表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
200/430

水浴びと休憩

あー、びっくりした。

あんな風に飛び散った溶岩で、周囲のフォンダンロックがアクティブになるとは思わなかった。

ゲームの時には無かった仕様だ。

どうやら、ダメージ判定もしくは一定ダメージでアクティブになるようだ。


それにしても、あそこは巣か何かだったんだろうか。

ものすごい数のフォンダンロックだった。

とはいえ、体積にしたら微々たる物だし、すぐに冷えて固まるだろう。

・・・固まるよね?誰かがあの飛び散った溶岩の上に座ったりとかしなければいいんだが・・。


ちなみに、アーディはドロップアイテムを収集しようとして火傷してた。アホである。

軽い火傷ならばいい薬なので放っておくが、割とえぐい火傷をしていたので、万能薬で治療した。


「ささくれ切った俺の心を、水の流れが癒してくれる・・・!」


「いいからさっさと洗え。暗くなるぞ。」


日はだいぶ傾き、現在コランダのだいぶ川下で水浴びをしている。マリッサには上流を譲った。

川がほとんど真っ直ぐなので、パーテーションの意味があまりないが、うまく使ってくれ。

俺は危険人物アーディを見張っている。


石鹸も貸し出したが、こいつ、川に落としやがるんだもんなぁ・・。

流されて転がっていく石鹸をなんとか回収したが、反省してる様子はないな。

こいつには高級品は貸さない方がいいだろう。


スザクはトイレと自主的にレベル上げをしているようだ。

フラウワをめちゃくちゃ食ってるあたり、ただの食事なのかもしれないが。

・・・うまいのかな?


さて、スザクを呼んで、出発する。

岩石地帯で走ってくれたおかげで、水浴びの時間を含めても完全に暗くなる前にコランダに着けるかもしれない。

夜を予定していたが、なかなかいいペースだ。


「・・・少し休まないか?」


今、休んだだろ?と思ったが、水浴びは休憩に入らないらしい。

そういうもんかな?


「結局、そのフォンダンロック?のせいで、休憩をしそびれたし、私も少し休みたいのよ。」


コランダはもうすぐそこみたいなもんなんだが、多数決で敗れてしまったので素直に従う。

そうでなくても、俺は疲れに疎いみたいなので、気を付けてやらないといけないしな。


「・・・何か、こう、摘めるものは無いのか?」


「調子に乗るなよ?」


ご褒美というやつは、ちゃんと言う事を聞く良い子に与えるものであって、いつ何をしでかすか分からない悪ガキ・・それも盛大に悪戯をやらかした直後にくれてやるもんではない。

少なくとも、俺はそう思っているので、水を飲みながら冷ややかに返答する。


コランダに付いたら、ゆっくり飯を食うわけだし、今ここで腹を満たす必要性を感じないしな。

うん?マリッサが何か言いたげに見上げてくる。どうしたんだ?


「悪かったのよ・・・・。リフレの忠告を・・・『危険』を舐めていたわ。

貴方が『死ぬ』なんて言うのだから、相当よね。ごめんなさい。」


ハッとしたようにアーディもこちらを見る。


「あ、俺も軽率な行動をして悪かった。」


「本当にな!!!」


マリッサはそこそこ重い口調なのに対して、アーディは軽過ぎた。

本当に悪かったと思ってるのか?こいつ。


謝罪は受け入れるが、今後、人の話は聞く事と、理由が知りたかったら説明を求める事、そして、行動に移す前に相談する事を約束させた。

まぁ、その約束も相手に反省の気持ちや、守るつもりが無ければ意味を成さない訳だが。


「・・・・・・。」


「・・・なんだ?そんな物欲しそうな顔をしたって何も出ないぞ。

コランダの宿の飯はなかなかのものだからな、ここで腹に何か入れるのは勿体無い。」


俺がそう言うと、アーディは不服そうであったが、マリッサが妙に嬉しそうにしていた。

女将おかみさんはマリッサの母親だからな。親の料理の腕を褒められて悪い気はしないのだろう。

てか、アーディはオヤツが欲しかっただけだろ。今日は絶対にやらんぞ。


「・・・飯代が高く付いたりしないのか?」


不憫なレベルではないにしろ、アーディも案外、節約家である。

いや、もしかしたら、この世界の冒険者は皆こんな感じなのかもしれない。

事実、これまで装備に金を掛けている冒険者を見た事が無いのだ。


「安心しろ。手間がかかった分、値段が張るメニューも無いではないが、適正価格だ。」


「お前の適正価格が信じられるかよっ?!」


酷い言い草である。ちゃんと市場調査を行った上での結論だ。

飯については、色々な店で食っている分、価格の統計が取りやすい。

そして、今まで寄った店の価格を振り返ってみても、特に逸脱した価格だとは思えない。

どちらかというと良心的な価格なのではないだろうか?


これについては、俺よりもマリッサの方が詳しいだろう。

いつもなら「ウチは適正価格よ」とか言っていてもおかしくない。

が、妙に静かなのが気になって振り返ってみた。


「うーん、アーディに物申したい気持ちはあるのだけど、アーディの気持ちは痛いほどよくわかるのよ・・・。」


だから、それちょっと酷くないですかね?!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▽お知らせ▽

◆高頻度で最終ページ《(仮)タイトル》は書き込み中。
加筆・修正により、内容が倍以上増える事があります。
たまに前ページの内容を見て加筆する事もあります。

◆後追い修正の進行状況:現在152ページ。H.30 5/5

◆作者が混乱してきたので、時間がある時にタイトルに日数を入れます。
あとがきに解説も入れていくつもりです。いや、無理かもしれん。
がんばるー(棒読み)

▽ぼやき▽
3月には書き終えるつもりだったのに、5月になってもまだ序盤ってどういう事だ?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ