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ラヴ・アンダーウェイ(LOVE UИDERW∀Y)  作者: 囘囘靑
第5章:時間と自由(Опыт о непосредственных данных сознания)
100/165

100_完全(Идеально)

――百匹の羊を()てる人あらんに、()しその一匹、最大の羊迷わば、九十九匹を遺しおきても、往きて迷うるものこそ尋ぬるなれ。而して()(これ)を見出さば、「我九十九匹に(まさ)りて(なんじ)を喜ばん」と言うなり(百匹の羊を飼う者がいたとして、もし百匹の中の一匹、最大の羊が迷い出たならば、その人は残りの九十九匹を遺しても、一匹を探すであろう。そして、その一匹を見つけたとき、羊飼いは「私は九十九匹以上にお前を愛する」と言うであろう)。【『トマスによる福音書』、第107章】

 シャンタイアクティ、ウルトラ、チカラアリ、ビスマー。四天に君臨する巫女(ジリッツァ)たちは、シャンタイアクティの南東、騎士団の本拠地に当たる星誕殿(サライ)に結集し、“黒い雨(ドーシチ)”を封印するための儀式を行った。


 儀式は、つつがなく執り行われた。四人の巫皇の神性は引き出され、ロゴスとして展開する。ロゴスは結界として具現化し、七色の光に変じる。


 七色の光は、蓮の花のようにして、星誕殿(サライ)から開いていく。宵の明星と、それに従う星々に照らされ、光は透き通っていき、やがて完全に見えなくなる。光もなく、音もなく、人々は取り残され、世界だけがあった。


 儀式の場に、“救世主”はいなかった。

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