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雑文ラノベ「異世界はもうこりごりだ」  作者: ぽっち先生/監修俺
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この世界についてくろ様より教えてもらう

「ではこの世界について説明しよう。」

「お願いします。」

「基本的な地形や気候はお主の世界と一緒じゃ。だからお主の世界の地図がそのまま使える。」

「ほおー。」

「住人は母神さまがおひとり。子神たちが現在3億6500万柱くらい。毎日ひとりづつ増えている。」

「あのぉ、母神さまとは?」

「質問はするな。後で詳しい説明書が届くからそれを読め。」

「はあ、解りました。」

ならなんで今説明するんだろう?あっ、俺が聞いたからか。

「我も子神じゃ。後はお主の様に異世界から召還された者が10万人くらい居るかもしれん。」

「ほぉ、10万人。」

「子神は死なない。正確には死んでも復活する。」

うへぇ、ずいぶんな能力ですこと。

「後、子神には性別はない。ただ便宜上、男のフリ、女のフリをしている。」

ええぇ~っっ。くろって女の子じゃないのかよ。でも男の娘っていう訳でもないのか。


「ここ5千年ほどは人間の真似をするのがブームでな。色々人間の真似をして遊んでおる。」

あれは遊びかよ!ならとっとと元の世界に返しやがれ。・・と、心の中で突っ込む俺。勿論態度には出さない。

「最近は人間の創作物である物語の設定を再現して遊ぶのが人気じゃ。」

「因みにここは「仮想戦記」エリアじゃ。でも他の設定も混ざっている。」

「わしらは真似は得意なんじゃが創造性が無くてな。新たな事象を創造できるのは母神さまだけじゃ。」

「よってこの世界では貴様のいた世界の常識と環境しか再現できん。」

「あ~、子神さまは新発見や新開発ができないんですね。」

「そうじゃ。思いつきもせん。」

「だが、ある時から状況が変わった。今ではなんでもアリアリだ。この世界に不可能なことはほぼない。」

「そりゃまた、なにがあったんです?」

「ちょっと前までは人間の真似だけをしていたのだが、ある時を境に人間の創作物の内容を真似るようになったのだ。」

「人間の創造に限界はほぼない。というか最近はインフレぎみで歯止めが効かぬくらいだ。」

あ~、そうね、禁断の果実をかじっちゃったからね。産めよ、増やせよ、想像せよだ。

「創作物の中には人間がこちらの世界にやって来るものもあってな。今、人間の召還がちょっとしたブームなのだ。」

人間をお前らのお遊びに巻き込むな!と俺の心の叫ぶ。もちろん口には出さないけどね。

「現世から召還された者は、多大な力を授かる。・・こともある。しかし力の行使には何かしらかの義務を負う。・・時もある。」

さっきの文様がそれなのかなぁ。でも義務は嫌だな。

「そして多くの場合、召還された者には守護役として子神が任命される。」

「ついでに言うと我がお主の守護神となる。」

「身に余る光栄です。」

「うむっ、泥舟に乗ったつもりでいるがよい。」

それじゃだめじゃん。

「あの、もしかして皇帝陛下からのご褒美云々というのは実はくろ様の設定とか言うことは・・。」

「最上位機密事項だ。」

このヤロー、絶対図星だな。こいつ、俺を使ってただ遊びたいだけだ。

「子神はそれぞれ管轄エリアを持っている。まぁ、中には持っていない者もいるが、子神の中では下に見られる。」

「ただこれも人間の真似でな、実際はさほど気にしておらん。気にしておらんが・・気にしておらんぞ。」

どっちなんだよ。歯切れが悪いな。

「子神は生まれた時にひとつ宝玉を母神さまより頂く。というか母神さまがお生みになった卵が宝玉だな。」

「これとは別に仮玉というものもある。けどこれは人間の世界の借金というもののマネで実体はない。

しかし子神間では宝玉と同等ということになっておる。今のところはな。」

「実は誰が最初に踏み倒すか賭けの対象になっていてな。我は経済右肩上がり軍第7師団長「日ノ本財団」にスーパーシトシ君を賭けておる。」

なんか俺の所属している国のことを言われたみたいで少しムッとする。

「後は説明書を読め。」

「わかりました。因みにその解説書って「この世界の理~難しくて読みきった者がいないのが自慢~改訂版」じゃないでしょうね。」

「違う。タイトルは「この世界の解説~改定、改定で内容が破綻しているのが自慢~改訂版」だ。」

うわぁ~。


「そういえばくろ様、もうひとつ聞きたいことがあるんですけど。」

「なんじゃ。」

「子神さまの名前に二つ名が多いのは何故なんですか?」

「あ~それはだな、子神は現在3億6500万柱いるんだが同じ名は付けられん。」

「だから新たに生まれてくる子神はすでに生まれている子神と名がダブらないように色々考えて名を決める。」

「フランソワとかアリスとかのカッコイイ名はすでに使われておるのでダメだ。」

「我も本当ならアンソニーとか影丸とかアムロとかミンメイとかハニーとかサクラとか、とかとか・・にしたかったのだが・・。」

くろは延々と100くらいのアニメキャラの名前を挙げた。

う~ん、全部見当がつく俺も相当あれだな。

名前に関しては成る程、ネットワークの個人IDと一緒か。しかも子神達は死なないから早いもの勝ちなのね。

俺は話題を変える。

「早いもの勝ちですか。そういえばくろ様は何番目の子神さまでおいでなのですか?」

「我は3億3333万3333番目じゃ。」

「あっ、すごい。ぞろ目ですね。」

「ふむっ。我の自慢ランキング33番目じゃ。」

「自慢ランキング!しかも33番目がこんなすごい事となると1番目はさぞかし・・。」

「ふふふっ、知りたいか?」

「いやもぉ、ぜひとも。」

「しょうがないのぉ、特別じゃぞ。」

「ははっ、有難き幸せであります。」

「我の自慢ランキング第1位は「○○○○」じゃ!」

しょぼ・・。価値観の差なんだろうか?


「俺、じゃない、私の名前もすでに使われているんですかね。」

「あー、どうであろう。もし使われていたら改名する必要があるな。

もしくはその子神と勝負して名前を譲り受けるかだ。」

「そんなことができるんですか?」

「召還された人間限定の特別ルールじゃ。」

「どれ、ちょっと調べてみよう。」

くろがパチンと指を鳴らすといきなりノートパソコンが宙に出現した。

くろは鮮やかなブラインドタッチでキーボードを操作する。

「おおっ、ブラインドタッチ!」

「ふふふっ、紅三角商事の事務方おーえるの秘伝じゃ。」

自分で会得した訳でもないのに自慢するなよとは口が裂けても言わない。

「して、結果の程はどうですか?」

「うーん、何でじゃろ?」

「何か問題でも・・。」

「使われておらん。」

「はっ?」

「お主の名前は誰も使っておらなんだ。初めてじゃな、こんな事は。」

人気無いんですね。俺の名前・・。でもそんなに珍しい名前でもないんだが。

「まあ、よいか。イベントがひとつ減ったが、こうゆう事もあろう。

我としてはふたつ桁派辺りとダブっていたら面白かったんだが。」

「くろ様、お戯れを・・。因みに減ったイベントって何だったんです?」

「貴様の改名会議だ。3日くらい楽しめたかもしれんのに。残念だ。」

そうね、結局あんた達にとっては遊びだからね。楽しければいいんだ。

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