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冷たい部屋  作者: 竜胆
2/5

入院生活二日目です。

お昼ごはんも憩いのスペースでソファーに座り一人で食べた。食べる気は起こらず、ノートにオカズやご飯の絵を描いた。お盆を返しに食堂に行ったら、食べたかどうかチェックされて、「全然食べて無いですね」と看護師さんから心配気に言われた。昼薬を貰いその場で飲んだ。


部屋に戻って歯を磨いた。やはり寒かったから、私はセーターにジャンパーを着たままでいた。机の椅子に座り、足にはストールを巻いていた。日記帳を取り出して、部屋が寒い、と書いた。だけれど、部屋の外に出る気力は無くて、カーテンを開けて外の景色を眺めて過ごしていた。


部屋にいても寒かったから、私は外に出て庭園の花々を見に行く事にした。カラス木蓮などの花木の下に小さな菫が咲いていた。小さくて可愛いなぁと携帯のカメラで写真を撮った。

温室に行き「こんにちはー」と声を掛けたが、庭園管理の男性はおられなかった。勝手に中に入っていいのか迷い、結局入らずに病棟の部屋に戻った。

部屋に戻り石鹸で手を洗いうがいをした。

ノートを開いて、携帯で撮った花の写真の写生をして過ごした。


夕食を知らせるチャイムが鳴り、食堂にお盆を貰いに行った。やはり食べられなかった。おかずとご飯を丁寧に写生した。お盆を返しに行ったら、担当の看護師さんがおられて「食べておられないと聞いています。食欲がないですか」と聞かれて、「すいません、食べれません」と言った。夕薬を貰いその場で飲んだ。かれが「お茶を淹れますから、後で伺いますね」と言ってくれて嬉しくなった。


部屋に戻り歯を磨いて、看護師詰め所にシャンプーと類とドライヤーを出して貰いに行って、部屋の中鍵を掛けて、バスタオルとタオル、パジャマと下着を衣装ケースから出して出して、浴室に入り浴槽をシャワーで流してからにはシャワーカーテンを引き、頭から熱いシャワー浴びてを浴びた。頭と身体を洗い、シャワー浴びて流した。浴槽をシャワーで洗い流してお湯を張った。熱いお湯に浸かった。三十数を数えてから、上がって栓を抜いた。

バスタオルで髪と身体を拭いてから顔の手入れや身体にボディークリームを塗った。そして浴槽をシャワー洗った。濡れた手で床をバスタオルで拭いた。

浴室を出てから急いで下着とパジャマを身に付けて、分厚いカーディガンを羽織り、髪をドライヤーで乾かした。

シャンプーやらボディーソープに付いた水滴やカゴの水滴もタオルで拭いてから、看護師詰め所にシャンプー類とドライヤーを返しに行った。

部屋に戻ったら、やはり寒くて、私はパジャマを脱いで長袖の厚手のカットソーをパジャマの下に身に付けた。スパッツを持って来なかったのが悔やまれた。


ベッドに入って芋虫のように丸まり、なんて寒い部屋なんだろうと思っていた。


部屋をノックする音がして、担当の看護師さんと看護助手さんが就眠薬を持って来られた。私はベッドから起き上がり、就眠薬を飲んだ。

ベッドに横になっていても眠気は訪れなかった。


部屋をノックする音がして返事をしたら担当の看護師さんだった。看護師詰め所は三階のとは作りが違っていた。奥の畳の部屋に案内された。

彼がお茶を淹れている姿を眺めていた。

お湯のみを渡されて、香りをまずは楽しんだ。そして飲んだお茶はやっぱり美味しかった。「美味しいです」と私は微笑んで彼に言った。

「何があったのですか」と彼から聞かれた。私は彼に「妹から電話で言われた言葉にショックを受けて、私が安心出来る場所は病院しか思い浮かばなかったのです」とたどたどしく説明した。「妹さんとは連絡取られましたか」と聞かれて、「妹は怒ると怖いので、怖くて電話していません」と言った。「ご両親は入院に賛成なされたのですか」と聞かれて「どう思っているか分かりません。父は私が妹との電話で酷く取り乱して泣いていたのを抱きしめて背中をさすってくれました。父が夜に病院に連れて来てくれました。また心配を掛けています」と話した。彼は「妹さんとは、電話での会話で行き違いがあったのだと思います。落ち着いたら、なるべく顔を合わせて話をしてみて下さい」と言われた。私は出来るかな、と思いつつ頷いた。

「今の部屋は寒過ぎて眠れません」と私が言うと、「あの部屋は北向きの部屋で一番寒い部屋なのです。空いている部屋があそこしか無くてすいません」と謝られて、「いいのです、私が無理を言って入院させて貰ったのですから」と彼に言った。

「眠れるといいですね、おやすみなさい」と彼は部屋まで送ってくれた。

私はベッドに入ったが、その夜もやはり寒さで眠れなかった。


夜中に睡眠薬を貰いに看護師詰め所に行ったら、クールな社会保健福祉士(ワーカー)の彼が詰め所におられて、私は驚いてしまった。彼は私をチラ見して目を逸らした。私は内心で彼に対してムカついていた。

看護師さんから睡眠薬を貰いその場で飲んだ。「おやすみなさい」と言ってから部屋に戻ってベッドに入り、二枚の掛け布団に包まり、眠気が訪れるのを待ったが、寒さで眠れなかった。



この時の春は寒かったです。

個室も部屋によって違いがありました。。。


お読みくださり、ありがとうございます!



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