血清探しの旅にレッツラゴー
「して、血清は何処に?」
「お主が行きたがっていた架空幻想エリアの勇者と冒険とワイシャツ部門じゃ。」
「くろ様、私、先の帰還にて勇者は卒業したのですが。」
部門名が某シンガーソングライターのタイトルをもじったであろう所はスルーする。
ってゆうかワイシャツしか合ってないよ。位置も違うよ!
「今度は魔術師でもやればよい。我はやっぱり魔王かのぉ。」
「そんな事言って、くろ様、管轄エリアから出たがらないじゃないですか。」
「ぬふふふふっ、実はお主が帰った後、我と極東軍第7師団長「山本すごろく」や新大陸軍第7師団長「あいあむナンバーワン」との死闘がわーるどわいわいうえーぶで評判になってのぉ。」
「はぁ?」
「ついでにお主の自分探しの旅も好評じゃ。」
「それはどうも。」
「ついには皇帝陛下のお目にとまり褒美として666年間管轄エリアの安泰を保証してもらったのじゃ。」
「おおっ、それはすごい。」
あれ?皇帝陛下って本当にいたの?くろの設定だとばかり思っていた。
「これで我は縄張りの憂いなく遊びまくれるのじゃ!」
あっ、こいつ自分で縄張りって言っちゃったよ。せめて領地くらいにしとけよ。
「我が調べたかぎりでは血清はドラゴンポールという棒を七つ集めて「しゅんぽん」というドラゴンに頼めば調合してくれるらしい。」
ボール(玉)じゃなくてポール(棒)か、うん、ぎりぎりセーフかな。
「町の薬局では扱っていないんですか?」
「この世界の薬局は薬事法の認可を取っていないから何が出てくるか分からんぞ。」
もぐりかい!
「で、ドラゴンポールはどこに?」
「各地のダンジョンの入り口にある「ガチャガチャ」という宝箱に入っているらしい。」
今回は設定が甘いな。くろはもう少し凝った設定をするから今回のことは本当に事故だったのかもしれん。
「ここから一番近いダンジョンはどこですか?」
「あうしゅみっつダンジョンが一番近いがここは止めといた方がいいだろう。」
今回はすごいネーミングセンスだな。もう少し穏便に行こうぜ。
「なぜです?」
「昔、我の眷属が暴走してここら一体を焼き払ったことがあってな。暴走した眷属は吊るしクビにしたんだが許してくれん。」
「あららら、それは・・。」
そうなんだよなぁ、やられた方は忘れられないんだよ。うん。
「それじゃそこはダメですね。わざわざ面倒を起こすことも無いでしょう。」
「そうじゃのう、まぁ、あと千年もすればあやつらも忘れるじゃろうからそっとしておこうかの。」
いや、多分忘れないよ・・くろ。
「後は○○○と○○○じゃが、ここもちと行きずらいのぉ。」
くろ、お前過去に相当ひどいことしまくっただろう。悪いことは言わんから謝っておけ。
やんちゃなんて言葉は社会に出たら通用しないぞ。
「くろ様、いっそのこと遠くへ行ってみるのはどうですか?折角管轄エリアの心配をしなくて良くなったんですから。」
「おおっ、そうじゃった。忘れておった。我は今自由じゃ、フリーンダムなのじゃ。」
くろ、お前外国人設定なのに外国語を間違えるなよ・・。
「となれば行き先は決まったも同然じゃ!」
「良い所があるんですか?」
「うむっ、世界のダンジョンの始祖的存在。アキハじゃ!」




