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アーディのポジション

結論?別にいらないんだけど。


俺の意見は置いておき、報酬の話やら、薬の話やら、教会の話やらを最後まで聞いた。

今後の予定を話したりして、プレイヤーの情報は手に入ったら教えて欲しいと、引き続き頼んでおいた。

あと、無理に集めなくてもいいと言っておいた。

探っている事がバレるのはまずいから、噂話を仕入れるくらいでいいだろう。


その後、報酬をマリッサと分配した。何しろ、職人達のまとめ役だからな。

趣味も兼ねてやってくれているとはいえ、かなりの試作品が編み出され、材料費だけでも相当掛かっている筈だ。

俺2:マリッサ2:ギルディート1の割合で分配する予定だったが、そこは変更した。

ギルディートも途中でいなくなってしまったし、小間使いとして協力してもらうつもりでいた分の報酬はかなり減額されている。

最初の交渉の分だけだから、多くても1割以下だな、奴に渡せるのは。


アーディが羨ましそうに見ていたが、この依頼を受けた時にいたギルディートはともかく、お前には関係が無いだろう?

それとも、こいつが付いて来た意味って・・。


「もしかして、お前、ギルディートの代理的な役割だったりするのか?」


「今更かよ?!だが、残念な事に何も言われてぇんだよな。」


素直か!!まぁ、下手な事をすれば、冒険者としての信頼に関わるし、ギルディートとの友情にもひびが入るもんな。

それにしても、アーディは何で付いて来るんだ?


「なんでここにいるのかしら。」


マリッサさん?!てっきり、アーディと仲良くやってるから、普通にPTの扱いをしてるのかと思っていたよ!


「ひでぇな!俺もギルディートと同じ、速度重視の前衛だ。

知らない仲じゃないし、奴の穴を埋めてやろうと思ってだな・・・。」


奴はそもそも模擬線をやりたいが為に付いて来てただけであって、募集した訳じゃないんだよな。

だから、穴を補うとしたら前衛としてではなく、会話のテンポとかマリッサの抑え役とか、そういうポジションなんだが・・。


「・・そういう意味では全く使えないんだよなぁ。」


「おい、考えが口に出てるぞ。使えないってどういう意味だよ?!」


どういう意味も何もなぁ・・。

口を開けば生意気、放っておけば歌を歌い、部屋で休めば覗きに来る。

正直、一緒にいてメリットの無さそうな人物である。


「前衛は間に合っているのよ。リフレに常識を教えられる人ならいいのだけど、貴方はあまり常識が無いから・・・。」


「いや、ギルディートだって似たようなもんだろ?!」


おい?俺の常識はそこまで酷いのか?

いや、この世界の住人であるアーディよりマシなんだから大丈夫か。


「ギルディートは自分で線引きをしていくタイプだけど、貴方はその場の雰囲気に乗っかるタイプだから、リフレと一緒にしておくと、どこまでも脱線していきそうで怖いのよ。」


「こいつって、そんなに非常識・・・・・・ ああ。・・大丈夫だ、俺にだって乗れない波はある。」


脱線って何だよ?常識からって事?

「こいつって、そんなに非常識だったか?」とか言おうとしたんだろ?最後まで言えよ。

「ああ。」って何だ。何に納得したんだ?お前に非常識って言われる覚えは無いぞ。


「とにかく、貴方の目的が分からないから、同行するにしても話を聞かせて欲しいのよ。

くだらない理由でも構わないわ。いつまでとか、どこまでとか。

なんとなくで付いて来られても、こっちの居心地が悪いのよ。」


うんうん。今更という感は否めないが、マリッサの言う通りだな。

最近、よく分からない敵ができてしまったのもあるし、ここは慎重にいかないと。

アーディとしては、歌でいくら稼いでいるのか知らないが、歌が無ければ赤字の筈だ。

狩りにも行ってないし、今回の依頼だって、俺達と一緒に行動してなくても受けられた訳だし。

以前、「おいしい思いができそう」とかほざいていたが、どう見てもいい思いはしてないしな。


「俺って、冒険者として活動してるけど、実際は吟遊詩人な訳よ。

色んな歌を作って歌いたいんだけど、なかなかいい題材が無くてな。

でも最近は退屈しないどころか、面白い事ばっかりだからな。

ネタに事欠かないというか、書いても書いても間に合わないんだ。

だから、金が無くなるかクランの召集が掛かるまでは、こうしていたいかな。」


吟遊詩人が本業かよ!ってか、明らかに俺をネタにしてるよな?

これ以上、変な歌を作られても困るんだけど。・・今すぐ摘み出すか?

結局、いつまで一緒にいる気かとか、詳しくは分からなかったが、気ままな感じみたいだな。

大事なところがよく分からないままじゃねーか。


マリッサは、少し考えてから深く頷いた。


「貴方の立ち位置は分かったわ。これからもよろしく。アーディ。」


「へへっ、こちらこそ。だぜ。」


わかっちゃうの?これからもよろしくしちゃうの??それでいいの?

なんか握手をして、流れでこっちにも来たので、差し出したと見せかけた手でそのままチョップした。

何故お前と握手なんぞしないといけないんだ?


「お前は部屋を覗きに来るし、変な歌を作って広めるし、俺の天敵だ。

歌う自由を奪う気は無いが、俺のプライバシーに踏み込む奴は認めん。絶対に認めん。」


そういう理由である。

お前ら、楽しそうだけど、割と真剣に俺は言ってるんだぞ。

かなり本気でなんとかして欲しい。


おい、そこのギルマス。微笑ましいような顔して見守ってんじゃねぇ。

ここに必要なのはツッコミだろうが。おい。

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▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
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