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ゼロ年代アニメとはなんだったのか?

2016年も半分終わったが、そろそろテン年代を代表するアニメ作品の選定、2010年代アニメの歴史的な評価を予想してみる時期ではないだろうか?

テン年代は後4年あるので総評は時期尚早に思えるが、後半4年でムーブメントを起こす作品があるとすれば、それは2020年代の影響の方が大きいと思う。


アニメブームといえば10年を区切って、70年代の「宇宙戦艦ヤマト」(1974年)、80年代の「機動戦士ガンダム」(1979年)、90年代の「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年)が挙げられるが、これはアニメ評論の世界でも歴史的評価としてほぼ確定されたものだろう。


問題はエヴァ以降である。テン年代の前にゼロ年代を総評する必要がある。

これはもう早急に確定すべき問題である。

様々な異論があるが、概ね2000年代は「涼宮ハルヒの憂鬱」(2006年)と見なして良いだろう。


80年代はヤマト、ガンダム、スターウォーズでSFブームがあり、大人も鑑賞に耐えうるようなリアル系ロボットアニメが量産された。

80年代後半にブームは下火になったが、SFの代わりに「ノストラダムスの大予言」に代表されるオカルトブームとなり、90年代に阪神淡路大震災やオウム事件などの世紀末的世相を反映したエヴァがガンダム以来の大ヒットとなった。


エヴァ以後、キャラクターの内面意識を濃く描き、そうした自意識が世界の情勢に影響を与えるという国家や組織などの中間部分が意図的に排除された「セカイ系」と呼ばれる作風の作品が量産された。

これは80年代後半からのロリコン物やアダルト(美少女)ゲームと融合し、90年代後半から00年代にかけて萌えアニメやアキバ文化を形成してきた。


そして、ゼロ年代の特徴といえば「セカイ系」から「空気(日常)系」へのシフトであり、ハルヒはまさにその橋渡しとなった作品である。

ハルヒ以降、ラノベ原作アニメ、部活動アニメ、日常系アニメが増加し、この延長上に空気系の「けいおん!」(2009年)がある。


「けいおん」は映画化もあり、アニメファン以外もアニメを見る大きなきっかけとなった作品である一方で「ハルヒ」は映画化に至らず(※)、エンドレスエイトで失速した感もあり、影響力も限定的でヤマト、ガンダム、エヴァと比べて見劣りするものの歴史的背景を考えると、エヴァ以降の萌えアニメブームの一つの頂点としてハルヒはエポック・メイキングな作品と言える。


※「涼宮ハルヒの消失」が2010年に劇場公開されたが、肝心の原作ラノベが遅く、劇場公開に合わせ2009年にTV版も再放送されたが、ブームの流れを100%維持するのは難しかったという印象。(2017年1月7日追記)


ハルヒの衝撃はEDの「ハレ晴れユカイ」のダンスアニメなど目に見える物もあった。

当時、YouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトが登場した事もあり、オタク層のみならず一般人も真似をして踊り、再び動画を投稿すると言ったようにハルヒの名を広く知らしめることになった。


ハルヒ以降、OPやEDなどでダンスをするアニメが急増し、

フレッシュプリキュア(2009年)以降、3DCGアニメーションで話題のプリキュアシリーズ、

アイドルマスター、ラブライブ、アイカツなどのアイドルアニメにも少なからず影響を与えた。


ハルヒの評価はまだ確定的なものではないし、「ゼロ年代は三大ブーム級はなかった」という意見から、「NARUTO」(2002年)「ふたりはプリキュア」(2004年)を挙げる人もいる。

そういう意見を汲み取ると、そもそも90年代はエヴァじゃなくて「美少女セーラームーン」(1992年)「ポケットモンスター」(1997年)であるべきで、

こうしたことは三大ブーム自体を否定することになりかねないので、ヤマト→ガンダム→エヴァの流れを重視して暫定的にハルヒがゼロ年代の代表作品とする。


ハルヒが放送されていた2006年には「コードギアス反逆のルルーシュ」や「ひぐらしのなく頃に」「うたわれるもの」などが放送されており、まさにゼロ年代のアニメを象徴する作品が生まれた年だった。

今年2016年はちょうど10年目に当たる。

故にテン年代の代表作品は既に現れている可能性が高いと言えるのでないか?


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