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楽しい初めての街

「わーーーい!!」


少年がダンジョンの中を凄まじい速度で移動する。


「見たことない子がいっぱーい!!」


「キシャアアアアッ!!!」


少年は楽しそうに魔物を連続で切り裂く。


もちろん、その少年はレジアだ。


少しずつ洞窟が小さくなり、長さも短くなっているため、レジアが階層を上がる速度がどんどん加速していた。


「もうそろそろ30階層くらいかな!!いやー、まさかお家がダンジョンだったなんてびっくりしたなー」


レジアが独り言を言いながら凄まじい速度で洞窟を飛ぶ。


「そろそろゆっくり行ってもいいかな。洞窟に頭ぶつけたくないし」


レジアは飛ぶ速度を大幅に下げる。

とはいっても決して遅い速度になったとは言えないが。


「ぼうけんしゃいくせいがっこう……楽しみ!!」


レジアは初めての外に心を躍らせていた。


「ギキャアアアアッ!!!」


「ミジャァ……」


ちなみにそうしている間もレジアは魔物を切り続けている。


「わーーーい!!!」


「グルァアアアアアアアアッ!!!!!」


何匹か集まっているシルバーウルフをまとめて真っ二つにした瞬間。


「誰っ!?!?!?!?」


壁に倒れていた金髪の少女と目が合った。


「あれ?もしかして人間?」


レジアが黒い光の剣を消し、地に足をつけ、言う。


「え、えっと、あなたは、その、人間じゃないんですか……?」


「ううん、僕も人間だよ!!」


「そ、そうですか……だったら、その、あまり私に近づかない方がいいですよ……」


「なんでー?」


「だってその、呪われてて……」


「呪われてる?そうは見えないけどなー」


「普通見てわかるものじゃないんですけど……」


「あ!もしかしたら風邪ひいてたりする?」


「風邪?いえ、別にひいてなーー」


「治してあげるよ!!」

「ヸヨヵ・ョギグ・プレツ・ヶヒダ・ザピネ・ツヶベ・ラタボ!!」


レジアが半径数十センチのかなり複雑な魔法陣を僅か5秒程で描く。


すると、その直後。少女が緑の光に包まれる。


「じゃ!!またね!!」


「ちょ!ちょっと待ってください!!」


「どうしたの?」


「えっと、名前!!名前、聞いてもいいですか?」


「レジアだよ!!」


「えっと、私はアリネです!!」


「分かった!じゃあね!!」


レジアが空中を蹴り、飛んでいく。


「あっ!!ヸヨヵ・ ペヨツ・ヨケウ・ピゼカ!」


アリネから十数メートル離れたところで声を上げたかと思うと、レジアの姿が薄くなり、消える。


「まさか変異体のシルバーウルフを斬って倒すなんて……あの子、命の恩人だな……」


壁に手を置き、立ち上がる。


「あれ?体が軽い」


アリネが呪いの紋章を見る。

しかし、その紋章は跡形もなく消えていた。


「え……?」


アリネの呪いは、綺麗さっぱり消えていたのだ。


「そんなまさか……」


しかし何度確認しても呪いがかかっている様子はない。


そして、アリネが涙を流す。


「命の恩人……レジア様……」





その頃19階層では。


「ふー!!危ない危ない!!冒険者に見つかっちゃだめってサタンが言ってたからね!!」


レジアは自身に透明化の魔法をかけ、ダンジョンの階層を上がっていた。

ちなみにぽつぽつと冒険者がいるため、魔物を倒すのは控えていた。


そしてまた、その頃1階層では。


「レジアが来るのはあとちょうど一時間くらいと言ったところか」


ダンジョンの出口から少しだけ離れた場所で、サタンがレジアを待っていた。

しかしサタンに角や翼はなく、その姿は人間とあまり変わりないものになっていた。

人間に見せかけるため、角や翼は魔法で隠しているのだ。

ちなみにダンジョンの出口は整備されていて、魔物が出てこないか常に兵士たちが見張っている。


(ん!?もう来たか!!)


サタンが横目でダンジョンの何もない場所を見る。


(透明化でゆっくり歩いて来ているな……くっくっく。さてはきっと俺を驚かすつもりだなー。まったく魔力がダダ漏れだ。レジアもまだまだ子供だな)


サタンはレジアに気がつかないふりをして横目で見る。


(あと2メートルか。俺に気づかれないようゆっくり近づいて来ーー)


「ばあっ!!!」


突然サタンの後ろからレジアの声がしたかと思うと、レジアが後ろからサタンに抱きついていた。


「!?!?!?!?!?!?」


サタンがかなり驚いている。


「魔力くらい消すに決まってるじゃん!!その魔力は偽物だよ!」


レジアが先ほどサタンが警戒していた場所を指差す。


「はっはっは!!まさか俺の目を欺くとはな!!すごい成長だぞ!レジア!!」


サタンがレジアの頭を撫でる。


「えへへー」


「よし!外に出るぞ!!」


「うん!!」


レジアはサタンについていき、地上に出る。


そこには、輝かしい夕日に照らされた、美しい街の姿があった。


「わーーーーっ!!!すごーい!!街だーーー!!!!」


レジアがダンジョンの入り口の前にある、広場で走り回る。


「はっはっはっ!!元気だな!!」


サタンが元気に走り回るレジアを眺める。


「よし!俺の家に行くぞ!」


「え!!サタンってこの街に住んでるの!?」


「この街で活動するための家があるんだ!」


「そうなんだ!!」


「さ、ついてこい!!」


「はーい!!」




レジアがサタンと街を歩いて数分後。


「ここが俺の家だ!!」


サタンが、街並みの家と大して変わらない普通の家を指差す。


「すごーい!!街の家ってこんな感じなんだね!!」


「そうだぞ!!」


「おじゃましまーす!!」


家の扉を開け、中に入る。


家の中はかなり片付いていて、必要最低限の家具だけがあった。

そして、家の壁や天井、所々に不思議な魔道具が置いてあった。


「そうだ!!」


サタンが家の中に入ると、奥の部屋に小走りで入っていく。


そして数秒後。


「この魔道具を使うといいぞ!!」


サタンが眼鏡の形をした魔道具をレジアに手渡す。


「これなに?」


「人間の言葉が読めるようになる魔道具だ!便利だぞ!!」


「そうなの!?」


レジアが渡された眼鏡をかけると、突然眼鏡が消えた。


「あれ!?消えちゃったよ!!」


「大丈夫だ、消えたわけじゃない。使ったんだ」


「使った?」


「その魔道具は使い捨てなんだ。その代わりこれからずっと人間の言葉が読めるぞ!!」


「ほんと!?やったー!!」


レジアが両手を挙げ、喜ぶ。


「それでレジア、冒険者育成学校の試験がいつか知ってるか?」


「いつなの?」


「やっぱり知らなかったのか。明日だ」


「明日!?!?!?」


「ああ。レヴィアタンもそれを知ってたからすぐに外に出させてくれたんだ」


「そうだったの!?」


「まあ、前からレジアは冒険者育成学校に行きたいって言ってたからな。実はレヴィアタン、前から準備してたんだ」


「そうだったんだ!!やっぱレヴィおばさん優しいね!!」


「そうだな!」


「よいしょ……」


レジアが背中の荷物を下ろす。


「ちょっ!!待ーー」


バキィッッッッッ!!!!


床が抜けた。


「あ、あれ……」


「えっとな、あとで床に強化魔法をかけておくから家でならいいが、外で荷物置くんじゃないぞ」


「はーい……」


レジアが申し訳なさそうに荷物を拾う。


「ダパィ・ベモウ!」


レジアが素早く魔法陣を描くと、空いた穴がみるみるふさがり、床が直る。


「ヶヒダ・ラタボ!」


そしてまたレジアが魔法陣を描く。

その後、すぐにレジアが床に荷物を置くが、床は抜けなかった。


「レジア、復元魔法と強化魔法も使えるのか!!すごいな!!」


「レヴィおばさんから教えてもらったんだ!!」


「やっぱりレジアはすごいな!!」


「えっへん!!」


それからレジアは、掃除・洗濯・料理などの、生活に必要なことをサタンに教わった。

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