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11話 過ぎた時間は戻ってこない

評価、ブックマークありがとうございます!!!


はげみになります!!

大きさにして成人女性の拳大くらい。

つまり、子供の俺の手には、両手のひらいっぱいいっぱいの魔石がのっている。


「シトリス。これ、どこにあったの?」


「心臓の中ですよー。」


「は?!」


「正確に言うとー、心臓のまわりに膜をつくって、張り付いていたんですよー。

心臓を引っ張り出したときに、いやに固いなぁーって思ったんで切り開いてみたんですー。

あっ、でもちゃんとぼっちゃんの指示が終わってからですよー?

これでなかったらお手上げだなーって思ってたんでよかったですよー。」


シトリスよ、ニコニコ笑いながらなんでもないように言ってるけど、スゴいことだからね?


「シトリス、お手柄!」


すごいすごいと誉めまくっていたら「イヤイヤそんな。」と照れ臭そうに頬を掻いていた。


「ぼっちゃんどうしましたか?」


大声を出したせいかペンテスが様子を見に来た。


「ペンテス見てこれ!」


ズイッと両手を差し出し、手に乗せている魔石を見せると目を見開いたままペンテスが動かなくなった。


あれ?なんか失敗したコレ?


「ペンテス?」


おーい。と呼びかけてもなんの反応もないし、どうしよう。


魔石を持ってるし、下手に動けないんだよねー。


よし。


「シトリス。やっちゃって。」


「え?いいんですかー?」


「あっ。起きる程度にやっちゃって!」


「はーい。」


あっぶない、あぶない。

シトリスのことだから、殺っちゃってに変換されてたよ今の。


「ちょっと下がってくださいねー。」


シトリスに言われたとおりに後ろに下がるとドムッという鈍い音と、ゴフッという息を吐き出した音が同時に聞こえ、ペンテスが膝から崩れ落ちるのを見た。


えっ、死んでないよね!?


「シトリス……。殺っちゃだめだって言ったよね。」


「えー?殺ってませんよー?」


「まだっ、ゲホッ…死んでませン…ゴホッゴホッ」


ゲホゲホ、ゴホゴホ腹を押さえながら四つん這いになって噎せる男……もといペンテスをちょっと哀れに思う。


まぁ、やれって言ったの俺だけどねー☆


「ペンテス、そんなところで寝たら汚れちゃうよ?」


「そうだよー。きたないよー。」


「あんたら…。ゴホッ。」


じゃっかんふらつきながらも立ち上がったペンテスにごめんねと謝り、もう一度手に持った魔石を見せる。


「……本物?」


「いや、本物以外になにがあるの?」


「いやいやいや、この大きさ!

国家レベルじゃないですか!!」


「……え?そうなの?」


え?うそ?ほんとに?


自分の手の中にある魔石が、そんなだいそれた物だとわかり、ビックリする。


「どうします?

そんだけのレベルの魔石なら、王族との取引にだって使えますよ?」


「そんなに?

……んー。よし。こうしよう。


ペンテス、短剣貸して。」


「?いいですけど…。

気を付けて下さいよ。」


「うん。大丈夫、大丈夫。

使うのは柄の部分だから。」


ペンテスが貸してくれた剣を固く握りしめ、片手で持つには少々不安定な魔石に向かって振り下ろした。



□□□□


「あ"ーーーーーーーー!!!」


「うるさ!」


叫ぶペンテスの声が耳に響く。


キーンってなるよキーンって!


「ぼぼぼ、ぼっちゃ、ぼっちゃん!」


「なに?」


うん。上手く割れたな。


ちょっと大きいほうをシトリスにわたして。


「なに?じゃないですよ!!なにしてんすか!!」


「なにって…。魔石を割ってる。」


手に残っている小さめの魔石にもう一度短剣を振り落とす。


「あ"ーーー!!」


「ペンテス、いちいち叫ばないで。うるさいよ。」


シトリスを見習え。

預けた魔石を持ったまま動かないんだぞ。


「いやいやいや!どう考えても叫ぶでしょ!?」


「騎士たる者は簡単には叫びません。

なにをそんなに騒いでいるのですか。

魔物がよってきてしまいますよ。」


ジェームス、どこにいってるのかと思えば魔物の警戒をしてくれてたんだね。

両手に合わせて三羽の魔鳥が……。


「いやいやいや!ジェームスさん叫びますって!

あれみてくださいよ!あれ!!」


ペンテスが俺の手に持っている魔石を指差す。


「国宝級の魔石をぼっちゃん割っちまったんですよ!?!」


あっ、ジェームスが固まった。


「……なんて?」


「だーかーらー!魔石を!割った!ん、で、す、よ!!

サンシュユンぼっちゃんが!!!」


はい。指差さなーい。人に向かって指差さなーい。


「……ぼっちゃま。」


「まってまってまって、一応弁明させて。」


そんな目でみないで!?


「俺だってちゃんと考えても割ったんだよ?

魔石のカケラだって高値で取引されてるって言ってたのに国宝級だよ?

そんなのが家の領土にあるって知られたら、どうなると思う。」


まぁ、間違いなく各方面から狙われるよね。


「「それは…。」」


ジェームスもペンテスもわかってくれたみたいでなによりです。


「そういうこと。

だから、とりあえず色々な実験ができるくらいの大きさにして割ってみようと思って。」


魔石の扱い方を間違えたら怖いことになりそうだし。


自分達だけじゃなくて、魔力のほとんどない領民も安全に使えるようにもしたいし。


「魔石を日常的に使えるようにするには、危険がないか等を調べるためにたくさんの実験が必要なんだ。

そのためには魔石だってたくさんいる。」


大・中・小各種取り揃えております。的に、色々な大きさにどんどん割っていき、持ってきた小袋に入れていった。

シトリスに預けていたもう一方は、大きめに五、六個くらいに割っておく。


これくらいの大きさなら、いい取引材料としても使えるだろうからね


さて、あとは


「ペンテス、さっきの角うさぎの魔石もこの袋に入れちゃって。

あと、ジェームスの魔鳥もどこに魔石があるのか探すよ?

ジェームス、魔鳥を捕まえてどれくらいたつ?」


「だいだい二十分ほどかと。」


「え、もう時間ないじゃん。」


やばいやばい、せっかくジェームスが倒した魔鳥が消えちゃうじゃん!


「シトリス、悪いけどまた解体たのんでいい?」


「……。」


「??シトリス?」


……またかよ!


「せい!」


ゴッという音と共に、膝から崩れ落ちるシトリス。


「~~っっいったーーっっ。」


「膝カックンで膝から崩れ落ちたからね。痛くてあたりまえだよ。」


ていうかさ、


「いいかげんになれようよ。

今回で魔石の存在や取り方が解ったんだから、これからはこの領地のために皆にも魔石をガンガンとってもらうんだよ?

たかだかこんなことで狼狽えられても困るんだけど?」


少し強めにいいますよ?


シトリスやペンテスには中心になって頑張ってもらわなきゃいけないんだから。

俺だって、できるなら領地のことは任せてくれ!とか、宣言したいけどまだ十歳だし、これから学院にも通わなくてはいけないし。


ずっと俺だけでなんとかなるなら別にかまわないけど、そんなことは決してないはずだから。



「「ぼっちゃん……」」

「ぼっちゃま……」


うんうん。わかってくれたならそれで…


「いやいやいや、なに言ってんですか!?」


狼狽えるペンテス。


「ぼっちゃーん、たかだかなんてレベルとっくに超えてますよー。」


無駄にキラキラしながら泣きそうなシトリス。


「どこで教育を間違えたのか…。」


口を押さえて涙声のジェームス。


あっ、あれ?

思ってた反応とだいぶ違う!?


大人三人の抗議になにも言い返せず、時間だけが過ぎていった。



読んでいただきありがとうございます!!


感想、評価、ブックマークいただけたら嬉しいです。


よろしくお願いします。

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