってると思ってただけだよ。

そこに行かなければいけない理由も無いし、目的地が変わったところで問題も無い。」


単なる思い込みというやつなんだが、まぁ、他に目的地を決めて動いてる奴はいなかった訳だし、別に俺は悪くないよね?


「そこで、お前の仲間達が待機してたりするのか?」


数瞬の間、何の事だか分からなかったが、おそらくクランメンバーであるニコフロノフの事を指しているのだろう。

ギルドの諜報がお仕事だからな。色々と情報を持ってたり、探りを入れてくるのは仕方がない。


「さぁな。今日は特に待ち合わせもしていないから、いるかどうかは分からないな。」


存在するかどうかも分からない相手だけどな。

もちろん、待機なんてしている筈はない。中身は俺だし。


「もしいたら、紹介してくれるのか?」


「いたら、な。」


いない相手を紹介できないし、俺とニコフロノフは同一人物なので、同時に存在する事はできない。

つまり、永遠に紹介できる機会は無い訳だが。

・・・もしかして、接触任務(ミッション)でも背負ってるのか?


うん?


今、全員が俺に注目してた気がする。

気のせいだったか???


喋ってるのが俺達だけだったせいだよな?


と、進行方向からハイランドラビットが姿を現す。

襲って来た訳ではない。ノンアクティブのモンスターだ。

ゲームではそこら中にいたが、現実のこの世界では、人前に姿を現す事は稀なんだそうだ。

俺達に気付いたハイランドラビットが、素早いステップで駆け抜ける。


うん、この人の群れに気付かずに飛び出して来たあたり、間違いない。


「気を付けろ。何かに追われて――。」


「ていっ。」


スキル:斬首(きりくび)


出会いがしらに、思いっきりスキルを叩き込んだった。

というか、スキル自体は反動で動けなくなる時間があるので、それを減らす為にも軽めに振るったのだが、正面衝突にも等しい状況だ。

相手が速度の乗った状態で向かって来たので、俺が吹き飛ぶところだった。

咄嗟に体勢を整えたところ、自分が思った以上の効果が出てしまったのだ。

急所にクリティカルヒット。続けて同じ切り口に振り下ろす。


ザスッ


・・・ハイランドグリズリーだ。凶暴そうな面しやがって。

喰らい付かんばかぎの形相で倒れたが、今度は苦しめずに倒せたようだ。

単に倒すだけなら連撃スキルでも叩き込めばいいが、素材が駄目になるんだよな。

速度と瞬間火力の両立を目指すと、単体スキルで一撃必殺を目指すより、軽く当てて通常攻撃で止めを刺した方が確実だ。

まぁ、今回は上手いこと急所に当たったので、追撃は要らなかったかもしれないが、臨機応変に動くのが苦手な俺は、決めた通りに動いてしまったのだ。

今更、思考の柔軟さが身に付くとは思えないので、まぁこれでいいかなと思っている。


「・・・余計な心配だったようだ。まぁ、注意勧告は大事だよな?」


「そうよ。例外もいるけど、大事な事よ。」


うん、ごめん。

譲っても良かったんだけど、目の前だったし・・・なんか出る幕が無くて手持ち無沙汰だったというか・・・。


「返り血をかわしてもう一撃って・・・それ、どうみても細剣レイピアじゃないよな?」


素早さが売りのアーディにしてみれば、重量武器でヒラヒラ動く俺が不思議に見えてならないのだろう。

AGL(アジリティ)(敏捷性)が高いから身軽に見えるんだろうけど、機能的スマートな技術による応酬ではなく、単なるステータスによるごり押しである。

蝶のように舞い、蜂のように刺す事ができるんではなく、ただ馬力が違う・・戦闘機みたいなもんなのだ。

プン、と振るうと、僅かに付いていた血液ちのりが吹き飛ぶ。


大剣グレートソードだな。その大きさの剣は、普通は両手で扱うと思うんだが・・・。」


長剣を両手で扱うローグリアムにとっても、この重量武器は不思議でならないのだろう。

何しろ、ロマン武器だからな。

両手で使った方が威力は出るんだけど、俺に剣の技術は無いし、そのせいか範囲が狭くなるんだよな。

なので、普段は片手を添えるだけか、反射的に振るう場合は完全に片手な事もある。

なんとなく潜在意識的なもので、俺は両手が塞がるのが嫌なのかもしれないな。


「・・・デカくて重いから、射程も攻撃力もあって防御もできるし、便利だよ。」


適当な事を言ったら、見渡す限り全員の頭が左右に振られた。

・・・・・もちろん、ただの軽口だよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ