賞金首
とりあえず、冒険者ギルドの依頼掲示板でも見てきますか。
請ける気が無くても常に依頼のチェックはしておいた方がいい。
何故なら、美味しい依頼はすぐなくなってしまうからだ。
ある依頼が目に付いた、盗賊団の頭目アゴスティノ生死は問わず
首を持参した場合は1500金貨、生け捕りなら2500金貨。私はその依頼書に手を伸ばした。
問題は盗賊の一味に魔法使いがいた場合だ、恐らく魔法は力場を貫通してくるだろう
実験できなかったのが痛手だ。
私はその依頼書をもって、冒険者ギルドへ入る。
ゴロツキどもは昨日は、私を組みしやすい獲物だと考えていたようだが。
待合室に目を向けるとゴロツキどもは、私から目をそらし。
相手をしてはいけない雰囲気が滲み出ていた。
どうやら昨日半殺しにしたゴロツキは役に立ったようだ。
横の繋がりはしっかりとしているらしい。
カウンターに向かうと依頼書にサインをし、私は依頼を出した。
高レベルの魔法防御が可能な冒険者を募集。Bランク以上、手っ取り早く集めたかったので
報酬は破格の金貨500枚を提示これは、すぐ見つかるだろう美味しい依頼だからね。
早速くギルド受付の方は私の依頼を張り出しに行ってくれた。さて、待合室で待つかな。
待合室へ入りテーブルの椅子に座った。ゴロツキどもは私の周囲の囲んで座っていたテーブル席を離れ
私と距離をとったところに座りなおした。
効果抜群だな、そう思いつつ
暫く待つと受付から声がかかった。
「リーフさんパーティー希望者です。」私の元に女性が駆け寄ってきた5歳ほど上だろう。
「初めまして!私の名はミアです。よろしくお願います。」礼儀正しい。
「私はリーフですよろしくお願いします。挨拶を返した。
茶色の髪で青色の目、顔立ちは整っていてニコニコしている。とても感じがいい。
「依頼達成の為に聞いておかなければならない事がります。」私は言う。
「はい、何なりと。」答えが返ってきた。
「先ずあなたの魔法結界の持続時間を教えください。そして360度の展開は可能かどうか。」
「はい私は神聖魔法使いで、30分ほどは持続できます。全方位の展開も可能です。箱型10メートル四方の結界です。」
「うん、あなたは私の理想の条件を備えています。ぜひ手伝いをお願いしたいです。」
でも報酬があまりにも多すぎませんか?危険な依頼なのでしょうか?ミアさんは心配そうに聞く。
いえいえ大丈夫ですよ、私はこう見えて腕利きですからね。サポートお願いします。ミアさんは頷いた。でも不安は表情に出ていた。まぁ仕方がない、普通はそう思う。
さっきの冒険者たちが脳裏をよぎった。私は苦笑いをした。
現地へ着いたら私の合図とともに魔法防御を展開してください。ミアさんは「はい!」と答える。
私たちは盗賊の住処へと向かった。
そこそこ歩くと崖に囲まれた道があった。この辺のはずだ。
私はミアさんに注意を促しそのまま進んだ。
崖上から男たちが滑り降りてくる「ヒャッハー獲物だぜぇ!」私たちは前後に挟まれた。
「か…囲まれていますよ!」ミアさんは言った。
「身ぐるみ剥いでよし!売り飛ばしてよし!」いい稼ぎになるぜぇ!
降参するなら今の内だぜぇ、もう2度とおうちには戻れないけどな!ゲヘヘ」
下卑た笑い余裕綽々で盗賊は言う。
「えーみなさんはこれで全員ですか?」私は尋ねる。
「おうよ!アゴスティノ頭領が出るまでもねぇ!降参はしねぇようだな!」
そう言うと前衛は皆一斉にナイフを抜いた。私がひるむとでも思ったのだろうか。
「いいでしょう。」杖をコンと地面に叩きつける。
「グラビティ」物理攻撃無効の力場を2人入る大きさで展開した。」
「だ…だ…大丈夫なんですか?。縮こまりながらミアさんは怯えている。
「安心してください今に、わかりますよ。取り合えず魔法防御展開お願いします。」
「偉大なる神よ、すべての元素を遮断しここに、安息の地を作りたまえ!サンクチュアリ!」ミアさんの詠唱で魔法防御は展開された。
「おぉ?小娘2人やる気か!バカが!前衛は襲い掛かってきた。予想通り後衛は魔法を詠唱している。」
「おい後衛火傷など負わすなよ価値が下がるからなぁ!」それを合図に30人ほどの男がとびかかってきた。」
後衛は10人という所か。
当然というか当たり前というか、ガイン!盗賊のナイフは弾き飛ばされる。
一瞬驚き「ヤロウ!なんだこれ!せこい真似しやがって!一斉にかかるぞ!」
そう言うと盗賊の詠唱の終わった火属性魔法が飛んでくるがサンクチュアリにかき消される。」
ナイフの連中はというと
「クソッ!クソッ!」と言い。何度もナイフを打ち付けるが次から次へをナイフが力場にはじき返される。
「頃合いかな?」私はコンと杖を突き水平に構え「グラビティー」と唱える
盗賊は皆地面に突っ伏した。
「なんだこれ、殺すぞ!」気にせずにミアさんへ暫く目を閉じるように言う。
目を閉じたのを確認した後、杖の先をググと下へ下げる、盗賊連中の骨はくだけ皆血を吐いている。
「終わりです。」そのまま杖の先端を更に下に向け押しつ潰した。
40人ともなれば凄惨な光景で、あたり一面骨と肉塊と血の海だ。
「ミアさんは後ろを向いてください。」この状況には恐らく耐えられないだろう。
「はい。」そうミアさんは返事をすると。
杖を1回地面に叩き「ゼログラビティー」2人は宙に浮き崖上に上った。
建て物が見える。
アゴスティノは中にいた
「なんだてめぇら!」さすがにボスだ迫力だけはある。
「手下どもどうした!おめぇら返事しろ!」手下に向かって声を発した。
「もう返事はできませんよ。崖の下をご覧ください。」私は言った。
「なんだと!テメェ!」アゴスティノはドスドスと歩き崖に到着して見下ろした。
「…なんだこりゃ…」絶句する。
「わたしがやりました。
降参すれば、王都に連行します。さもなくば、あなたも、ああなります。」私は言った。
「くそっ!なんてことだ!」跪き絶望の表情でアゴスティノは言った。
「降参するかどうか、イエスかノーかでお答えください。」
「イエス降参だ。好きにしろ。」諦めの表情で両手を上げる。
「賢い選択ですね。」私は言うと。
「闇より、出でし眷属、汝の闇は、また我が闇なり、そのしるべを示し給え!テネブラールムバインド!」
アゴスティノの両腕胴体を拘束し。力場を解いた。
「ミアさんは崖側ではなく帰り道をまっすぐ見て帰ってくださいね。」
「はい、わかりました。」ミアさんは答えた。
杖を1回叩き「ゼログラビティー。」
3人に魔法をかけ緩やかに崖下に降りた。」
王都への道を歩き出す。
「わかっているとは思いますが、逃げようとしたら殺します。いいですね?。」
私はそう言うと。
アゴスティノは俯きながら観念したようで
「あぁわかっている。」と言った。
城門までくると衛兵が何用かと聞いてきたので
「依頼書通り賞金首を捕まえてきました。」と返す
「そうか、ごくろうであった通りなさい。」
そのままギルドへ行き、受付嬢に生け捕ったことを知らせると。
屈強な騎士団員が数人現れアゴスティノは連行されていった。
「お疲れさまでした、生け捕りなので報酬は金貨2500」枚となります。
手渡すには多いので箱ごと渡された。
待合室のテーブルにつくと
その場でミアさんに金貨500枚取っ払い。
「うわぁこんな量の金貨見たことないです!本当にいいんですか?」ミアさんは満面の笑みだ。
「えぇサンクチュアリで助かりましたからね。ありがとうございました。」私はニコリとする。
ミアさんはニコニコウキウキでバックパックにお金を詰めた。
私に会釈をして「本当にありがとうございました!」と残しギルドを後にした。
私は暫くその場にとどまった。ミアさんは今金貨500枚を持っている。
昨日の私の時のように後をつけるやつがいないか目を光らせた。
ゴロツキどもは離れたテーブル席で縮こまっている。
暫く見張ったのち、私は杖を地面に一回打ち付けた。
ゴロツキはビクッ!とした、中には「ヒィッ!」と言葉を発するものもいる。
「ゼログラビティー」金貨の入った箱を浮かせた、これで預ける金貨合計は
3000枚だなと思いつつ席を立つ。
目をそらしているゴロツキを気にせず、貸金庫へ向かった。
金貨を預け家路についた。というか宿屋なんだけれど家路でいいのか?
宿につき、1Fで食事を済ませた後、部屋に戻った。
全部一人でやる事もないか、足りないところは雇えばいい。
そう思いながらランタンに火をつける。
日も暮れかけていた。ナイトルーティーンをこなし
髪を自然乾燥させた後、眠りについた。