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スザクは犠牲になったのだ…

ブリジットさんは軽食だったので、しばらくすると席を立った。

ブリジアさんは、正体を隠してるわけだから、基本的にはブリジットさんって呼べばいいんだよね?

逆?本名の方を呼んだ方がいい?

でも、いざって時に本名しか出てこないとまずくない?


それはさておき、交代でやって来たティティは俺の所に相席する。


おいおい、一緒に行動して大丈夫か?

こいつ、何も考えてないんじゃないだろうな?


ここで問い詰める訳にもいかず、その上、飯を強請たかられる。

肉がお好みですか。そうですか。はい、野菜炒めドゾー。・・・軽い嫌がらせである。

いや、健康の為に野菜も食わないと。ほら、肉も入ってるだろう?

それに、ティティとはそんなに親しい間柄じゃない。

所謂いわゆる、仕事上の付き合いというやつである。

俺が先輩だ、上司だってんなら、コミュニケーションの為に奢るのもやぶさかではないんだが、そもそも所属が違う感じなんだよな。

いきなり奢れとか言ってくるのも厚かましいし、一応、手に職をつけているのだから、それなりの対応である。

まぁ職っつっても諜報系だけど。馬鹿にしているわけじゃない。大っぴらにできないという意味である。


そういえば、スザクがあまり元気が無い。

餌もあまり食べないし、さっきから泣き声の1つも上げないんだ。

まさかと思うが、スザクも呪われてたりしないよな?


今日のところは、ギルマスのおっさんへの配慮もあって、宿でおとなしくしている予定だ。

軽い素材なら、ティティがギルドとの間に立って売買の仲介をしてくれるそうな。


飯を食い終わり、自室に戻ろうとしたら、ティティに部屋に連行された。

ティティとは友人。ブリジットとは知人。そんな設定だそうだ。

そんな細かい設定、外から判断できるか?

まぁいい。ちょうど良かったので、ブリジットにキュアをお願いする。

対象がスザクだと聞いて怪訝そうな顔をしたが、無言でスキルを発動させた。

スザクが青白くも温かい、不思議な光に包まれる。


うん、別に声に出さなくてもスキルは使えるんだよな。

ヒーラーさんはみんな詠唱しないとスキルが使えないのかと思ったよ。


「スキルが通りましたね・・。つまり、コッコ鳥さんも呪病に冒されていたと。」


キュアを使ったせいか、ブリジアモードに切り替わっている。

コロコロ切り替わるので、ものすごい違和感を感じるが、まぁそのうち慣れるだろ。


絶対に呪病とは限らないが、スザクがステータス異常になっていた事は明白で、時期的にも呪病であると考えたほうがしっくりくるのは間違いない。

なぜならば、必要がない場合、回復系のスキルは発動しない。せいぜい、タゲったのが分かる程度だ。

たとえば、1ダメージでも受けていれば発動し、対象が光に包まれるヒールも、HPが満タン・・もしくは相手が死亡して場合、発動しない。

同じように、ステータスに何の異常も無い人がキュアを受けた所で、光に包まれるという事はないのだ。


「ちなみに、コイツの名前はスザクだ。よろしくな。」


進化した筈なのだが、コッコ鳥と呼ばれるあたり、やはり進化したようには見えないらしい。

ちょっとデカくて色が珍しい程度の認識で、マリッサなんぞ「きっとあれは進化じゃなかったのよ。」とか言い出す始末だ。

あれが進化じゃなかったとすると・・・。

スザクは強くなってる様子もないし、大きな姿の変化も無かったし、食性えさも変わってないし。

・・やっぱり進化じゃなかったのかもしれないな。


「スザクさん。」


「呼び捨てでいいと思うぞ。」


俺にも萌えという感情があったようである。

俺が、MP回復薬を少し垂らす。

たぶん、コイツに%で回復するポットを使っても、逆にロスなので、俺の普段使わないやつだ。

なんでこんなのがアイテムボックスに入ってるかって、ゲームで敵が落とすんだよ。

とっくに需要の無い、ちょっと前に使ってたようなポットを、だ。

売っても微々たる金額なので、ドロップした人がその辺に捨てたりしている。

レアドロップの為に、スロットを1つでも空けておきたいからな。


で、それを俺が拾う。と。


レア出し?資金稼ぎ?レベル上げ?何それ、面倒くさい。

こうして楽に手に入れたアイテムを、低レベルの別のキャラに回してポット代を浮かせ、メインに飽きたら他のキャラで楽しむ。それが俺のプレイスタイルだった。

自分がメインでやってた頃には、高くて手に入らなかった良い装備を、サブで手に入れて使うという事もできた。

メインが低レベルの時は10万でも結構でかい単位だったが、レベルが上がると100万が1つの単位になってくる。

だから、メインの金でサブの防具を新たに買うなんて事もよくあったな。だって低レベル装備が安く感じるようになるんだもの。


倉庫に、使えるお宝からガラクタまで、色々なアイテムを詰め込む事で、妙な満足感もあった。

所謂いわゆるコレクター魂というやつなのだろう。

ゲームの中なら場所も取らないし、無くす事も・・絶対に無いとは言わないが、整理されてないからと言って誰かに怒られたり捨てられたりすることも無い。


新しいキャラが出るたびにコンプリートしていく楽しみもあった。レベル上げが辛かったが。

メインとその次あたりまではカツカツだが、使い回せる防具は使い回すので、後続のキャラはそこそこ楽な訳だ。

その代わりと言っては何だが、お下がりにする為に装備が売れず、メインは余計に厳しい。

そんな感じでサブに逃げ、そのせいで更にメインが苦しいという悪循環。

レベル上げも楽なうちは楽しいが、何時間も頑張った経験値が、一度の死亡ペナルティで水の泡になるようなレベルになってくるとだるいんだよな。


「・・・コケ。」


スザクが返事をした。少しは元気になったようで安心である。


「なるほど。スザクさんを頭に乗せていると、思わずそっちを見てしまいます。

呪術師も、思わずスザクさんを見てしまい、対象がズレたのでしょう。」


「コッコ鳥で狙いをれさせるとは、さすが。」


目印スザクが俺よりも目立ち過ぎて、俺に集中できないってどんだけだよ。まぁこの色だしな。

あと、わざとじゃないからな?!スザクを囮にしたりはしないよ?本当に!

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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