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新魔法メテオライト

「一応忠告はしたものの、これからは街中でも警戒をしなくては。」エマさんは言う。

「そうですね、警戒する事に越したことはないですから。」と私。

「よし、お互い今日買ったものはクローゼットにしまおう。」

私は頷いた。私はテーブルのほうを偶々見た。

そこにはなんと捨てたはずの白黒魔道書があった。『何故?!』

私は素早く駆け寄り中身を確認した。間違いないあの時捨てた本だ。

なぜこんなところにあるのだ。ありえない。

私は矛盾に頭を悩ませた。しかしこれはまぎれもない事実。

私は渋々現実を受け入れることにした。

ただ同時に私は喜んでいた。この本から学ぶ事は山ほどあるのだから。

(?????)

エンジニアA「例の物は彼女の元に届けたか?」

エンジニアB「現実としては受け入れられないかもしれないが。

知的好奇心が勝るだろう。ありえない現象に彼女は目をつむり。本に没頭するだろうよ。」

エンジニアA「そうでなくては困る。彼女は我々の研究の鍵を握っている。

彼女はいわゆる特異点なのだからな。

エンジニアB「そうだな。」

2人はホログラムコンソールで忙しそうに作業と始めた。

(元の世界に戻る)

エマさんは疲れたのかベッドで仮眠をとっている。

私は再び本に目を通した。

『メテオライトについて述べておこう。これはグラビティーの応用魔法だ。

この魔法は広範囲破壊魔法だ。使い方を間違えれば

世界全体に危機を齎す危険な魔法であることを前述しておきたい。

ちなみに私は、このメテオライトで国1つ消し飛ばした経験がある。

話を戻そう。この世界の空気は上空約100kmほどまであり

その外には大小さまざまな鉄の塊又は石の塊、若しくは共に混ざったものが浮遊している。

それらを任意に任意の場所へ落とす事により成立する魔法だ。

流れ星を見たことがあるだろう。

空気の層に突入する際に断熱圧縮という現象によって表面が加熱されるため

燃え尽きたり浅い角度で層に突入した前述の塊が放つ光だ。

君はメテオライトを唱えるだけでいい。任意の外世界の塊に作用し

地上に落とす。

そうだなイメージとしては砂場で石を砂にたたきつける

そうすると砂場には穴が開き周囲に砂が飛び散る。

これに断熱圧縮が加わり凄まじい爆発と衝突が起こる。そんな感じだ。

これは単純ながら、この世界のどの魔法をも上回る威力を発揮する。

もし君がこの世界を滅ぼしたいと思ったなら

ゼログラビティーで上空へと昇り、とてつもなく大きな鉄の塊を

認知または視認し、それと地上に落とせばいい。この世界は滅ぶだろう。』

恐ろしい事に理解できてしまった。とんでもない魔法を知ってしまったかもしれない。

が、近づけないが広範囲の対象を焼失させる使い方ができれば場合によっては便利だ。

私は思った。

エマさんが仮眠から起きてきたので、共に夜食をとりに行った。

部屋に戻るとナイトルーティーンをこなし眠りについた。

翌日、私はメテオライトを試したくて仕方がなかった。

朝早くから支度をし、部屋から出ようとするとエマさんに呼び止められた。

「今日は何をするんだい?」

「えーとですね…別行動にしませんか?」

「リーフは何か、しに行くのかい?」エマさんが聞き返す。

「うーんそうですね、昨日新魔法の知識を得たので試してみようかと。」

「それ僕も見に行きたい!」ぱぁっと笑顔になる。

正直なところ危険そうなので巻き込みたくないのが本音だ。

エマさんは、いそいそと用意を済ませ剣と盾を持ち

「さぁ行こうか。」と声をかけてきた。

仕方ない。「行きましょうか。」私は言った。東の方には半日かければ

到達できる比較的低い山岳地帯があった。

到着した私は相当前方にある標高500mほどの山をターゲットとした。

エマさんは隣にいる。

「それでは行きますよ。」私が言うとエマさんは頷いた。

杖を地面にコツンと1回叩き杖先を天に掲げ私は詠唱した。

「メテオライトッ!」杖の先端を目標の山に向ける。

何も起こらないなと思っていると。光に包まれた炎の塊が空から落ちてきた。

そして山へぶつかると爆発四散し山が半分消えていた。

その瞬間轟音と共に上方からの衝撃波(ソニックブーム)が私たちを襲う。

「ツッ!」私はまずいと判断し杖をコツン地面に叩きグラビティーを唱え

エマさんと私を囲うように球状に力場を発生させた。次の瞬間凄まじい地響き

いや大地震と言っていいだろう。と共に前方から凄まじい衝撃が襲う。

この力場の中にいれば安全だ。ガイン!ゴォン!カツン!カツン!ガコ!

熱せられた溶けた岩が降り注ぐ。それを力場が守ってくれていた。

暫くすると、それらは収まった。

半分砕け散った山を見ながらエマさんは呆然としていた。

私は力場を解き「さぁ急いで戻りますよ。」エマさんの手を取り歩き出した。

「え…?」エマさんは我に返る。

「この事象、そのうち王国調査隊が派遣されるでしょう。

現場からはかなり離れているとはいえ、この付近にとどまっていれば

不審者扱いされるかもしれません。急いで戻りましょう。」

「そ…そうだね。」エマさんと私は速足で町に戻った。

周囲は溶けた岩石で埋まっていたが力場の後には円形の何もない跡が残っていた。

近隣の村からの知らせもあり2日後には原因究明のため部隊が派遣されたらしい。


一方治癒魔法で全快していたアサシンは私達を付けていた

アサシンは私のメテオライトの光景を目の当たりにしていた。

『これは国が滅ぶ』

エマさんの父の王へ報告の為、暗殺者はこの地を去った。

私たちは知る由もないが、それ以降私たちに手出しはしてこなくなった。

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