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楽しい朝の街

レジアが初めてダンジョンから出た日の翌朝。


「サタンおじさん!!起きて!起きて!!」


レジアは寝ているサタンを元気に起こそうとしていた。


「ん?もうそんな時間か?」


サタンが窓の外を見る。

すると、日が後に昇って来るであろう方向の空が少し赤くなっていた。


「まだ日が昇ってないじゃねえか!!」


「でもやっぱりどうしても寝てられなくて!!」


「はっはっは。まるで遠足に行く前の子供だな。仕方ない、朝食を作るか!」


「わーい!!」




それからレジアとサタンは朝食を済ませ、外に出る準備を完了させる。


「本当に今から外に出るのか?まだまだ朝早いぞ?」


「大丈夫!!初めての街だから迷っちゃうかもしれないし!!」


「そうか!それならこれを持っていけ!」


サタンが地図をレジアに渡す。


「これなに?」


「地図だ。この赤い線の場所を歩いていけばすぐに冒険者育成学校に着く」


「これが地図!!本に書いてあった通りだよ!!」


レジアが地図を色々な方向から見る。


「はっはっは!気をつけていくんだぞ!落ち着いて受ければレジアなら絶対受かる!!」


「うん!頑張る!!」


「あ、そうだ。緊急時以外は試験以外で魔法を使うなよ?」


「どうして?」


「えーーっとな、そういうマナーなんだ」


「そうなんだ!!分かった!!!」


「よし、いい子だ!」


サタンがレジアの頭をぽんぽんと撫でる。


「それじゃあ行ってきます!!」


「おう!!」


ちょうど朝日が昇った時、朝日を背にレジアが勢い良く玄関を飛び出した。




「わーい!!」


レジアが街並みを駆け抜ける。


「えーっと、赤い線はー、こっち!!」


「次はこっち!!」


地図を色々な方向に回転させながら、しっかり赤い線の通りに走っていく。


「次は左だ!!」


道を左に曲がる。

すると目の前にゴミ箱が現れた。


「おっと!!」


レジアが華麗にジャンプし、躱す。


「ゴミが入ってたってことは、あれが街のゴミ箱なのかな!!」


レジアが前に視線を戻すと、目の前に街灯が現れる。


「おおっ!!」


ヒラリと右に回転しながら避ける。


「あれが街灯か!!街を明るくする魔道具なんだよね!!」


再び前に視線を戻す。

すると、ある家の窓から服が干されていた。


「あ!!あれが洗濯物か!!」


「次はこっちだな!!」


街並みを右に曲がる。

すると、ちょうど馬車とすれ違う。


「あれが馬車か!!本当に馬が動かしてるのか!!」


レジアが目を輝かせる。


「やっぱり街ってすごいや!!」


街にある様々なものに目を輝かせながら街並みを走る。




そしてそんなレジアが走っている道の、曲がり角を挟んだ先の道では。


「うーん、この魔法陣何が違うのかなぁ。これで火属性耐性の高度な魔法ができるはずなんだけどなー」


冒険者育成学校の、眼鏡をかけたある女教師が歩いていた。


「しっかり呪文の構成も魔法文字も正しいはずなんだけど……まさか二年間ずっと研究してやっとできたと思った魔法が発動しないなんて」


その教師は魔法陣の図が書かれた資料や、他にもグラフや論文などが書かれた資料を手にして、悩みながら歩いていた。




「次は左!!」


レジアがある曲がり角を曲がった直後。


「きゃあっ!!」


「うわっ!!」


眼鏡をかけた女性とぶつかる。


バサバサバサッ


女性が持っていた書類が地面にばら撒かれる。


「ご!ごめんなさい!!」


レジアがすぐに書類をかき集める。


「い、いえいえ!前を見ないで歩いてた私こそごめんなさい!!」


女性もすぐに書類を集め始める。


「あれ……?」


レジアがある紙を拾い上げる。


「ねえ、この魔法陣間違ってるよ?」


それは、女性が二年間研究していた、火属性耐性の魔法の魔法陣が記された書類だった。


「君、どうして知ってるの?」


「知ってる?別に初めて見たけど?」


「いやいや、普通は見ただけで合ってるかどうかはそんな早く分からないわよ」


「分かったよ?」


「そんなはずはーー」


「ちょっと借りるね!!」


レジアが女性が落としたペンを拾い上げる。


サッサササッササッ


レジアが紙の空いているスペースに魔法陣を描く。


「インロとヸヨヵの形の相性が悪くて発動しないから、こうしたらいいんじゃない?」


レジアが魔法陣を描いた紙を渡す。


「あ、あとこれ!」


続けて地面にばら撒かれた書類と、借りたペンを女性に渡す。


「あ、ありがとう……」


「じゃあね!!」


そう言い残すと、レジアが女性に背を向け(・・・・・・・)、走り出した。


「インロとヸヨヵの相性……」


女性が、最初から紙に描かれていた方の魔法陣を眺める。


「確かに魔法文字が共鳴してない……」


次に、レジアが描いた方の魔法陣を眺める。


「…………!!!!」

「すごい!確かにこれなら共鳴も起きる上に連鎖反応が起きて効率が大幅に上がる!!」

「しかも手書きで、あの速さでこんなに綺麗な魔法陣を描くなんて……」

「あの子一体何者なの!?!?」


女性がレジアが走り去った方向を眺める。


「……あれ、そういえばどうしてさっきこっちに曲がってきたのにさっきあっちに走り出したんだろう……」





その頃レジアは。


「やったあ!!ペン使えた!!すごく自然に使えた!!!!」


"ペン"という、初めて使う道具を使えたことに感激していた。


「これなら筆記の試験でもペンを使える……!!」

「やったー!!」


レジアは元気に朝日の方向へ、いや、明後日の方向へ走っていた。

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