15話
4カ月近くも投稿に間が空いてしまい申し訳ありません。
これからも投稿間隔が長くなることがあると思いますが、どうかご了承下さい。
翌朝。頭がズキズキと痛む感覚と共に、マリベルは目覚めた。裸身をベッドから起こし
て床に落ちていたバスタオルを身に羽織る。
「昨日は久々に燃えたな…」
下腹部をなぞるとべとついた感触が伝わり、マリベルは昨夜の少年とのそれを思い出した。あれから彼に何度もするよう要求した所為か、マリベルは足腰に極度の疲労感を覚えていた。
「…確かまだ残ってたよな」
机の引き出しに仕舞ってあった、錠剤型の栄養剤を2粒口に含む。魔法界で採れる薬草で生成されたそれはすぐに効能を表し、足腰の疲労を消し飛ばした。
時計を見ると、長針と短針は共に12を指している。暫く布団に包まっていたかったが下腹部に乾いてこびりついた粘液が不快だったので、一階に降りてシャワーを浴びることにする。
風呂場に向かう途中で台所の前を横切ると、総悟が料理を作っているのが見えた。
「…ああもう昼時か」
何を作っているのか気になったので、遠目で見てみる。
「先ずはキャベツとモヤシを激流葬、そして洗った野菜をサウザンドナイフしてボールに潜影蛇手していくわね。そしてフライパンにサラダ油を展開し、燃え盛る大地とミノタウロスのコンボ!」
何やらハイテンションで耳慣れないワードを口に出す少年を、マリベルはにやけ笑いを浮かべながら眺めていた。まあ面白いよな、一般男性シリーズ。
珍妙なそれを遠目で観察していたマリベルだったが、さらに近くで見ようと彼の元まで歩み寄った結果、立てかけてあった箒を倒してしまった。
不意に聞こえた物音に総悟は振り返る。するとそこにはバスタオル一枚の、にやついた顔の少女がいた。
「…いつから見てました?」
「キャベツとモヤシを激流葬した辺りから」
総悟は、顔がトマトのように赤く染まった。ヤバい。超恥ずかしい。
「…と、兎に角お風呂入って来て下さい!その恰好ってことはシャワー浴びるつもりなんでしょ?」
「へいへい。仰せの通りに」
マリベルはぶっきらぼうに返事すると、にやけ笑いを浮かべたまま浴室へ向かった。
「無魔の活動が活性化している?」
昼食の野菜炒めを皿に盛り付けている総悟に向かって、マリベルは言った。
「ああ。昨日アリエルから聞いたんだが、最近この付近でA級・B級の無魔の出現数が増加しているらしい」
料理を盛り終わったので、話し合いながら食事を取ることにする。
「A級とかB級っていいますと…昨日神楽ちゃんを襲ったアレみたいなのですか?」
「あれはC⁺だな。強いことは確かなんだがA級とB級に比べると遥かに劣る」
怪訝そうに、総悟はマリベルに問う。
「じゃあそいつらってどれぐらい強いんですか?」
「B級が大体魔法少女4、5人程度の部隊で撃破可能、A級なら10数人程は必要だな」
総悟は絶句した。そんな連中が大挙してやって来ているのか。
「いや、別に今の所はそこまで深刻な問題じゃないらしいぞ?あたしらの国から無魔狩りの部隊が追加派遣されたらしいからな。問題はそこじゃ無い」
麦茶を傾けてから、マリベルは言った。
「お前さんも見たから知ってるだろうが…無魔の傍に女がいただろ?大体神楽と同じぐらいの」
「あ、はい。もしかしてあの子がマリベルさんが以前話してた虚将ってヤツなんですかね?」
パチン、と指を鳴らし、マリベルは答える。
「その(ザッツ)通り(ライト)。あたしも初めて見たがね。だがあの魔力の量、そして人の姿。間違いなくアイツは虚将だ。A級とB級の無魔共の増加もアイツが一枚噛んでるんだろうよ。まあ確証はねーが」
麦茶を流し込んで、彼女は言った。
「あたしの上司にも報告しておいたんだがその人曰く、近い内にその事で招集がかかる、とのことだ。予定は空けておけよ?御馳走さん、旨かったよ。旨過ぎて馬になったわね」
「止めて下さいってば、もう…」
からかわれたが、悪い気はしなかった。




