最後の日
翌朝二人とも朝のルーティーンを終え
馬宿に向かった、エマさんは、愛馬の横顔を撫で馬は気持ちよさそうにしている。
用意をし、ミレさんは馬に跨った。
今までのやり取りで慣れた私は、エマさんの一連の動作に付き合った。
馬は街道を走り続ける。昼に差し掛かる事。
「ドウ、ドウ」エマさんは馬を止める。
「リーフ君、馬は疲労している、少し休ませていいかな?」
「はい。勿論です」私は答えた。
おあつらえ向きに、近くに町がある。
あの町で休もうとエマさんが言うので私は了承した。
早速エマさんは町の馬宿にを愛馬を預け、私の元に戻ってきた。
「さーて何しようか?」伸びをしながら言った。
「君は幼いけど冒険者なの?」あの金貨の量は尋常じゃない。エマさんは言った。
「はい、一応闇・治療術共にSランクです。」
「凄いじゃないか!きみの年齢は?。」
「12歳です。まもなく13歳になります。」
「これは驚いた…その年齢でSクラスなんてそうそういないよ。
君はとてつもない才能を秘めているんだね。金貨を多く所持しているのも納得だ。」ちょっと尊敬したよ。
「そんな褒められるようなことではないです。環境に恵まれたんです。」アレイさんとミレさんが思い浮かんだ。
「環境かぁ僕は恵まれてるし恵まれてないね。矛盾するけど矛盾してないんだ。」
何か深い事情がありそうだ。
「ふぁ…眠くなってきたな、ちょっと仮眠ってもいいかな?」エマさんは言った。
芝生の上丁度いい暖かさ、うららかな日差し、私よりもエマさんの方が気を使って疲れているはすだ。
「わかりました私は考え事もあるので30分ほどしたら起こしますね。」
「ありがとう、たすかるよ…」そう言うとスースーと寝息が聞こえてきた。
私はエマさん寝顔を見る。美形だなぁ羨ましいそんな事を考えつつ時間は経過していった。
「ふぁ…」私が起こすまでもなくエマさんは起きた。
「んーすっきり。仮眠は百薬の長というしね!」なんか混ざってるけれど指摘はしないでおいた。
「それじゃ行こうか愛しのお嬢様。」段々慣れてきた。
「行きましょう。」
2人は馬宿へ行き再び馬に乗る。
「ハイヤー」掛け声とともに馬は走り出す。
初めは馬に乗るのに慣れていなかってけど、長時間乗っているうちにどんどん慣れてきた。
馬は風を切って疾走する。
遠くに城が見えてきた。あれが首都ペノレ。エマさんは一気に駆け抜けた。
徒歩と違い、馬の速度は速い、あっという間に首都に到着した。
門番の衛兵はエマさんの顔を見るや否や敬礼姿勢をとり
「おかえりなさいませ!ご無事で何よりです。」そう言うとすんなり街中に入る事が出来た。
私の町と違って栄えている。人通りも多い。これは私とってはストレスだけれども。
馬から降りたエマさんは誇らしげに。
「いい街だろう、自慢の城下町さ。」どこか誇らしげだった。
私の目的はこれで達成した。
「私の目的は達成されました。ここまで本当にありがとうございました。」ペコリと頭を下げる。
「いや気にすることはないよ。僕は君と一緒で楽しかったし。
機会があったらまた会おう。」そう言って馬を引きながらお城の方へ歩いて行った。
ここは、人影のない所を見つけるのは難しいな。
裏路地を探索し、周囲に人がいないのを確認。
「闇より、出でし眷属、汝の闇は、また我が闇なり、万物の理を曲げここに顕現せよ!ブリッジオブローゼン!テネブラールム!」
私は元の町に戻っていた。
早馬で日数にして4日。明日は最後の日だ。
私は少ない荷物をペノレへ転送し引っ越しをした。
目星をつけていた宿屋の裏に荷物ごと転送した。
田舎の町と比べると宿賃も高い、でも私は金貨1000枚ほどの蓄えがあった。
1日銀貨5枚10日だと割引きで金貨4枚だ。
早速契約をし10日分の金貨4枚を払い部屋へ案内してもらった。
荷物は裏に転送してあったので、数往復したら運び込めた。
これで準備はできた。
転送魔法でもとの町に戻り。閑散とした部屋へ戻る。あるのは杖だけだ。
白黒の魔法書も引っ越し先においてある。手持無沙汰だ。
食事を済ませ、部屋に戻りナイトルーティーンをこなす。
つけてあるランタンの火が、ゆらゆらを揺れるのを眺める。
眠気が来た。ベットにもぐりこむ。少し感傷的になる。そして眠りに落ちていった。