ボケたお爺さんが自称神様とか言ってきて困る
、、、あれ?ここどこ?
確実に死んだと思ったんだが、、、体は動く。てかどこも痛くねーな。なんで?
気がつくと俺は見知らぬ場所にいた。なんか真っ白。壁も天井も柱も。驚きの白さ。某死神マンガの背景くらい白い。
「お目覚めかね、若いの」
唐突に聞こえてきた声に、顔を向けると見知らぬ爺さんがニコニコしながら立っていた。
俺が何を言おうか迷っていると爺さんが先に口を開く。
「時間もないので話を進めさせてもらうがよいな?
あー、信じがたいかもしれんがワシはお主らの住む世界の神様じゃ。まず、お主らは死んだ」
やべえ、どっちから突っ込んでいいかわかんねー。
「本来はそのまま成仏させるはずじゃが他所の世界の神様から依頼があっての?強い魂が現れたらこちらの世界に転生させて欲しいとな。」
おぉ、めっちゃ話進めだしたな。つかなんか小説とか、マンガみてえな話だ。
てかこの爺、完全にボケてんな、可哀想に。家族はいねーのかな。1人で出歩かしたらいかんよ。
とりあえず適当に話合わせて帰らせてもらうか。
「神様だって?転生てどういうことだよ!俺はどうなっちまうんだ?」
なかなかの演技派だな、俺。
「落ち着きなされ、若いの。悪い話ではないぞ?
先もいったが、お主の魂は強い。故に強力な存在として向こうの世界に転生させることができるのじゃ。
向こうの世界は、こちらとは全然別物。魔物と呼ばれる化け物が蔓延り、人はそれらと剣と魔法を用いて日々戦い続けておる。まさにファンタジーじゃな」
長い顎髭をなぜながら笑う自称神様。
ジジイ、まじで大丈夫?ゲームと現実混ざってるじゃねーか。早く終わらせよーか。帰りたいしね。
「まじかよ、ワクワクしてきたぜ!早いとこ転生させてくれよ!どーすればいいんだ?」
俺も悪のりしすぎかな?こういうのは話を合わせるのが一番手っ取り早いんだよ。さてどーなる?
「話が早くて助かるぞ!では只今より転生の儀に入る。汝、松岡将吾。望みを言え!如何様な姿を望む?はたまたどの様な力を望む?一つだけじゃが儂からの餞別じゃ!遠慮せず言うが良い」
ほー、凝ってるな。ちょっと面白くなってきた。相手爺さんだしな、もう会うこともねーだろーし。俺が秘かに抱いていた夢を言っちゃおうかなー
「俺、ロボットに『乗りたい』!んでドラゴンとかのでっかい化け物と戦ってみてーな!」
うお、口にだすと恥ずかしいな。ガキみてーだ。
しかし、自称神様は真剣な表情でふむふむと、頷いていた。少し何かしら考えた様子を見せた後に口を開く。
「よし、わかった!お主の望みは叶えよう!詳しいことは向こうの世界に行ってから確認してくれ。ではお主の旅に神の加護を!」
そう言い終わると同時に俺の周りが青白い光に包まれ激しく渦を巻きだした。少しずつ俺の体が粒子状に分解されていく。
おお?ナニコレ?あ、夢か。夢だったのか。じゃねーとおかしいもんな。そう考えながら俺は意識を再び失った。
誰もいなくなった部屋で神様は1人呟く。
「しかし、変わった願いを言うヤツじゃったなあ、、ロボットに『なりたい』とはなー」
次回、ようやくお話が動き出します!
まさかの聞き間違いで転生してしまった松岡の運命は?