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結成

「状態はどうかな?まだ揺れているかい?」

私はベッドに横になりながら答えた。

「随分良くなりましたが、まだゆらゆらしています。」

「それじゃあ目的も達成したことだし報酬を支払わないとね。」

エマさんは言った。

「一つ質問があるのですがよろしいでしょうか?」

「何かな?」エマさんは聞き返した。

「これからエマさんはどうされる予定ですか?」

「そうだね、この国の首都ランドンにでも行って冒険者にでもなろうと思っているよ。」

エマさんはそういった。

「当然私は冒険者として生計を立てていく予定です。

そこで相談なのですが、報酬と引き換えに私もご一緒したいのですが...。」

私からこのようなことを言い出すのは極めて珍しいことだ。

それでも人と一緒にいて苦にならないのは、初めてのことだったからだ。

エマさんは顔をパッと明るくして言った。

「それは助かるよ!僕も一人では心細いからね、でも報酬は別の話だよ。」

「分かりました、でも私のバックパックはもう入りきらないので

ランドンについてから報酬に関してはお話ししませんか?」

「そうだね、そうしよう。」

エマさんはそういうと、私たちは雑談と今後の行動について話し合った。

夕方になると私たちは1Fへ降り食事をとり部屋に戻り

ナイトルーティーンをこなし再び眠くなるまで今後の予定を話し合った。

(時間経過)

翌日宿をチェックアウトし馬宿から馬をつれ

ここイーストベイからランドンまでの道のりを馬で走った。

半日ほどすると、ランドンの街へ着いた。

「今までありがとう。」そう言うとエマさんは馬の顔の横に頬をつけ首筋を撫でた。

そうしてランドンの競り市ヘ行き、馬を競売にかけた。

馬の新しい持ち主が決まり、相応の金貨を受け取り競り市を後にした。

私たちは宿屋を見つけると、宿屋に入りツインの部屋の宿賃を払った。

部屋に入るとふたりは椅子に腰掛けた。

「それでは、報酬の話をしようか。」エマさんは言った。

「はい。報酬として金貨100枚をお願いいたします。」私は言った。

「いいや、金貨500枚これが初めの約束だよ。」

「必要経費はエマさんが、お支払していたので私は金貨100枚で結構です。」

「駄目だ、これは僕の依頼だから経費は僕持ちなのは当然だ。」

エマさんは譲ろうとしない。

「金貨100枚お願いします。」頑固さは私も引けを取らない。

「やれやれリーフは頑固だねぇ。わかった、では金貨400枚。これでどうかな。」

ため息まじりにエマさんは言った。

「いいえ私は絶対に譲りません。」

その後何度も私たちは話し合いを続けたものの私は断固として譲らなかった。

「わかったよ。僕の負けだ。それでは金貨100枚渡すね。」

そう言うとエマさんはテーブルの上に金貨を100枚置いた。

「やれやれ...リーフは筋金入りの頑固だね肝に銘じておくよ。」

やれやれといった顔のエマさん。

「はい。そうしておいてください。」私は笑顔でそう答えた。

2人は金貨数枚をバックパックに入れて残りは戸棚にしまった。

一番上はエマさん一番下は私。

そして私たちは宿屋を出て冒険者ギルドへ向かった。

2人は受付まで行くと、私はSランク治癒術師で登録。

エマさんは何の資格もないので隣接する協会へと向かう。

「僕の素養と言えば剣術だから、剣士かな。」そう言うとエマさんは剣術の間へと足を運んだ。

エマさんは剣士で試験を受けて行く、軽く特級までパス。

特級へと至るとクラスチェンジが可能。

エマさんはナイトへとクラスチェンジをし、ナイトも特級へ至ってしまった。

ハイナイトへとクラスチェンジし、試験を受ける。

S級まで試験をパスした。特級へは至れなかったようだ。

「うーん、まだ行けると思ったんだけどな。」

エマさんは、そう言うと剣をブン!と振り鞘に納めた。

剣のツバが鞘に当たりチャキン!と音がした。

協会受付でS級ハイナイトの資格証を受け取った。

「僕も、これで冒険者か。感慨深いね!」いい笑顔でエマさんは言った。

その後エマさんはS級ハイナイトとして冒険者ギルドで登録をした。

日も落ちかけていたので二人は宿屋へと戻った。

食事を済ませ部屋へと戻る。

「これで共に晴れて、この国で冒険者と認められました。

そこで提案なのですけれど、私とパーティを組みませんか?」私はそう言った。

「うん僕は最初からそのつもりだよ♪」嬉しそうにエマさんは言う。

「それではパーティー名を考えましょう。」

「そうだね。」エマさんは答えてくれた。

「僕はパーティー名に『自由』という言葉を入れたいな。」エマさんは人差し指をたてる。

「いいですね。」私は答えた。

「自由、自由、うーん、プラスでいいフレーズないかなぁ。」エマさんは言った。

私はエマさんと馬に乗っていた時の事を思い出していた。

「風……風……自由の風。…自由の風はどうでしょうか?」

「自由気ままに風に吹かれてみたいな、そのイメージいいね!」エマさんは言った。

『自由の風』は、ここに結成された。

2人はナイトルーティーンをこなし眠りについた。

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