40話 ごめんね
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「ユンはもう少し、自分自身の能力の高さを自覚しなさい。」
「はい。」
「皆が皆、自分と同じだとは思わないこと。」
「はい。」
「確かにユンの行動に慣れてしまっていた私達も、少し感覚がずれていたかもしれない。」
「はい?」
「そこは我々も反省しよう。だが、ユン自身が自覚を持たなければ、また同じことを繰り返すぞ。」
「はい。」
「周りのペースをきちんと把握して、同じ歩幅で進むようにしなさい。
でなければ……。」
「でなければ?」
「友はできぬぞ。」
「!?そっ、れは…ちょっと…いや、かなり嫌ですね。」
「そうだろう。
自身を鍛えて、自己研磨をすることに関しては、本人の素質や努力なのだろうから何も言わないが、たまには周りを見て歩調を合わせなさい。
でなければ、孤立するよ。」
「うっ。肝に銘じます。」
はい。
ジュリアを泣かせたことにより、ただいま絶賛怒られ中です。
そんで、やりすぎると友達できないぞ。の忠告がはいりました。
やだー!ぼっちとかやだー!!
昔みたいに友達とかと遊びたいー!!
ジュリアと一緒でも遊んでくれる友達欲しいーー!!
歩調、大事。合わせる、大事。
協力プレーができるくらいの友を作らなくては!
でも周りに貴族いないしなぁー……。
友達ってどうつくればいいんだっけ??
頭を下げて考え込んでいると、フワフワと頭を撫でられる感触がした。
「お兄さま、大丈夫ですか?」
どうやら、ジュリアが頭を撫でてくれてたみたい。
さっきまで義母上の膝の上で泣いていたのに。
……目、真っ赤。
「ジュリア、ごめんね。」
あ~あ、一番泣かせたくない子を泣かせたよ。
俺って本当にダメな兄。
「……お兄さまは悪くありません。
約束の日までに、魔法を使えなかった私が悪いんです。」
「ううん。ジュリアは悪くない。
むしろ、すっごく優秀。
俺の物差しではかっちゃったから、こういう事態になっただけ。
俺、五歳から魔法の練習をしてたから、できるのがあたりまえの感覚だったんだ。
前にジェームズに言われてるのに……。
本当にごめんね…。反省してます。」
「五歳……。
今、お兄さまは十歳ですよね?
では、五年かんも魔力を練る練習をしてたんですか?」
「うーん……。魔力を練ることや維持をすることは、それなりのはやさでできるようになったんだけど、やっぱり反復練習はしたいし……。
ずっと基礎練習をしてたかんじかな?
魔法もまだ習ってなかったから使えなかったしね。」
そう言うとジュリアは少し考える表情をして
「数ヶ月前から始めたら、まだできないのは普通ですか?」
「むしろできなくて当たり前です。」
俺の前世の記憶でチートしてただけですから。
その言葉を聞いて、ジュリアはひどくホッとした顔をした。
□□□□
「なぜか頭を抱えたくなるような年齢が聞こえてきた気がするが、まぁいいだろう。
とりあえず、今回の話しはこれでおしまい。
ジュリアは貴族学院に入る前までには、魔力の維持と練ることがてきるようになっていなさい。
そうだな、十四歳の春の始まりか、春の間くらいに来る教会の鑑定巡業で、ジュリアは鑑定をしてもらおうか。
鑑定盤をもう一度持ってくることは難しそうだからね。」
「わかりました!
私、それまでにはがんばってできるようになります!!」
ジュリアの元気な声が響いた。
□□□□
コンコンコンッ
話が一区切りついたところで、またノックが聞こえた。
「旦那様、ディーダ司祭がいらっしゃいました。」
えっ、ディーダ?
「あぁ、思ったよりも早かったな。
通していいぞ。」
そう言うと、父上はソファーに腰をおろした。
義母上もそれにならったので、俺とジュリアもソファーに座る。
全員が座ったのを確認すると、ジェームズが扉を開けた。
「失礼します。あっ、先ほどぶりです。」
かっる!挨拶軽くない!?
ジュリアは目をパチパチさせ、えっ、かわいい……。
俺の妹かわいい!!
ずっと見ていたいのをたえて、義母上に視線をやる。
おぉぅ、絶対零度。
オーラが恐い。
スッと目をそらして父上を見ると、呆れた顔をしていた。
「挨拶はいらんが、軽すぎるのもどうかと思うぞ。」
「ははっ。そうですよね。失礼しました。
女神ティカ様のお導きにより、参上いたしました。」
ニッコリ笑顔で挨拶をのべる。
ディーダ司祭……。掴めない人だな。
□□□□
「で?アレはどうした。」
「はい。本当は一刻も早くこの村から出たかったみたいなのですが、今から出発すると魔物の森を夜に進むか、もしくは野宿することになりますよって伝えました。あと、死にますよって。」
「賢明だな。」
「頭が働かないんですよ。
脳みそが避暑地から帰ってこないから、少し考えれば解ることも理解できない。
普通子供だって言わなくても解りますよ。
第一、この場所を理解してるならアレが来ること事態おかしいんです。日中だって、あの森は安全ではないんですよ?
この村から出るなら、せめて隣村までの護衛を領主様の騎士団に頼みますよね。」
おぉう。歯に衣着せぬ物言いですね。
ジュリアと義母上がビックリしてる。
「あんなのでも一応お偉いさんです。
なにかあって、とばっちりをうけるのはごめんです。
なので、ご領主様、どうぞ護衛をお願いできないでしょうか。」
そう言うと、ディーダは頭を深々と下げた。
「あぁ、いい、いい、顔を上げろ。
どのみちそろそ出立しなければならなかったんだ。
仕事に行くついでに、私が護衛を引き受けるよ。」
父上がそう言うと、ディーダは勢いよく顔を上げ、
「ありがとうございます。」
もう一度、頭を下げた。
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