表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【習作】描写力アップを目指そう企画  作者: 描写力アップ企画管理者
第一回 ヒトメボレ描写企画(2017.3.25〆)
14/268

 (151A 作)

 ジンッと指先が痺れた。


 掴んでいるノブの向こうから勢いよく電流を流されたかのように感じて思わず反射で手を放す。

 安いアパートやマンションありがちな金属製のドアはまるで瑠璃色の地球に恋でもしているのかと疑いたくなるほど、深く、深く丁寧に色を重ねられていた。


 そのドアの向こうから驚いた顔を覗かせているのはどう見ても若い女性で、大学に入って知り合った友人の家を訪ねてきたはずの僕もきっと同様の表情をしているに違いない。


 間違えた――――?


 謝罪しようにも、言い訳をしようにも言葉が出てこない。

 簡単な単語すら頭の中になにひとつ浮かんでこないのだから日本男児として情けない限りだ。


 彼女が困惑気に眉を下げて首を傾げると、昼下がりの太陽を受けた淡い茶色の髪がふわりと揺れた。

 大人びた顔立ちをしているのに少し半開きになっている唇のふっくらとした柔らかさや、スカートの裾から覗くピンク色の膝がどこか幼さを感じさせる。

 更に白い肌に残る日焼けの跡が大きく肩を出した上着から見えてドキリとした。


 そしてなにより。


 色とりどりの魚たちが泳ぐ南国の青い海のような――いや、流星が美しい紺碧の夜空のような、はたまたどこまでも高く澄んだ空のようでもあるその瞳の煌きに目を奪われた。


 一瞬で。


 言葉も無く、ただ彼女を美しいと純粋に思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ