リーフの揺れ動く心理そして覚悟
知的好奇心旺盛なリーフは
見たことのない魔法陣に興味津々
早速魔術を読み始める
眠れない。眠れるわけがない。絶対ドーパミンが出ている。
ベットから起き上がり、無視したナイトルーティーンを行った。
再びランタンに火を灯し続きのページを読む。
『魂が残っていても、問題は肉体だ。
本人の遺体があればリザレクションで事足りるが
器たる肉体が朽ちていた場合はどうすればよいのか?
答えは新しい器を用意することだ。
ただ、遺体ならば何でもいいというわけではない。
生前の魂の持ち主の特性と近ければ近いほど蘇生は成功する。
種族・性格・体格・年齢・血族・立場等、様々な要因があるが、近ければ近いほど良い。
逆に元の魂の性質から遠ざかると魂の定着は最悪失敗の可能性が跳ね上がるのだ。
最良の方法を述べよう。同じ性質の器を用意する。
そして君はその者の命を奪う。故意的にリザレクションを失敗し魂を消去する。
ここで注意したいのは詠唱によるリザレクションは成功してしまうので。
その際わざと間違ったリザレクション魔法陣を意図的に書き換え
魔法陣によるリザレクションを行使し失敗する。
これで確実に魂の消去が可能となる。
その器に定着させたい魂を定着させる。これが最も成功させやすいと言えるだろう。
目的の為に倫理観などは邪魔でしかない。ゆめゆめ忘れるな。
ただ魂を定着しただけでは、器の容姿のままだ。
私は、その障害を魔法陣の描き替えで、克服した。
以下に魔法陣を記す。
(魔法陣が描かれている)
この魔法陣で魂を定着させれば、容姿から性格・記憶に至るまで
本来の魂の持ち主そのものとなる。
実行を決めたなら、この方法しかない。
やめるも行使するも君の自由だ。せいぜい楽しんでくれたまえ。』
私は言葉を失った。これは人殺しだ、どうかしているのではないか?!
狂っている!この人は狂っている!
しかし脳裏をアレイさんの独白がかすめた…。大切な人を助けるため…。
私は無実人を私の手を汚すことによって彼らの大切な人を取り返せるのだ。
見ず知らずの人、恩義のある人シンプルに天秤にかければ答えは明白だ。
でもこれを実行すれば、我が神は私を許さない…。信仰を捨てるのと同義だ。
アレイさんのくしゃくしゃな涙顔が思い浮かぶ。私は覚悟を決めた。
私は倫理を捨てる。明日からは器探しだ。
いいころ合いで眠気が来た、眠るとしよう。
ランタンを消しベッドに潜りこむ。明日から行動だ。
ドキドキ二択クイーズ!
人は時として受け入れがたい選択を求められる