35話
性描写あるので閲覧注意です。
帰宅してから早々、総悟はマリベルに外に連れ出された。余り人目につかない場所に向かうと告げられ、学校と正反対の場所に向かう。
10分程歩くと、レムとサナがいるという場所に到着した。アリエルと神楽も、既にこちらに来ているらしい。
「あの、マリベルさん…」
「何だい?」
「こ、ここって…」
そこは、一言で言い表すなら車庫のような構造の建物だった。屋根には、「ホテル ラブ&ピース」と表記された看板が立てられている。
「ラブホじゃないですか」
「個室だからな。ここなら見つかりにくいだろう」
(他にもっと良い場所あったろ…)
心の中で突っ込みを入れながら、総悟はマリベルに続く。
向かって右から一番目の階段を上り、部屋をノックする。すると、Tシャツに短パンとラフな格好をしたレムが出迎えた。
「よう」
「来たか」
部屋に通され、ベッドに腰掛ける。
「まさかラブホ選ぶなんてなぁ。結構洒落てるじゃねえか」
「ええ。お洒落でしょ?」
(洒落てるのか…?)
(洒落てるの…?)
魔法少女の独特の感性に、総悟と神楽は困惑する。
「それで、情報ってのは?」
レムは、咳払いをしてから言う。
「本部勤めの職員によると、事件が起きた日から今日に至るまで管理室に出入りしたのは3人だけとのことよ」
「…つまり容疑者はその3人だと」
「ええ」
「容疑者の名前は?」
横から、アリエルが口を挟む。それに対してサナが応える。
「オッドマン教授、シギュン博士、ウートガルザ官長の3人よ」
マリベルは息を呑み、拳を強く握り締めた。懸念していたことが事実となり、固唾を飲む。
「…よりにもよってその3人か」
暗い顔をして、アリエルが言う。
「ウートガルザさんは解りますけど…後の2人は誰です?」
「オッドマン教授が魔法学の名誉教授で、女王様お抱えの精鋭部隊の隊長。シギュン博士が魔道具開発機構の局長。どちらも大物よ」
横で話を聴いていた神楽が、口を挟む。
「教授で且つ隊長も兼任してるんですか?」
「そうよ。本人曰く隊長の仕事はいざという時にしかないらしいけど」
どのような人物なのか、総悟と神楽には想像もつかなかった。
「容疑者は解ったが、どう調査する?大体の証拠はもう隠滅されちまってるだろうしよ」
「話は最後まで聞いて。装置の操作ログの話は以前したと思うけど…今朝、改竄前のログの復旧が完了したの」
急展開に、マリベルたちは動揺し、立ち上がった。
「誰だか解ったのか!?記録を弄った奴が」
レムは間を置き、重々しく告げた。
「ウートガルザ官長よ」
内通者の正体に、マリベルは憂いを帯びた顔を浮かべ、アリエルは苦虫を潰したような表情を浮かべた。
「他のログも復旧出来次第、本人から詳しく話を聴くつもりよ。同行してもらった上でね」
後は警察の仕事だ、とサナが言う。
「どんなに上級の方々でも、証拠が揃ってしまえば国も見捨てるわ」
会合が終了した後、総悟は双子と部屋に残っていた。2人は総悟ににじり寄り、身体を寄せる。
「ありがとうね、ソウゴ君」
「これで私たちも明日のお仕事頑張れそうだわ」
総悟は双子への労いとして、身体を差し出すことを了承した。有力な情報を掴んだ2人への、礼代わりだった。
「君の分の部屋代は私たちが立て替えておくからさ…」
双子は服を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となる。
「今夜は目いっぱい楽しんじゃお?」
淫らに笑う2人の少女は、揃って小さな少年を押し倒した。
総悟とゲート前のコンビニで別れた後、レムとサナはコンビニで買い物をしていた。飲み物と菓子類を幾つか購入し、店を出る。2人は、ホテルでの情事の話で盛り上がっていた。
「いやー。良かったねーあの子。顔もアソコも極上じゃない」
「本当にね。次ヤる時はドリンク沢山持って行こ?」
「おっ。良いね~。一晩中あの子をヤり倒すとか想像しただけで滾ってきたわ」
2人揃って猥談に興じていると、ふと人影が彼女らの前に現れた。
「やあ」
そう声を掛けてきた人物の顔と手に携えた物を見た途端、2人は血の気が引いた。頭の中で警鐘が鳴り響き、即座に逃げの態勢に入る。
しかし、その人物は刹那に2人の懐に飛び込み、手にした剣で彼女らの首の静脈を一太刀で斬り裂いた。
鮮血が吹き出す前にゲートを開き、物言わぬ体となった2人を魔法界へと送還する。ゲートが閉じたのを見届け、少女はコンビニに向かって振り返る。
「さて、今日は何のアイス買おうかしら」
眩い照明が、白いゴスロリと蛇の髪飾りを照らしていた。




