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雑文ラノベ「異世界はもうこりごりだ」  作者: ぽっち先生/監修俺
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ノルマ達成!でも齟齬が生じて無効判定

登頂に成功した次の日、俺は書類を作成し「世界征服認定機関ネーフル」に申請した。

ちなみに世界一認定委員会は世界征服認定機関ネーフルの下部組織ではあるが、世界一認定委員会の認定と推薦がないと世界征服認定機関ネーフルは審査ができないそうだ。

なんで二つの組織があるのかよくわからん。


書類をメールで送ってしまうと後は待つだけなので俺はくろとおしゃべりをして待つことにした。

「あんな世界一でも世界一認定委員会の認定が取れてよかったのぉ。」

くろがからかってくる。

「うるさいですよ、くろ様。世知辛い世の中ですが、分かる人には判るものなのです。」

「うむっ、確かに審査官も途中から俄然やる気を出していたからのぉ。」

そう、世界征服認定機関ネーフルへの申請はメールなのに世界一認定委員会への届け出は直接の手渡しだった。

しかも審査はその場で行われ10分くらいで即決である。これにはちょっと驚いた。

まぁ、俺も事前に世界一認定に関する規定書をくまなく読んで必要事項は全部揃えていたので自信はあったが即決されるとは思わなかった。

「やはり私の実直な情熱に心を打たれるものがあったのでしょう。自分で読んでも感動的な報告書でしたから。」

「うむっ、やはり役人には袖の下が一番じゃ。」

くろは俺がひたすら隠していた事をぽろっとばらす。

実は報告書の3枚目にちょっとした贈り物を挟んでおいたのだ。だって規定書にそうしろと書いてあったから。

しかし、慣例とはいえ釈然としないぜ。


数時間後、メールで審査結果が送られてきた。

早いねぇ。とてもお役所仕事とは思えません。

「おっ、やっと来たか。相変わらず遅いのぉ、これだからお役所仕事などと嫌味を言われるのじゃ。

悪徳企業を見習え。あそこは3秒で返事が来るぞ。」

くろ、これでも十分早いよ。あと悪徳業者は自動返信だから。アドレスだけ保管して内容見てないから。

俺は期待に胸を膨らませメールを開封する。

結果は「認定不可」だった。

愕然とする俺。だって福島県の○○○さんは認定されたじゃん。なんで俺はダメなの?なんで?

だが俺は認定不可の理由説明欄を読んで納得した。

そこにはこう書いてあった。

「申請された山は、すでに旧大陸軍第7師団長「紅玉のくろ」氏により登頂されております。」

俺は思い出した。完成した小山の上でペタペタと山頂を固めて遊んでいたくろの姿を・・。

くろ、てめぇ~。お約束なことをしてんじゃないよ。


やっぱり楽して結果を求めちゃダメなのね。とほほ。

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