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31話 少人数

評価、ブックマークありがとうございます!!!


「ぼっちゃま。」


おっと、俺はこの目を知ってるぞ。


いっつも俺が常識的にずれたことを言うとジェームスがみてくる目だ!


ペンテスとかシトリスとかもよく使ってくるあの目だ!


俺、またずれたことを言ったの!?


普通の貴族がどれだけのレベルで魔法が使えるのかなんて知らないし、だいたい、ゲームでは攻略対象が全員上級魔法使いなんだから、俺もレベルを高くしていないと、もし敵対したときとかヤバイでしょ!

一般人が攻略対象なんてチートをヒロインに近づけさせないようにするのだから、俺もチートにならなきゃ!


そのためには全属性の魔法適性が中級以上でないと敵いそうもないのに……。


火魔法がなーーー!!初級ーーーー!!


くぅっ。まだ循環を使わないと安定してファイヤさえ出せないし。


頭の中で言い訳を考えながら、チラリとジェームスに視線を向ける。


生暖かい目。


おぅっふ。


「ぼっちゃま。普通の貴族は、中級魔法が一つ使える程度です。」


「中級が一つ。」


「中級が二つあれば御家は安泰。

三つあれば余多から引っ張りだこ。もちろん、他家から縁を欲しがられますので、ご婚約話はひっきりなしに。

四つ全てであれば、例え騎士爵位であろうとも、国への発言力は上級貴族に匹敵するほどです。

そこに上級魔法が加われば、侯爵位にも匹敵する力になるでしょう。」


「侯爵位!?」


「はい。それと、上級魔法の場合は一つだけでも御家安泰と言われています。

そのうえ中級魔法がいくつも使える者は御家安泰どころか、貴族階級でも中心的な人物になります。

つまり、他貴族に目をつけられるでしょう。それどころか、国に目をつけられるでしょう。

言っている意味はわかりますね?」


これ、俺ヤバイんじゃない?


「うん。」


「ご理解いただけたようで。」


「なら、なおのこと少人数のほうがよくない?」


「そうでございますね。ぼっちゃまの意見に意義はございません。

ただ、ご自身にいかに魔法の才があるかを、きちんと把握していただきたく。」

「あ~、うん。それは、うん。ごめん。」


思ってた以上にチートなんだね。知らなかったわ。マジで。


前世の記憶があるぶん、俺自身の目標がずいぶんと高いみたいだな。


でも、目標が高いほうがジュリアを守れるし、この感覚はこの感覚でいいか?


うん。よしとしよう!


目標はチートに勝てるチートで!


がんばってこー!!


「ジェームス。ユンの魔法の才とは?」


「こちらに簡易的ではありますが、報告書が。」


どこからだした!?その紙の束!!


「どれ。」


渡された紙に目を通していく父上。


パラパラパラと目を通すと、俺と目を合わせてきた。


「本当に?」


なにが?


「もちろんでございます。」


だから、なにが!?


ちょっと!二人だけの会話とかやめてくんなーーい!?


俺と義母上(ははうえ)おいてけぼりじゃん!


義母上(ははうえ)の方を見ると、優雅に紅茶を飲みながら、今度はこちらがドヤ顔をしていた。


だから、なんで!




□□□□


「私も、ユンの意見に賛成ですわ。」


「ミアもかい?」


「ユンのことは、まだなるべくなら口外しないほうがよいでしょう。

ただ土魔法が上級だったと言えば、皆、それだけしかみえませんもの。余計なことは言わなかっただけ。

質問もされないでしょうしね。」


「……それもそうだね。

よし、ユン、鑑定は信用のおける者だけで、少人数で行う。

それでいいね。」


「はい。ありがとうございます。」


ありがとうございます。なんだけど、なんで俺が土魔法の上級って確信してるの?


「父上、許可をいただき大変ありがたいのですが、なぜ、俺が土魔法の上級だとわかるのですか?」


「え?……ジェームス、この報告書には教えるとすぐにりかいし、実行できたと書いてあるが違うのかい?」


「違いありません。」


「うん。ならほぼ上級確定じゃないか。

ユンはなんでそんなに不安に思うんだい?」


まって、どういうこと?


え?また俺だけ知らないことですか?


「えっと、魔法がすぐに使えるのが中級か上級であることはわかるのですが、この二つのどちらかまではわからないのではないんですか?」


「ん?その二つがわかれば、ユンは上級だろ?」


「ん?」


「ん?」


「ぼっちゃま、魔法はほぼ遺伝で決まりますよ。」


「あっ!」


「お忘れでしたか……。」


「あっ、だから俺が上級ってわかるのか!」


「ユン~。」


父上がちょっと呆れてる…。


遺伝に結びつかなかっただけじゃないか。


やめて、そんな目でみないで!!



□□□□


「で、疑問は解決したかい?」


「はい。」


「では、明日の鑑定は少人数で行おう。

誰か推薦したい人はいるかい?」


「でしたら、父上、義母上(ははうえ)、ジェームス、ペンテス、シトリス、そして、俺とジュリアだけでおこないたいんですが。」


「ジュリアも?」


「はい。一緒に鑑定しようと約束したので。」


「あぁ、そういうことか。いいよ。

それと、ポパイとクフェア…あとは、オリーブかフリージアのどちらかを参加させよう。」


「三人もですか?」


「ポパイは私の右腕だ。今後何かあったときの連携にも関わる。

ジェームスとの連携にクフェアは不可欠。

オリーブかフリージアは、ミアとジュリアが参加しているから、どちらかは知っておくべきだ。」


「なるほど、わかりました。

でしたらジュリアも鑑定をしますので、フリージアの方がよろしいかと思います。

ジュリアに就いてくれているのはフリージアなので、彼女にも知っていてもらったほうが、ジュリアへのフォローができますからね。」


「そうね。私も、それでいいと思うわ。」


「わかった。では、私、ユン、ミア、ジュリア、ジェームス、クフェア、ポパイ、ペンテス、シトリス、フリージアの十人で二人の魔力鑑定を行おう。

私達以外には、ユンの鑑定結果は土魔法の上級であるとしか口外しないように。」


「わかりました。では、各自(かくじ)に伝えておきます。」


「たのんだ。」


ジェームスは一つ礼をして部屋を出ていった。


「さて、ユン。」


「はい。」


「今度はお前の話を聞かせてくれ。」


「え?」


「私がいない間に、ずいぶんと色々なことをやっていたんだって?」


「えっ!?」


「ユン。お父上は御存知ですよ?」


「えぇ~……。」


そんなことを言う義母上(ははうえ)と父上を、交互に見ると楽しそうに笑っていた。


「さぁ、ユンが眠くなるまでまだ少しは時間があるだろう?

私にも皆の時間を共有させておくれ。」


あぁ、そういう…。


うん。なんだろう。このくすぐったい気持ちは。


「んんっ。では、父上。どこから話しますか?」


「そうだな、ーーー。」


俺は父上に留守の間におきた自分の楽しかったことを話し出した。




読んでいただきありがとうございます!!


感想いただけたら嬉しいです。


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