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雑文ラノベ「異世界はもうこりごりだ」  作者: ぽっち先生/監修俺
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帰れる!

「大丈夫だ、我も宝玉はふたつ持っておる。」

「へっ?」

「この宝玉は我から貴様への貸しじゃ。」

「まぁ、向こうの世界で失敗したらいつでも戻って来るが良い。」

「おおぉ、うっ・・」

くろ様のお優しい言葉に体を震わせながら感動で言葉がでない。という感じを演出する俺。

何が貸しだ!。宝玉を無くしたのはお前のせいだろうがぁ!。・・などという態度はおくびにも出さない。

くろ様が差し出した宝玉をありがたく頂き、宝玉袋にしまう。

挨拶無しでとっとと帰りたい所だが最終イベントの手順はちゃんと踏まないとな。

「ではくろ様。名残惜しくもありますが私はこれで失礼いたします。」

俺は片膝をついてくろに頭を垂れる。

「うむ、大儀であった。勇者の名は後世まで語り継がれるであろう。」

くろが俺からの礼に答える。よし!イベント終了だ。元の世界に帰るぜ!

とその時。

「勇者の帰還を祝し礼砲88発!」

くろが宣言するといきなり4基の88ミリ砲が現れ空に向かって実弾をぶっ放し始めた。

あぁ~、実弾はヤメテ。空砲にしてぇ。こうゆう時は絶対ドラゴンが空を飛んでいるからぁ~。

俺の心の声は爆音にかき消され空は多数の爆煙で埋まっていく。

ぐお~、すげーな88ミリ。よく生きて帰れたな第8航空団。これならドラゴンも只ではすむまい。

あっ、なんか今日は上空の風が強いな。だとすればドラゴンも飛ばないかも。

強風で吹き流されてゆく爆煙を見て少し安心する俺。

「引き続き、航空隊による観空儀礼!」

ぎょえ~、まだ続くの?

「くっ、くろ様、私ごときにこれ以上の儀式は不相応です!。」

俺は慌ててくろを止める。

「そうか?さすがは勇者じゃ。謙虚じゃの。」

そういいながらもくろはまだ何かやりたそうにしている。

「では、くろ様お元気で!」

付き合ってられん。俺は早く帰りたいんだよ。

「うむっ、一度あったことは二度、三度と続くからな。向こうでも気をつけるのじゃぞ。」

嫌なことを言うヤツだ。

俺はくろの気が変わらぬ内にと、急いで集めた宝玉を両手で仰ぎ呪文を唱えた。

「宝玉よ、俺の願いを叶えよ。」

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