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序章ー戦乙女(ワルキューレ)が眠るまでー
これは世界に2つの大陸と、多数の国家があった時代の話。
世界はアルトリア大陸とバリエステス大陸に分かれており、それぞれの大陸には土地を生かした産業を行う国家が多数出来上がり、それぞれ大きな諍いも無く発展していった。
しかし、200年後。2つの大陸の内、アルトリア大陸は大きな戦禍に巻き込まれる。アルトリア大陸最大国家・アルトリア公国に対し周囲の小規模国家凡そ20国家程が同盟を組み、アルトリア公国包囲網を形成。その戦争は熾烈を極め、それでもなお1人の女騎士の活躍によりアルトリア公国は勝利を収めた。
それから更に50年。
国家最大の戦争となり、その戦争を終結させ公国に多大な貢献をした女騎士は戦乙女と崇められ、その遺骨を大陸の中でも一際景観の良い丘に埋葬された。
その偉業は250年経った今でも公国に響き渡り、彼女の武勇伝を知らぬ者など居なかった。ー