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楽しい近(地下)道

「わー!!これが太陽かー!!綺麗だなー!!」


レジアは朝日の方向へ街道を走っていた。


「確か試験って筆記と、あと剣と魔法だったっけ!どれか二つ、できれば三つできればいいんだよねー!ペンが使えたってことは全部できる!!やったー!!」


レジアが地図に視線を戻す。


「えーっと、次は右か!!」


地図を見ながら右に曲がるが、右の道は路地裏と言うにふさわしい、細い道だった。


「うーん、暗いなー。でも地図通り行ってるから大丈夫か!!」


気を取り直して路地裏を走り始める。


「次は左!!」


レジアは路地裏にあるゴミなどの障害物を素早く躱しながら、路地裏を縫うように進む。


「次は右!!」


「次の分かれ道はまっすぐ!!」


「その次は左!!」


「それで右!!」


「次は左ーー」


順調に進んでいると思った矢先。


ガツン!!!!!


レジアは勢い良く壁に激突した。


「あれ!?!?」


レジアは、自分がぶつかった壁と地図を交互に見る。


「次左なのに道がないよ!?」


辺りを見渡すが、左に曲がる道は存在しない。


「あれれれー……」


建物の隙間から見える空、路地裏に置いてあるゴミ、地面に落ちているガラスの破片など、様々なものを見るが、道は見当たらない。


「こっちの方向に道があるはずなんだけど……」


そうしてその方向の地面を見た時、レジアの目にあるものが映る。


それは、下水が通る道、いわゆる下水道と繋がっている穴の蓋だった。


「こんなところに扉が!?!?」


しかし下水道のことを詳しく知らないレジアはそれが扉であると判断した。


「なるほど……道は地上だけじゃないってことだねサタンおじさん!!!この地図には近道が書いてあったんだ!!」


レジアが蓋を開け、その中に飛び降りる。


そこには下水が流れている場所と、その左右に少し高くなっている道があった。

そして、レジアはその道の上に降り立った。


「うっ臭い!!」


レジアが鼻を押さえながら魔法陣を描き始める。


「カノヸ・ヒッカ・ヸヨヵ・ヹツグ・ルワザ!」


魔法を唱えると、レジアは手を鼻から外す。


「ふう、念のため消臭結界魔法作っててよかったー」


レジアが地図を見ながら下水道を歩き始める。


「ここ川が流れてるんだー」


隣にある下水を見ながら言う。


「まあいいや!早く行かなきゃ!」


レジアが再び走り始める。


タッタッタッタッタッ


下水道にレジアの足音が響く。


「うーん、どうしてこんなに静かなんだろー。一人くらい人がいてもいいと思うんだけどなー」


タッタッキュッタッタッタッタッキュッ


時々下水道の分かれ道を曲がりながら、下水道を走る。


「次は右かなー」


地図を見ながら下水道を曲がると、奥の壁に開いた穴から、少し光が漏れている場所があった。

そして耳をすますと、人の話し声が聞こえる。


「地図のゴールもここら辺だし、もしかしたらあそこで試験を受けるのかな!!」


レジアがその場所に走り、壁の下の方に開いていた穴をくぐる。


すると。


ろうそくの光が壁を薄く照らす小部屋に出た。


「なっ!?お前誰だよ!?」


「ここに何の用だ!!」


「変な動きしたら殺すぞ!!」


そこには頭に黒い布を付け、全身黒色の服を着たナイフを持った男が五人いた。


「えっと!僕レジアって言います!!ぼうけんしゃいくせいがっこうの試験を受けにきました!!」


「冒険者育成学校……?」


「はい!!ここが試験会場ですよね!!」


「何言ってんだテメエ!!ぶっ殺されたくないなら本当のことを言え!!」


「本当ですって!!ほら!!ちゃんとこの地図通りに!!」


レジアが地図を差し出す。


「ああん?」


ある男が地図を手に取る。


「ここ全然ちげえ場所じゃねえか!!迷ってもこんなことにはつかねえよ!!」


「え!!ここ場所違うんですか!?」


「とぼけたこと言ってんじゃねえ!!おらあっ!!」


男がナイフを持ってレジアに飛びかかる。


「おっと!」


レジアが軽く避け、顔を殴って反撃する。


「貴様ア!!!」


「ふざけんな!!」


別の男たちもナイフで切りかかってくる。


「うわっ!!」


レジアはまとめて避け、全員の顔を殴る。


「うっ……」


素手であり、かなり手加減したとはいえダンジョンで魔物を倒すのと同じ要領で顔面を殴られた男たちが立ち上がれるはずがなかった。


「ご!ごめんなさい!!」


レジアが落ちたナイフを全部拾う。


「ナイフ返しますから!!」


レジアが男たちにナイフを差し出す。


「ひえっ!!すまなかった!!悪かったから!!」


「……?」


※男たちにはナイフを体に突き刺して返すと解釈しています


「なんでもするから許してくれ!!命だけは!!」


「いやとりあえずナイフを……」


「やめてくれ!!」


「でも返さないと……」


「返さなくていいから!!」


「もらっていいんですか?」


「いいから!!」


「ありがとうございます!!」


レジアが笑顔で自分のリュックサックにナイフをしまう。


「な、なんでも命令を聞くから命だけは……」


「命令?お願い事を聞いてくれるってことですか?」


「ま、まあそうだな……」


「え、えーっと、じゃあ冒険者育成学校まで案内してくれますか?」


「へ?」


「………………ダメですか?」


「いや、それ本気で言ってるのか?」




約十分後。




「いやあ、まさか本当に迷って下水道まで来るとは思わなかったですぜ兄貴!!」


「それに俺たちをあんなあっさり倒しちまうなんてなー」


「尊敬っス!!」


レジアが下水道に来た経緯を説明した結果、レジアはなぜか男たちに兄貴と呼ばれていた。


「なあ、なんか下水道なのにあんま臭くなくないか?」


「ああ、それなら僕が臭いを消す魔法を……」


「そんなのも使えるのか!!さすが兄貴!!」


「その歳で魔法も使えるとは!!流石っス!!」


「すげえなー!!」


「こっちから地上に出れるぜ!!」


ある男が、地上とつながる蓋へ伸びている梯子を指差す。


「おお!!ありがとうございます!!」


「敬語はやめてくれよ兄貴!!本来なら敬語なら俺たちが使うべきなんだからな!!」


「そ、それなら普通の話し方で……」


「了解ッス!!」



ガタン



梯子を登り、地上へと繋がる蓋をあけると、路地裏に出た。


「こっちだぜ兄貴!」


「うん!」


「蓋は俺が閉めておくッス!!」


「おう!」


一番最初にレジアに殴りかかった、五人組のリーダーである男が先頭に立ち、順調に道を進んでいく。

ちなみに男たちは全員、地上に出た直後に顔の布を取っていた。


「次はこっちだな!!」


男が地図を持ち、レジアは順調に冒険者育成学校へと足を進めていた。

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