実験小説 いきなり事件のクライマックス~犯人は僕です
私はやっと犯人を追い詰めることができたのである。
「そこまでだ。お前は完全に包囲されている! 」
大熊警部は、得意げに犯人に言う。
「お前の隣の男に頼まれたのだ! 」
あきらめの悪い犯人は、私を指さす。
「証拠は? 」
「証拠なら、そのカバンのボイスレコーダーにある」
犯人は、私のカバンを指さした。
「警部、犯人の挑発にのってはいけませんよ」
「しかし、犯人も人間だ。信じてみよう」
大熊がそう言い、カバンからボイスレコーダーを見つけた。
そして、再生すると私と犯人の声が録音されていた。
「君・・・・・・ 」
大熊は、隣にいる人物に声をかけたが、既にいなかった。
私は走って逃げていた。
なぜならば、私が犯人だからである。
逃亡しても捕まることは分かっている。
しかし、認めたくない。
私は走っていたが、石につまづき頭を打ってしまった。
この事件の真相は、犯人が死亡して事件が終了したのであった。
終わり