16話 朝帰りの二人
評価、ブックマークありがとうございます!!!
大変励みになります!!
結果的に今後のことを考えて、アルストロ、モーグ、レン、プラントの四人に二個の唐揚げを半分づつにして食べてもらった。
よく味わって食べてもらって、俺がいなくても味が再現できるようにしてもらわなきゃ。
作り方だけ教えて、あとは丸投げ丸投げ。
本職には敵わないからね!
で、食べられなかった二人はというと
「俺、ちょっと行ってきます。」
「どこに?」
「おれもー。」
「いや、どこに?」
「無茶はするなよ。」
「「大丈夫」」
そう言ってどこかに言ってしまった。
いや、だからどこに!?
「お二人は森に行かれたのでしょう。」
そっとジェームスが教えてくれる。
「森?え、こんな時間に?」
帰ってきてからなんだかんだでけっこうな時間が経ってるのに?
「大丈夫なの?」
ジェームスは頷くと
「あの二人なら大丈夫です。
なんせ、この領地で二番手、三番手を争うくらいの実力者ですから。」
うん。まぁ、そうなんだけどね。
それでも
「やっぱり、心配だな。」
□□□□
どうやらあの二人は朝方まで帰ってこなかったらしい。
大量の魔物を引きずって帰ってきた姿はホラーだったと話してくれたのは、夜の警備をしてくれた騎士達だ。
「心配した俺の気持ちを返してほしい。」
「心配してくれてたんですか?ぼっちゃん。」
え、なにその『まさか!!』みたいな顔は。
俺だって心配くらいするよ?
「どんな人間だって万能じゃないんだから、心配くらいするよ。
当たり前でしょ。」
俺をなんだと思ってるんだ。
「うっす。すんません。」
あっ、ちょっと嬉しそう。
まぁ、二人の強さを知ってる人達は心配なんてしないもんね。
ていうか、ほぼ日常的なことだものね…。
あれ?心配するだけ無駄か?
ううん?
ま、まぁ、無事に帰ってきたからそれでいいや。うん。
「ところでシトリスは?」
「あ、あいつなら魔鳥取りに行きましたよ。」
「は?」
は?
「まさか、また狩りに行ったの?」
「違います違います!!
昨日のうちに仕留めてはいたんですけど量が量なので、いったん邸に戻ってまた取りに戻ろうって話しになったんすよ。」
「……どんだけ狩ったんだよ。」
「えーと、たまたま集団で固まっていたので、だいたい三十匹くらいでかね?」
「あの量に、さらに三十匹…。」
チラッと訓練場をみる。
ざっとみただけで、角ぐま、角うさぎ、角じか、角いのしし、あと…あれビッグボア?
え、まってビッグベアも何頭かいるようにみえるけど!?
ざっとみただけでもわかる量。山になってる。これにさらに三十匹の魔鳥。
うん。たぶんこれ一日がかりの大仕事になるな!
がんばれ!!俺は知らない。気付いてない。うん。
あれ、そういえば。
「魔物がこれだけ残ったってことは、魔石もだいぶとれたってことだよね。」
「はい。全部、ジェームスさんにわたしておきましたよ。」
「そっか、ありがとう。
で?これだけ仕留めたんだ。魔石の位置は確定したんでしょ?」
俺の言葉にペンテスはニヤリと笑った。
□□□□
「ぼっちゃんの見立てた通りでしたよ。
ビッグ種は心臓に貼り付くようにして、角種は角の根本に、魔鳥は首の付け根ですね。ちょうど、こう、首と胸の間です。」
ペンテスは自分の首を伸ばして喉仏の下、鎖骨の中心部の上辺りをさす。
「あー。なんとなくわかった。」
何度か頷くのを確認されると、ペンテスが続きを話し出した。
「ただ、強く突きすぎると魔石が割れました。
割れたのを一つでも取り残すと魔物が消えます。
粉々に割れた魔石は時間以内には回収不可になることの方が多いので、見きりをつけるのも大事かと。
後で騎士達にはどう魔石を採るのか教え込まないと駄目ですね。」
「なるほどね。執着のしすぎもよくないと。」
「はい。それなら限られた時間内で無事な他の魔獣を解体した方がいいかと。」
時間は有限だからね。
消える確率の高い大きな魔石より、確実に採れる小さな魔石ってことだね。
「それも騎士達に教えておいてね。」
「はい。あと、思ってたより魔石が脆いです。」
「ええ?…ビッグボアの魔石、硬かったよ?」
「確かにぼっちゃんが割った魔石は剣の柄をおもいっきり叩きつけてましたから、疑うのも無理はないとおもうんてすが。
魔物が生きてる間は、めちゃくちゃ脆いです。」
「そうなの?」
「はい。たぶんなんですが空気に触れると硬くなるんじゃないかと。」
「うん。」
「だから、こう、魔物狩りをするときは、なるべく首を切断するのがいいかと。」
「うん?」
「そうすればだいたい一発で死にます!!」
「おぉう。」
それはペンテスとシトリスだからできる荒業ではないだろうか。
ちょっと他の騎士達にもできる倒しかたを模索しないといけないな。
「えーと、あとは…魔法でどれだけ魔物を傷つけずに倒せるかってことですかね。」
「魔法かぁ。」
「土魔法や水魔法が得意なやつらは、こっちの方が魔物をキレイに倒せるんで素材はまるっと残るんじゃないですかね。」
「うん。倒しかたを考えてみるよ。」
「ちなみに、俺の得意な火魔法とシトリスの得意な風魔法は、魔物の素材をボロボロにしました。」
「はぁ!?」
「火と風の使い方の研究もお願いしまっす。」
ビシッと敬礼されても!敬礼されても!!
「はぁ~…わかったよ。
とりあえず先ずは魔石の全属性の適正確認をしなきゃいけないから時間がかかるからね。文句は言わないでよ!」
「はい!」
「いいお返事!」
ニコニコ笑ってるペンテスをちょっと呆れながら見つつも、まぁいいかと思ってしまうのは二人の今日の成果を評価しているから。
本当、シトリスもペンテスもこの領地に必要不可欠な人達になったな。
自分の兄貴的な位置にある人達が成果をあげてくれるのは正直嬉しい。
この二人だけでなく、この領地の民一人一人が幸せになれるようにもっともっと頑張らなければ。
さいわい我が領地の魔物の出現率は他の領地より多いので、これからは食べ物だけでなく魔物の素材で資金も稼げる。
そのためには売り捌ける領地をはやく見付けなければな。
「ペンテス、頼りにしてる。これからもよろしくね。」
色々な意味を込めて呟けば、
「はい!」
頼もしい声が返ってきた。
「あっ、そうそう!火魔法と風魔法でボロボロになった魔物は、魔石さえも採れなかったのでそこの加減も考えてください。」
「うそでしょ!?」
前言撤回。
全然頼もしくない!!
□□□□
できるだけ丁寧に素材と肉に分けときます。
と言ってくれたペンテスに見送られジェームスのところに行こうとしたが、当のジェームスが見当たらない。
あれれー?(某少年探偵風)
どこにいったんだろ?
いや、まじで。
キョロキョロと辺りをさがす。
「ユン様、誰かお探しですか?」
声をかけられ、振り向くと
目の前に角ぐま。
「角ぐまーーー!?」
って叫んだ俺は、けっして悪くないと思うんだ。
読んでいただきありがとうございます!!
感想、評価、ブックマークいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。




