表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑文ラノベ「異世界はもうこりごりだ」  作者: ぽっち先生/監修俺
1順目
3/99

大きいつづら、小さいつづら。あれもうひとつあるよ。

「では陛下よりの褒美を決定する。3つの中から選べ。」

「ははっ。ありがたく頂戴いたします。」


「ひとーつ。労働する権利。」

「ふたーつ。学習する権利。」

「みーつ。探求する権利。以上だ。」


権利??今、権利って言ったよね。ご褒美って物じゃないんかい。

しかも「労働する権利」「学習する権利」「探求する権利」だぁ~。

こちとら生まれた時から3点セットでお上から押し付けられているわぁ。

物ならダブってもうれしいこともあるけど、権利はなぁ~。

何かをやらかして、お上からお前の労働する権利を剥奪するなんて通達されても

「えぇ~、そんな殺生な。あっ、でも、皇帝陛下からもうひとつ頂いているからだ・い・じょ・う・ぶ。えへ。」

なんてことを言う機会は絶対ないしな。

そもそも「労働する権利」「学習する権利」「探求する権利」ってご褒美になるのか。

この世界の人たちは働くことに喜びを感じるのか?

勉強したくてたまらないのか?

探し物をすることを禁止されているのか?

わからん。これが俗に言うカルチャーショックというやつか。


俺はダメ元で聞いてみる。

「あの、女の子にモテモテになる権利とかはないんですか?」

「ないな。」

「お金持ちになって不自由ない生活を送る権利とかは?」

「ないな。」

「公務員になって安定した人生を送る権利とかも・・」

「ない。」

だよねぇ~。


「すいませんが私、勉強不足で陛下がくださるという権利についてよく知りません。ご説明いただけますか?」

「そうか?読んで字のごとく、そのままの意味なんだが。まあ、いいだろう。」


「ひとーつ。労働する権利とは。」

たゆまぬ修練により己が技能を磨き、ゴミ虫のようにただ黙々と上位階級にその身を削って貢献することなり。

ポジションは剣士:ノルマは、勇者の盾となり華々しく散ること。もしくは宝玉4個。


「ふたーつ。学習する権利とは。」

過去の先達たちの業績を習得し、いまだ知られていない未知の魔法の発見、開発に己が全ての時間とスキルを持って尽力することなり。

ポジションは魔術師:ノルマは、勇者を庇護し自分を犠牲にして人知れず散ること。もしくは宝玉5個。


「みーつ。探求する権利とは。」

まだ見ぬ丘の向こうを夢見て、己が能力と幸運によって万難を廃し、あらゆる犠牲を厭わず邁進し結果を出すことなり。

ポジションは勇者:ノルマは世界の征服。もしくは宝玉3個。


「以上だ。」

ぜ!ん!ぜ!ん!違うじゃねーかぁー。

あぶねぇ、ここの人たち言葉の使い方が間違っているよ。意味が変だよ。

もしかしてこっちは褒めたつもりが相手は罵倒されたとかになっていたかも知れないよ。

大体なんで社会参加従属権利とダンジョン冒険参加者ポジションが一緒なんだよ。理解できないよ。

あと宝玉ってなに?なんで勇者が一番少ないの?

ダメだ。中途半端な日本語を話す外国人との会話よりダメだ。


「で、貴様は結局どれにするのだ?。」

俺が心の中でダメ出しをしていると軍服少女くろが聞いてきた。

「えぇ~っと、では探求する権利で。」

「うむっ。さすがは「極黒のゴキ」を一撃で倒した者だけはある。勇者ポジションを選択するとはあっぱれだ。」

だって他のふたつは哀れすぎるだろう。

なんだよゴミ虫って。なんだよ自己犠牲って。赤の他人の為になんでそこまでしなきゃならんのだ。

私、ネット環境を自前で持ってないので月1回のネカフェでの予約投稿になります。

ご質問や感想へのリアルタイムでのお返事は叶いませんのでご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ