プロローグ
※今回は現代のお話です
「ツモ、2000,4000の1枚です」
現在南3局、このツモで自分の持ち点は28000点の2着になり次局オーラス親番でトップ目は34000点か。
このゲームで勝たないと、今月の給料がヤバい――
21歳大学2年生。麻雀の世界にどっぷりハマってしまい、去年この雀荘でアルバイトをはじめてから大学にもいかなくなり結果留年。
いわゆる限界大学生の俺は、11月30日の21時45分今月の出勤最終日、仕事をアガる15分前に今月の給料がマイナスになるかならないかの崖っぷちにいる。
この満貫のツモアガリでなんとか2着目まで上がってきたが、トップにならなければ今月の給料はマイナス確定だ。
しかしこの卓は常連のお客さんばかりで、普段カモとしか思われていない俺がトップになろうとするのを心をよく思っている人がいないのは事実に変わりはない。
というか、対面に座っているおでこが限りなく広い白石さんの目が怖い。
なんてふざけたことを言ってる場合ではなかった。使い古されたアル〇ィマくんが目の前に山を構築しているではないか――
「オーラスです。最後まで頑張りましょう!」
目の前にある王牌の左端を下したあと、すぐさま挙手。
「なつきちゃん、代走お願い。腹やべぇわ」
こんな崖っぷち、俺はもう無理だ。このまま飛んでやる。給料が2カ月連続でマイナスになっている現状、別に店長の伊藤さんだって俺が飛んだことを不思議に思わないはずだ。
大丈夫、携帯が数日布団の中に眠るだけだ。
席を立ちあがり社員とヤりまくっているひとつ年下のなつきちゃんに卓を預けつつ、トイレ横の非常階段へと俺は向かった。
こんな麻雀へたくそで童貞の俺なんて、バックレがお似合いだ――
ヤバい、足を踏み外した。あれ、俺は空を飛んで・・・
ちょっとまってくれ。なんだここは。
「うわあああああああああああああ」
新宿東口近辺パインアップルビルの非常階段にいるはずの俺が、青空の中をFlay-awayしているなんて。
下を見ると中世ヨーロッパ風の街が広がっていた――
さて、クズ大学生のハルキくんは異世界でどうなってしまうのか。
次回をお楽しみに




