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ヤンキー、ロボになる。  作者: 酷使夢想
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オタクデブとプラモと屋根。

店の自動ドアをくぐり、店内奥を目指して早足で歩く。その先にカウンターがあり、そこには1人の男性店員が座っていた。ボサボサの髪に無精髭。不摂生の賜物ですと言わんばかりの肥満体。誰がどうみても良い印象は受けないだろーな。

今もポテチ食ってるし。てめー仕事中だろーが。


そんな店員が俺に気づくと片手を上げて嬉しそうに声をかけてくる。


「やーショウちゃん。来たね。相変わらず目付き悪いねー」

「おー、ケイ君。相変わらずオタクデブだな、また太ったんじゃね?」


いつもの軽口を叩きあった後に笑い合う。

こいつは俺の幼なじみ、伊集院 慶十郎

すげー、名前だが見た目はただの、オタクだ。


「今、失礼な事を考えただろ」


ケイ君がジト目を向けてくるがそれをスルーして本題を切り出す。


「で、ブツは?」

「いや、ブツて言い方はやめてよ、、、」


苦笑いしながらケイ君が一つの箱を渡してくる。それを受け取ってパッケージを確認し歓喜の声をあげる。


「おお!これだよ!1/100限定版マグナカイザー!」


そう、俺が急いでいた理由はこれだ。大好きなロボットアニメの主人公ロボットのプラモ。数量限定で何処にも置いていなかったのだが、ケイ君がツテで手に入れてくれたのだ。


「しっかし、意外にも程があるよね。県内最強のヤンキー、松岡将吾がロボット大好きで、趣味プラモ作りとかさ。今まで君が倒してきたヤンキー達が聞いたら卒倒しそうだ」


笑いながら再びポテチを食べ出すケイ君を見ながらフッと笑う。これは俺とケイ君だけの秘密。

てか、他のやつには絶対に知られたくねーしな。

その日は早く帰ってプラモを作りたかったけどケイ君がずーっと喋りやがるから、結局閉店時間まで過ごす事になった。ケイ君シバく。



すっかり暗くなってしまった。夕方は賑わっていた商店街も人通りがまばらになっている。

相変わらず隣で喋り続けるケイ君に適当に相づちを打ちながら帰路を急ぐ。


ちなみにケイ君とは家が隣だ。あー早く作りてぇなー

組み立てを想像するだけでワクワクしてくる。

趣味があるてのは良いことだ。

毎日ケンカばっかじゃ心がすさむ。俺にとってプラモは心のオアシスなのだ!え、キモい?いや、んなことはない。人それぞれなのだ。


そんな事を考えていた時、異変は起こった。何やら上の方でバキバキと何か折れる音がする。

なんだ?とケイ君と顔を合わせた後に音がした方に目線を向けると、とんでもないことになっていた!

老朽化していたのか商店街のアーケードが崩れて俺達に向かって落ちてくるではないか!


「あり得ねぇ、、、」


轟音を響かせながら眼前に迫る巨大な物体を前にやけに落ち着いているのが不思議だったな。

そこで俺は意識を失ったのだった。

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